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びわ湖かがやきカンパニーvol.77 株式会社 澤村/沢村ホーム 株式会社

びわ湖かがやきカンパニーvol.77 2017 年11月発行

株式会社 澤村/沢村ホーム 株式会社

一級建築士事務所、総合建設業、宅地建物取引業の株式会社澤村(本社・高島市)。三代目代表取締役でご自身も一級建築士である澤村幸一郎さん(滋賀県中小企業家同友会高島ブロック所属)にお話をうかがいました。(取材/8月29日)

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総合建設業・不動産
高島を本拠地に滋賀・福井・京都まで

 御社の事業内容とは。

澤村 倉庫・工場、事業所などの建築・土木をはじめ、新築住宅やリフォーム、不動産業等を行っています。昭和25年に祖父が創業し、公共工事等で会社の基盤を築きましたが、2代目となった父の代からは民間市場へとシフトしています。近年は円安・人件費の高騰で、企業が海外の生産拠点を日本に戻す動きが活発でしたが、名古屋や福井では需要が落ち着きつつあります。それでも県内では、工場建築の需要がまだあり、同分野は比較的堅調に推移しています。商圏は敦賀営業所のある嶺南地
方から大津を中心に、住宅建築では6〜7割の割合で紹介をいただいており、高島市内のシェアは30%超になります。

すべてのお客さまに
安定した品質を
”設計&品質“へのこだわり

 事業を引き継がれて9年とのことですが、これまでの歩みとは。

澤村 三代目にあたる私は、幼い頃より祖父や父の「後継者として」という強い思いを感じて育ちました。大学の建築学科を卒業後は2年間現場を経験し、1年間父の傍らで経営手腕を学び、25歳で事業を継承しました。祖父や父の下準備のお蔭で、社内では人も仕事もすべて円滑に進みましたが、リーマンショック後の不況下で、経営的にはどん底からのスタートとなりました。しばらくは苦境が続きましたが、比較的早い段階で復調しています。
 それは、先代たちが築き上げてきた〝信用〞が大きく作用しています。建築というのは、表からはわからないので昔も今も曖昧な部分が多いものです。設計士だった祖父は、木造住宅であれば早い段階から構造計算のできる集成材を建材に使うと決めていました。品質の見極めが難しい無垢材に比べ、すべての社員がお客さまに際無く安定した品質をご提供することができるからです。大工の勘に頼ることの多い住宅建築であっても、長年にわたり安全に心地よくお使いいただくため、当社で
は住宅建築には義務付けされていない構造計算を行います。
 他の建築物も同様に法律に関しないところは澤村の仕様書を作って行くなど、強いこだわりを持ってきました。
 「悪かったら建て直せ」という祖父の真っすぐなスタイルは父に受け継がれ、お客さまの信頼を築き上げてきました。見えない部分も誠実に仕事をする社風を今後も守っていかなければならないと思っています。

創立70周年
その先の未来へつなぐ
強固な経営基盤の確立

 御社の今後のビジョンとは。

澤村 祖父と父が守ってきた会社をより安定的な経営に導くことが私の使命です。その鍵となるのは「人の力」しかありません。
 細やかなサービスを追求するため、現在、事業部を専門分野別に細かく分け、それぞれの部門を統率するリーダーにはある程度の決定権を持たせています。研修や勉強会などを積極的に取り入れ、今後もリーダー養成に力を注ぎたいですね。
 また、各職場においては社員が常に高いモチベーションを持って働けるよう、職場のリーダーに意見や思いを伝えやすい環境を整えています。そのためか当社は同業種の中でも離職率が特に低いです。
 技術やスキルを安定してキープするためには、新たな人材確保も必要です。各部門に毎年3人ずつ採用することを目標にしていますが、今年は各部門からの〝やりたいこと〞に対する人材の希望もあり8名の採
用となりました。最近は、県外からの希望者が増えています。リクルーターから見ると、事業を細分化していることでさまざまな仕事に挑戦するチャンスがあり、自分の可能性を試せることが魅力なようです。理系・文系それぞれが活躍できるフィールドがありますので、偏ることなくどちらもバランスよく採用していきたいですね。
 現在、創立67年。創立70周年に向け、各部門では中期計画を発表しました。私自らがリーダーシップをとって戦略と方向性を明確に示し、
組織および社員一人ひとりの目標達成をサポートしていきたいと思います。

