活動方針2015

Ⅰ.私たちを取り巻く情勢

2014年11月21日衆議院が解散し、12月14日の選挙結果により自公連立政権が継続されました。民主党政権下で成立した消費税増税法では、2014年4月に8%へと増税され、2015年10月には景気条項を無くし10%に引き上げることが定められました。本来、消費税率引き上げの前提条件は「経済状況の好転」であるべきですが、7月~9月の実質GDPの前期比伸び率はマイナス1.6%であり、地域経済は想定以上に冷え込んでいることが明らかです。

消費税増税は、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「成長戦略」の三本の矢からなるアベノミクスを支える上で、財政再建の屋台骨であると言えます。併せて外交・安全保障では、集団的自衛権、特定秘密保護法にかかり防衛装備三原則での解禁、TPPとの絡みを含む農協改革、原発再稼働に絡むエネルギー問題、超高齢社会での社会保障改革、さらには教育改革を見据えた動向など、選挙結果はこの国の「経済」「安全保障」「教育」の危機の行方を決定づける基盤につながりました。

さらに、昨年5月に公表された増田レポートは「人口急減社会」への警鐘を鳴らしています。人口予測は「経済」や「政治」に比べ精度が高いと言えます。私たちが経営の基盤としてきた地域社会で、普遍的なものとして捉えていた暮らしの在り方が着実に崩れていく事を示唆しています。

中小企業に目を向けると、消費税増税が中小企業経営の厳しさに追い打ちをかけています。加えての円安・物価高、不況がらみの二重苦により、中小企業はすでに“アベノミクス不況”のさなかに陥っているとも言えます。

さらに、中小企業への課税強化につながる「外形標準課税」が政府税制調査会では取り沙汰されています。2004年に導入された外形標準課税は、現在は資本金1億円超の大企業が対象で、14年度予算では6600億円の税収を見込んでいます。

外形標準課税は、従業員への給料や資本金などの額に応じて税金が徴収される仕組みです。この対象を資本金1億円以下の中小企業にも広げることが検討されています。狙いは、大企業の法人税を減税するための財源づくりと言い換えることも出来ます。法人事業税全体を外形標準課税に置き換えれば、実効税率は5%近く下がるとしています。

現在、法人税を払っている企業は、全体の3割程度。儲かっている3割の黒字企業の負担軽減のために、赤字企業や目一杯頑張って黒字ギリギリという企業から取り立てるという図式と見てとれます。これは、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」と前文に謳い、「中小企業の声を聴き、どんな問題も中小企業の立場で考え、政策評価につなげる」という基本原則に定めた「中小企業憲章」(2010年6月18日 閣議決定)の精神に真っ向から反する姿勢だと言えます。

世界に目を向けると、大国の政治力学、新自由主義経済が影響を与えたと言わざるを得ない「領土問題」、「イスラム国」や「ウクライナ紛争」等々、この国の自主独立が問われる問題が山積している状況です。

このような中で、地域経済の根幹を担う中小企業とその経営者が「経世済民」を至誠に自社の経営に立ち向かい、加えてその努力が報われる経営環境の在り方に思いを馳せていくことは今まで以上に求められる経営姿勢であると言えます。

そのためには、「全社一丸の全天候型の強靭な経営体質の確立」と地方自治体における「中小企業振興基本条例」の制定運動を通して、中小企業の力を高めていく事が必要不可欠であるとの強い信念をもって主体的に努力するとともに、同友会運動の「質」と「量」を拡大していく事が必要です。

Ⅱ.2015年度スローガン

指針経営の実践で地域にアテにされる企業と同友会づくりを推進しよう!
 ~~時代認識を高め地域の未来をより確かなものに ~~

Ⅲ.重点方針

《企業づくり》
 1.指針経営を実践し、強じんな企業づくりをめざします。

1)経営指針の成文化から、「指針経営」の実践を進めます
①経営指針を創る会の開催と内容のさらなる充実を図ります。
②実践から「モデル企業認定制度(滋賀でいちばん大切にしたい会社)」につなげるため、指針経営の実務フォローの実施と社内実践プログラムを提供します
③会員が学び、企業での実践、検証(報告)、指針の更新をベースに同友会らしい例会や活動を実践します。

