活動方針2017

Ⅰ.私たちを取り巻く情勢

第45代アメリカ合衆国大統領にドナルド・トランプが就任しました。選挙期間中を含め外交、通 商、軍事等の政策に対する保護主義を基調とした発言を上げれば枚挙にいとまがありません。

この動きは、決してアメリカに限った話ではなく、イギリスのEU離脱、欧州の移民政策等同様の 流れが大きくうねりとなって表出していると言えます。「未来の明るさ」より「未来に暗さ」の観を禁じ 得ない状況です。

トランプ大統領は施政方針演説で「オバマケア」の撤廃、軍事費の「歴史的拡大」等国益を最優先する ことを提言しました。

我が国に目を向けると、昨年7月に「我が事・丸ごと地域共生社会実現本部」が発足しました。「地域 社会での問題解決を地域で!」と謳ってはいるものの、財政再建と連動した医療、介護等の報酬改定 を裏打ちとした地域共生は、課題解決を地域に「丸投げ」するに等しいと言えます。また、安保関連法 案が国会を通過しました。これは、集団的自衛権の本質は、自衛隊が米国戦略に組み込まれていくも のです。

このような流れの中で日米首脳の“蜜月”ぶりは、着実にアメリカの国家戦略への追随につながる ものではないでしょうか。そのような関係は歴史的にも常に日本経済にとって「危険信号」を意味し てきたと言えます。

経済面では、外需依存の増加が顕著になってきている反面、中国経済の低迷や各国の保護主義的経 済政策、トランプ大統領による税制改革の一環としての「国境税」の導入も大きなリスクとして存在し ています。また、「円安誘導」とのあおりにより国債利回りの上昇も懸念材料です。

更に、我が国に潜んでいる問題の一例を挙げると人口減少問題があります。

追い打ちを掛けるがごとく、住宅市場の2022年問題が控えています。それは820万戸の空き家 に加え、都市部で大量の「生産緑地」が売りに出されることで宅地として農地が大量に売りに出されて しまうという問題です。農地として活用できないことで固定資産税が払えなくなり土地を手放さざる を得ない地主が大量に出てくるのです。

そうなると、地方での人口減少、都市部では「まち」の形が大きく変わり「人の流れ」と「流通」も大き く変貌していくことになります。

このように社会の在り方が大きく変わっていこうとしている中で、地域経済の根幹を担う中小企業 とその経営者が「経世済民」を至誠に自社の経営に立ち向かい、「地域に当てにされる存在」になり、 加えてその努力が報われる経営環境の在り方に思いを馳せていくことは今まで以上に求められる経 営姿勢であると言えます。 そのためには、「全社一丸の全天候型の強靭な経営体質の確立」と地方自 治体における「中小企業振興基本条例」の制定運動を通して、中小企業の力を高めていく事が必要不 可欠であるとの強い信念をもって主体的に努力するとともに、同友会運動の「質」と「量」を拡大し ていく事が必要です。

Ⅱ.2017年度スローガン

不安定な情勢を乗り切る強靭な企業づくり・同友会づくりを進めよう
  ~経営指針の成文化と実践、共育・採用を軸に経営課題を解決しよう~

Ⅲ.重点方針

 1.「人を生かす経営」の総合実践、経営指針に基づく企業づくり

1)労使見解に基づく経営指針づくりと指針経営(注1)の実践を推進します。 ①経営指針を創る会「成文化コース」「オプションコース」「実務化コース」を開催します。【経営労働委員会】
②モデル企業認定制度(滋賀でいちばん大切にしたい会社認定)の認定企業と挑戦企業を増やし ます。【経営労働委員会・各支部】
③21世紀型中小企業づくり(注2)をベースに会員企業づくり報告による問題提起の例会を開催 し、会員一人ひとりの実践となる例会や活動づくりを行います。【各支部】
④より企業づくりを確かするために、経営体験報告とグループディスカッションで自社の経営課 題を確認し、明日からの実践につなげます。
⑤第28回滋賀県経営研究集会を開催します。【理事会・実行委員会】

2)求人から採用、共に育つ社員集団づくりを推進します
①新入社員、中堅社員、幹部社員研修や課題別研修などを会員の要求に基づき開催します。【共育委員会】
②社内実践を進めるため「月間・共育ち」の普及や共育行事を開催します。【経営労働委員会・共育委員会】
③求人・採用活動通して強靭な企業づくりをめざします。【共育委員会】

3)課題別・要求別の学びの場づくりを推進します
①中小企業の国際化・海外ビジネスの展開を支援し、経験を交流します。【新産業創造委員会】
②青年経営者・後継者の学びの場として、経営指針づくり、経営実務課題の解決の場を設けます。【青年部】