株式会社 澤村
沢村ホーム 株式会社
高島市勝野1108番地3
TEL 0740-36-0130
http://www.sawamura-shiga.co.jp/


「びわ湖かがやきカンパニー」に掲載希望の会員様は、同友会事務局までご連絡ください。
お申し込み多数の場合は、理事会等で掲載順を決めさせていただきますのでご了承ください。

滋賀県中小企業家同友会事務局(担当 廣瀬元行)
TEL 077-561-5333 

びわ湖かがやきカンパニーvol.76 2019年10月号 株式会社 滋賀フーズ

びわ湖かがやきカンパニーvol.76 2019年10月号

株式会社 滋賀フーズ

 パン、和菓子、総菜などの委託製造販売のほか、滋賀の特産品とコラボレーションしたオリジナル商品も開発する株式会社滋賀フーズ。代表取締役・水野茂樹さん(滋賀県中小企業家同友会湖南支部所属)を取材しました。(取材/8月17日)

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「食」に携わる事業の追求サンマルクでの経験活かし、独立

 これまでの歩みとは。
水野 実家は高島の今津にあり、私は明治時代から続く和菓子屋の三男として生まれました。戦後は大手菓子メーカーの特約店となり、二代目の祖父が菓子類の問屋業へ本格参入し、湖西商事株式会社を設立しました。このように食に携わる一家であったこともあり、長男の兄が23年前、サンマルクのフランチャイズ店を守山に立ち上げました。
 私も開店以降はチーフ、店長、マネージャーを経験し、営業活動や外販部門も担当しました。オープン当時は爆発的な人気で、ランチやディナー時には長蛇の列ができ大変な盛況ぶりでした。
全国100店舗ほどのフランチャイズ店の中で、料理部門売上№1になっていたほどでした。しかし、リーマンショック後は売上が急激に落ち、後にオープンした草津店は昨年閉店に追い込まれました。
 2010年、私は15年勤めたサンマルクから独立し、草津店のベーカリー
を朝4時から5時間だけ間借りする状態でパンの卸売り製造業をスタートしました。創業からこれまでの間では、資金調達や職場環境の整備、スタッフの確保と信頼関係等、多くの困難に直面しましたが、これまでの経験で得た知識やスキルを活かし自分の足で積極的に取引先を開拓していきました。〝サンマルク〞という名前が大きな武器となり、そのブランド力にチャンスをもらいながら、近年は自社のブランドを周知してもらいつつあります。

”食は人を良くする“
未利用の地域資源を活用

 地域の特産物とコラボしたオリジナル商品が好評のようですが、こうした商品を開発されたきっかけとは。

水野 若い頃、知人が立ち上げた肥料メーカーを手伝った時期があります。そのとき、出張先の九州で出会った農家さんが言われた〝食は人を良くする〞という言葉が、ずっと私の心から離れませんでした。また、熊本のトマト農家さんで大量の奇形やキズ物の未利用品のトマトを目にし「各農家で売れずに残ってしまう未利用資源があるはず。これを利用して何かできないか」と、その当時から考えていました。
 JA直売所や道の駅、生産農業組合に飛び込みでコラボ企画の営業をし、栗東のいちじく、守山のメロンやいちご、竜王の桃や柿などの地域特産物の未利用品を使って、パンやスティックパイ、菓子などのコラボ商品を開発しました。スティックパイは、県が地産地消を推奨する「おいしが うれしが」の商品としてさまざまな賞もいただきました。
 またこの秋、滋賀の観光や飲食物、移住などをPRする滋賀県情報発信拠点「ここ滋賀」が東京・日本橋にオープンするのですが、当社の「滋賀まるごとスティックパイ」を特産品コーナーに陳列することが決まっています。

