活動方針2014

Ⅰ.私たちを取り巻く情勢

1.世界経済の状況

3月末、ロシアによるクリミア合併は、アメリカ、NATO諸国との対立を引き起こし、日本もロシアに対して制裁措置を取るなど、一気に緊張感が高まりました。

日本の貿易国第3位にあるロシアに対する経済制裁など日本経済への影響が懸念されています。アジア情勢ではGDPで日本の約2倍に達した中国ですが、バブル崩壊の危険性もあり数値を押し上げている公共投資は縮小され、伸び率は一気に縮小しました。中国の個人消費は4割と極めて小さく、その動向は極めて不安定といえます。

アメリカやドイツを除くEU諸国に関しては、債務危機解決は厳しく、財政緊縮策を取っており、政府主導の景気回復は鈍化し当面の景気回復は望めない状況にあります。

日本経済では、景気回復や消費者物価の上昇など、指標は上向き傾向と報じられています。しかし、13年度の政府実質GDP成長率は2.6%を想定していますが、10月~12月の2次速報値では0.7%と予想を大きく下回っています。また、政府の14年度見通しは1.4%としていますが、民間見通しは0.8%と大きなかい離がおきています。民間見通は個人消費が大きく落ち込み、輸出などの外需が大企業の生産拠点の海外展開によってGDPの押し上げには期待できないことが挙げられています。  中小企業においては円安による仕入れ単価の上昇、滋賀県内の有効求人倍率は0.93と1年間で0.22ポイントも上昇し、県内では人手不足、東日本大震災の復興事業、東京オリンピック開催によるインフラ整備による資材不足や単価の上昇など取り巻く情勢は極めて不安定な状況です。

4月以降は、消費税が3%の増税、社会保障費の値上げなど、比率はごくわずかの上昇に見えますが、企業にとっても、また社員にとっても負担が大きく、個人消費の落ち込みが予想されます。すでに、住宅や新車販売については3月期にはすでに駆け込み需要は終わっており、大きな反動が予想されます。

また法人税減税も議論されていますが、中小企業の74%が赤字であり法人税減税が行われたとしても大半の企業には恩恵がないことになり、地域の中小企業の経営状態は一層厳しくなることが予想されます。

日本再興戦略(成長戦略)では、法人税減税や中小企業融資に関する「経営者保証制度の見直し」が中小企業の成長戦略の一環として位置付けられました。同友会が2001年に金融アセスメント法制定運動を展開した成果であり、経営者の個人保証なしに融資が受けられる方向で進められています。しかし、金融庁では不振企業とされる中小企業の整理に入ろうとしいています。同時に政府の信用保証の大幅な縮小方針を打ち出しており、今後有利な条件で融資が受けられる企業、そうでない企業の2極化が進んでいきます。

経営指針書に基づく企業づくりを実践し、金融機関との日常的な情報交換や信頼関係を築いていくことがますます重要になってきます。同時に消費税増税は17年ぶりであり、支払いにかかわる資金繰りなども注意が必要です。

2014年度は消費税増税や公共事業等の東日本へのシフトなど、大きな変動が予想されます。同友会では、強じんな企業づくりをめざし、経営者がその資質を高めようと日々活動しています。日常の例会では、会員の経営体験に学ぶと同時にグループディスカッションや研究グループ会、地区会などでは、自社の経営状態や経済情勢について情報交換を行い、今の舵とりをしていくことが必要です。 

合わせて、5年後、10年後の自社や業界、地域経済の状況を想定し、中長期的なかじ取りをしていかなければなりません。そのためにも支部の例会活動、地区活動を充実し、日常的な学びあいをさらに深めます。同時に中長期の展望を持ち、経営指針に基づく経営、人材育成、そして中小企業や地域が抱える課題を集約し、行政や地域に問題提起をしていきましょう。