2)地域に人を残すため、採用から共育実践への企業づくりを実践します。
①共同求人活動の連携を関西ブロックで協議し、今後の活動の在り方など研究します。
②新入社員、中堅社員、幹部社員研修や課題別研修などを会員の要求に基づき開催します。

3)企業づくりをより発展させる地域との連携
①職場体験、インターンシップを条件に応じて県や支部で学校と連携して取り組みます。
②中小企業の国際化・海外ビジネスの展開を支援し、経験を交流します。
③中小企業の仕事づくり、地域づくりのために環境問題やエコノミーシフトの研究をします。

《地域づくり・経営環境改善》
2.時代認識を高め、中小企業を取り巻く環境を正しく理解し、中小企業と地域に必要な経営環境を整えます。

1)中小企業憲章国会決議・や県内市町の中小企業振興基本条例の制定に向けて他団体との連携を強化します。
2)外形標準課税など中小企業をめぐる税制を学び、論議を深めます。
3)中小企業の経営環境を改善するための政策提言を行います。

《同友会づくり》
3.地域の有機的なつながりで活力ある中小企業と同友会づくりめざします

1)会員一人ひとりが主人公の、増える組織・減らない組織づくりをすすめます
①同友会らしい例会(注2)づくりと、グループ討論(注3)を充実させます。
②会員の「顔」と企業が見える有機的なつながりをつくるため、研究グループ会活動や支部での小グループ活動に取り組みます。
③新会員のオリエンテーションを、支部単位で定期的に開催します。

2)地域法人組織率10%:1400名会勢を展望する組織づくり・リーダー育成
①中同協5万名達成方針に合わせ、2019年度800名をめざし、当面すべての支部が地域で5%の会員づくりを目標にします。
②組織を担う同友会理念の体現、実践をめざすリーダー(理事・支部運営委員等)の育成に取り組みます。理事会の主要な役割を支部活動の強化に置き、支部でのリーダー育成を支援します。中同協の役員研修会への参加を広げます。
③組織率10%実現に向けた財政のあり方を検討します
④女性経営者、青年経営者の会員を増やし、リーダーを育てます。
⑤障害者問題全国交流会の開催を視野に誰もが働きやすい企業と地域の在り方を研究します。
⑥中同協全国行事へ、理事会・支部等で目標を明確にして参加を進めます。
⑦事務局が組織建設を中心に担えるために、支部・委員会等はさらに自主運営を進めます。
注1)
「指針経営」=「理念経営」(注)を補強する概念。「経営理念」が「経営」の理念である限り、健全な「経営」と「理念」は不可分と言う考え方から、「経営理念」の成文化と共有・浸透だけに終わらず、自社事業の分析、外部経営環境の調査、自社の成長・発展戦略の立案、その戦略に基づく具体的な行動計画とその実践などを通じて、「経営理念」の実現をめざす。またその戦略、行動計画は「経営理念」に示された考え方や、価値観に沿ったものであるべきなのは言うまでもない。
「理念経営」=経営理念を中心に置いた経営。経営理念で思い描く理想の自社、地域の実現をめざす。そのために、“会社がめざす目的と大切にする価値観=経営理念”を明らかにし、常に理念に立ち返り、理念に基づく業務、行動を実践しようとする。

注2)
「同友会らしい例会」=「同友会の月例会は会員の経営体験の報告とそれを受けてのグループ討論が基本となります」(同友会運動の発展のために10ページより抜粋)

注3)
「グループ討論」=「同友会の例会では、報告者は問題提起者です。報告者の話を自分の体験に重ねて聞き、さらに他の人の意見や経験も自らの経験の重ねて聞き、討論することで自社の実践に取り入れることが出来ます。そのために同友会の例会ではグループ討論を重視しています」(同友会運動の発展のために11ページより抜粋)

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