機械の導入で効率化
歴史に残る「食」の提案を

 現在の事業内容や今後のビジョンを教えてください。

水野 〝手作りパン〞のPRを強化したことや日持ちのするスティックパイを商品開発したことで、一気に販路が拡大しています。現在、道の駅やJA直売所、学校給食のほか、大手の事業所や県立高校での出張販売、さまざまなイベントへの出店、また、高速道路のサービスエリアは繁忙期に何往復もして納品しています。フル回転でパンやパイを作っていても、追いつかないと感じるときがあります。今後、さらなる事業拡大を見据えると「機械化」が大前提になるでしょう。例えばスティックパイも製造工程での無駄を省くため、オーブンで焼成するだけでなく食品乾燥機で一気にサクサクに仕上げるなど少しずつ機械を導入し、効率化を図っていきます。しかしながらパンや焼菓子の味を左右する〝手作り〞
にはこだわっていきたいですね。
 委託販売は返品があり、季節や天気にも左右されるので製造販売数を計ることに日々頭を悩ませています。しかし、サンマルク時代で〝待つ〞商売の厳しさを知っているので、当面は店舗での営業はせず、出張や卸販売を主としたパンや焼菓子製造に力を入れていくつもりです。そ
して、滋賀産県食材とのコラボ商品のように、食を通じて地域活性化に貢献し「歴史に残る食べ物」を作り続けたいと思っています。滋賀県(琵琶湖)に波紋をおこすイメージで、会社のロゴをデザインしました。まずは2020年の東京オリンピックを視野に入れ、100年以上愛される商品を作り出すことが、当社の今後の大きなビジョンです。

株式会社 滋賀フーズ
守山市石田町240-13
TEL 077-599-0012

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 お申し込み多数の場合は、理事会等で掲載順を決めさせていただきますのでご了承ください。
 滋賀県中小企業家同友会事務局
 TEL 077-561-5333

びわ湖かがやきカンパニーvol.75 2017 年9月発行 安曇川泰山寺 ソラノネ紀伊國屋

びわ湖かがやきカンパニーvol.75 2017 年9月発行

びわ湖のほとりで「キラ」っと輝く滋賀県中小企業家同友会メンバーの事業所、商品、サービスをご紹介します。

< インタビュアー>
取材まとめ:八木真紀(有限会社ウエスト)

安曇川泰山寺 ソラノネ紀伊國屋

高島・泰山寺の自然豊かな里山に広がる広大なブルーベリー畑、地野菜といっしょに無農薬米の竈炊きのご飯が味わえる「ソラノネ紀伊國屋」。同店代表の松山剛士さん(滋賀県中小企業家同友会高島ブロック所属)を訪ねました。(取材/6月20日)

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比良山系の山々
広大な畑地
自然に包まれた体験型カフェ

 まるで北海道のような景色ですね。木のぬくもりを感じる店舗からは空が見えて居心地が良いですが、こちらの施設のコンセプトとは。

松山 敷地面積は4ヘクタール(約1万5千坪)ほどあり、畑としてはかなり広い方だと思います。約1500本のブルーベリーは、7月半ばに最盛期を迎え、摘み取りも楽しんでもらえます。
 ブルーベリーは2001年より栽培を始め、店舗はこの自然と馴染むよう
な設計でその8年後の2008年にOPENしました。立ち上げの直前まで、私は東京の大学に通う学生でした。大学では時代に先駆けて農業を含む多
角的な事業について学び、現在の事業スタイルはそれらの経験が活かされています。
 ソラノネが大切にしていることは、「食」「エネルギー」「コミュニケーション」の3つ。食材はすべて地元のものを使い、毎朝、無農薬の米と湧水を使って竈でご飯を炊きます。
 店では食事のみも可能ですが、お客さまご自身でご飯を炊く竈炊き体験が人気です。手間はかかるかもしれませんが、薪割り、火加減、香り、そして竈の中で徐々に変化する音を聞き、古の食文化を体感していただきたいですね。
 お子さま連れの女性グループが多く、週末はご家族やカップルなど、時には海外からもお越しいただいています。竈の周りには人が集まり、会話があり、自然なコミュニケーションが生まれます。炊き方のアドバイスをさせていただくスタッフとお客さまとのふれあいもソラノネの魅力の一つになっています。