2.地域や社会の要請と企業づくり

①地域を支える企業として、地域で働き、暮らす社会づくりのため、多様な雇用、求人・採用・ 共育を一体として会内外で活動します。【共育委員会・ユニバーサル委員会】
②職場体験学習・インターンシップ、大学とのキャリア教育支援に取り組みます。【共育委員会・各支部】 ③中小企業憲章国会決議や県内市町の中小企業振興基本条例の制定に向けて他団体との連携を 強化します。【政策委員会】
④中小企業の経営環境を改善するための政策提言を行います。【政策委員会】

3.中小企業の発展を支える同友会づくり

1)会員一人ひとりが主人公の増える組織・減らない組織づくりを進めます。【例会・組織活性化委員会】【各支部】 ①同友会らしい例会づくり(注3)とグループ討論(注4)で会員一人ひとりの経営実践につな げます。
②会員の顔と企業が見える関係づくりに努めます。課題別・興味別の研究グループ会の開催や役 員・事務局による定期的な訪問活動を実施します。
③支部ごとに新入会員のオリエンテーションを開催します。
※【 】は主な担当組織をさします

2)地域法人組織率10%:1,400名会勢を展望する組織づくり・リーダー育成【例会・組織活性化委員会】【理事会】【各支部】 ①中同協5万名達成方針に合わせ、2019年度800名を達成するため、目的と課題を整理し、滋 賀同友会の活動及び役割分担を議論します。また、2019年度滋賀同友会40周年に向けて組織 建設プランを作成します
②組織を担う同友会理念の体現、実践をめざすリーダー(理事・支部運営委員等)の育成に取り 組みます。理事会の主要な役割を支部活動の強化に置き、支部でのリーダー育成を支援します。 また中同協行事への参加を広げます。 ③中同協全国行事を企業づくり・同友会づくりの学びの場として位置づけ、理事会・支部で目標 を明確にして参加を進めます。
④同友会運動の発展を担う事務局の在り方・活動スタイルを見直し組織建設を最優先課題として 取り組む土台作りを進めます。

※【 】は主な担当組織をさします

注1)指針経営 「指針経営」=「理念経営」(注)を補強する概念。「経営理念」が「経営」の理念である限り、 健全な「経営」と「理念」は不可分と言う考え方から、「経営理念」の成文化と共有・浸透だけ に終わらず、自社事業の分析、外部経営環境の調査、自社の成長・発展戦略の立案、その戦略に 基づく具体的な行動計画とその実践などを通じて、「経営理念」の実現をめざす。またその戦略、 行動計画は「経営理念」に示された考え方や、価値観に沿ったものであるべきなのは言うまでも ない。
「理念経営」=経営理念を中心に置いた経営。経営理念で思い描く理想の自社、地域の実現をめ ざす。そのために、“会社がめざす目的と大切にする価値観=経営理念”を明らかにし、常に理 念に立ち返り、理念に基づく業務、行動を実践しようとする。

注2)21世紀型中小企業づくり
第一に、自社の存在意義を改めて問いなおすとともに、社会的使命感に燃えて事業活動を行い、 国民と地域社会からの信頼や期待に高い水準で応えられる企業。

第二に、社員の創意や自主性が十分に発揮できる社風と理念が確立され、労使が共に育ちあい、 高まりあいの意欲に燃え、活力に満ちた豊かな人間集団としての企業。

なお、「21世紀型中小企業」をめざす上で、欠かせないのが、「労使見解」(「中小企業における 労使関係の見解」)の学習です。これは、1975年に中同協が発表した文書で、労使の信頼関係こ そ企業発展の原動力であるとする企業づくりの基本文書です。
(同友会運動の発展のために第3次改訂版 11ページより抜粋)

注3)同友会らしい例会
「同友会らしい例会」=「同友会の月例会は会員の経営体験の報告とそれを受けてのグループ討 論が基本となります。報告者と事前の打ち合わせを十分行うなど例会づくりの準備の過程も学ぶ 場になり、例会を充実させます。謙虚に学ぶ姿勢でのぞめば、どんな話からでも学ぶことができ ます。同時に企業経営で実践するために変革の姿勢で学び続けることが必要です」
 (同友会運動の発展のために第3次改訂版 15ページより抜粋)

注4)グループ討論
「グループ討論」=「同友会の例会では、報告者は問題提起者です。報告者の話を自分の体験に重 ねて聞き、さらに他の人の意見や経験も自らの経験に重ねて聞き、討論することで自社の実践に取 り入れることができます。そのために同友会の例会ではグループ討論を重視しています。」  (同友会運動の発展のために第3次改訂版 16ページより抜粋)

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