Ⅱ.2014年度スローガン

強じんな企業づくり運動を展開し、地域経済発展の原動力となろう!
 ~~指針経営の推進で、新たな仕事づくりと人が輝く地域づくりを~

Ⅲ.重点方針

 1.強じんな企業づくり運動=「指針経営」の実践運動を展開します

1)経営指針の成文化から、「指針経営」(注1)の実践を進めます
①第35・36期経営指針を創る会へ各15名の参加と、学び合いの質を向上させます。
②経営指針の成文化段階から、社内での論議と発表、社員参加で「指針経営」を推進する仕組みと経験を広めます。
③「滋賀同友会モデル企業認定制度」(「滋賀でいちばん大切にしたい会社」認定)めざす会員を増やし、人を生かす経営モデルを会内に広めます。

2)人材の採用と育成で、地域の雇用を担う企業づくりをめざします。
①共同求人活動(新卒学生の採用活動を通じて、魅力ある企業をめざす)の再構築に取り組みます。
②地域の多様な人材の雇用を担う、共育ちの企業づくりを進めます。
③採用~新入社員~中堅社員~幹部社員へと、ワンストップの学び合い活動を進めます。

3)地域との連携で、人材の育成と仕事づくりに取り組みます。
①企業連携、産・学・官連携で新しい仕事づくり、人材の育成(インターンシップ等)の取り組みを広げます。
②中小企業の国際化・海外ビジネスの展開を調査し、経験を交流します。
③再生可能エネルギーによる循環型の社会をめざす「エネルギー・シフト」の研究に取り組みます。

2.経営環境を改善する学びと提言活動

1)会の内外に「中小企業憲章」「滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例」への認識を広める活動を取り組みます。
2)大学との連携で、経営環境の変化と地域課題の解決をめざす研究会の開催をめざします。
3)中小企業の経営環境を改善するための政策提言を行います。

3.強じんな企業と人が輝く地域づくりを担う同友会をつくります

1)地域法人10%:1400名会勢を展望する組織づくり
①2022年度に、地域で10%の会勢をめざします。
②当面すべての支部が地域で5%の会員づくりを目標にします。 ③10%の組織率をめざすヴィジョンと戦略の策定をめざします。

2)会員一人ひとりが主人公の、増える組織・減らない組織づくりをすすめます
①同友会らしい例会(注2)づくりと、グループ討論(注3)を充実させます。
②会員の「顔」と企業が見える、研究グループ会活動、地区会(支部の地域別組織)活動に取り組みます。
③新会員のオリエンテーションを、支部単位で定期的に開催します。

3)同友会運動を担うリーダーづくり
①同友会理念の体現者をめざす役員(理事・支部運営委員等)研修会を開催します。
②中同協全国行事へ、理事会・支部等で目標を明確にして参加を進めます。
③女性経営者、青年経営者の会員を増やし、リーダーを育てます。
④同友会運動の発展を支え、戦略的に組織建設を担う事務局づくりを進めます。

注1)
「指針経営」=「理念経営」(注)を補強する概念。「経営理念」が「経営」の理念である限り、健全な「経営」と「理念」は不可分と言う考え方から、「経営理念」の成文化と共有・浸透だけに終わらず、自社事業の分析、外部経営環境の調査、自社の成長・発展戦略の立案、その戦略に基づく具体的な行動計画とその実践などを通じて、「経営理念」の実現をめざす。またその戦略、行動計画は「経営理念」に示された考え方や、価値観に沿ったものであるべきなのは言うまでもない。
「理念経営」=経営理念を中心に置いた経営。経営理念で思い描く理想の自社、地域の実現をめざす。そのために、“会社がめざす目的と大切にする価値観=経営理念”を明らかにし、常に理念に立ち返り、理念に基づく業務、行動を実践しようとする。

注2)
「同友会らしい例会」=「同友会の月例会は会員の経営体験の報告とそれを受けてのグループ討論が基本となります」(同友会運動の発展のために10ページより抜粋)

注3)
「グループ討論」=「同友会の例会では、報告者は問題提起者です。報告者の話を自分の体験に重ねて聞き、さらに他の人の意見や経験も自らの経験の重ねて聞き、討論することで自社の実践に取り入れることが出来ます。そのために同友会の例会ではグループ討論を重視しています」(同友会運動の発展のために11ページより抜粋)

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