早くからブルーベリーの
六次産業化を実現

 店内にブルーベリージャムがありますが、加工品も手掛けておられるのですか。

松山 ソラノネの他にもフランス料理店「ブルーベリーフィールズ紀伊国屋」(伊香立)、成安造形大学の構内にあるカフェ「カフェテリア結」(仰木の里)と、コンセプトの異なる2店舗があります。35年前、
最初にブルーベリー栽培を始めたのは伊香立で、生産したブルーベリーをレストランのメニューに活かし、ジャム、パン、クッキーなどに加工して販売していました。無農薬、無除草剤の農園でできるブルーベリージャムはデパートでも反響があり、特に冬場は私も催事の手伝いに出かけることがあります。

定期的なミーティング
若いスタッフを育成

 スタッフ教育についてはどんな取り組みをされているのでしょうか。

松山 厨房やホールでの仕事の他、無農薬の畑の世話もすべてスタッフで行っています。毎日、やるべき仕事がたくさんありますが、月に一度のミーティングでは、スタッフそれぞれが日々感じていることやアイデアなどを出し合っています。今度予定している研修では、高島の伝統である「発酵食」を学ぶ予定で、これからの時代を作っていく若いスタッフたちの刺激になればと思っています。

企業との協働プロジェクト
新たな分野へチャレンジ

 今後の展開として、新たに考えておられることなどはありますか。

松山 来年、ソラノネは10周年を迎えます。これまでも、音楽、芸術などとコラボしたイベントやワークショップを行ってきましたが、来年はさらに多彩な催しを充実させ、総括になる年にしたいと考えています。
 「衣食住」という暮らしの3要素のうち、これまであまり関わってこなかった「衣」について何かできないかと考え、今年の春に初めて畑に綿花を植えました。以前からつながりのあった京都の企業さんとの協働事業のような形で、社員さんにもお手伝いいただきオーガニックコットンを作ってみたいと思っています。新入社員研修で畑の世話をしていただき、収穫するコットンを使って女性社員の出産祝いのベビー服、セカンドユニフォームなども作れないかと考え、同社の広報担当の方には「わくわくするプロジェクト」と言っていただいております。
 これまで、ひたすら店や畑のことを考えてやってきましたが、この〝泰山寺〞という土地を大切にしたいという思いが湧き上がってきました。今後はこの地を盛り上げる取り組みにも積極的に挑戦していければと思っています。

安曇川泰山寺
ソラノネ紀伊國屋
高島市安曇川町田中4942-1
TEL 0740-32-3750
http://soranone.jp/


▶「びわ湖かがやきカンパニー」に掲載希望の会員様は、同友会事務局までご連絡ください。
▶お申し込み多数の場合は、理事会等で掲載順を決めさせていただきますのでご了承ください。
▷滋賀県中小企業家同友会事務局
 TEL 077-561-5333

びわ湖かがやきカンパニーvol.73 2017年7月 山一産業株式会社

びわ湖かがやきカンパニーvol.73 2017年7月 山一産業株式会社

草津市・山田地区、5000坪にもおよぶ敷地内に工場と事務所を構える山一産業株式会社。高精度の板金加工を可能とし、大量生産、小ロットにも対応。代表取締役・木村一弘さん(滋賀県中小企業家同友会湖南支部所属)を訪ねました。(取材/5月25日)

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精密板金のプロ
大手取引先の信頼も厚く

 工場内やオフィスが大変クリーンですね。御社の事業についてご教示ください。

木村 当社では鉄道の券売機や自動改札機、銀行ATMといった超高速駆動対応のメカ部品のほか、食品や医療機器など衛生面で特別な配慮を必要とするメカ部品など、極めて高い精度が要求される製品を生産しています。
 そのため、すべての生産工程を「見える化」して不具合やミスを防ぎ、毎週末には機械を止めてでも整備と設備点検を行う時間を設けるなど、精密板金工場としての環境維持を徹底しています。また、生産工程におけるすべての社員が検査技能資格を取得し、各チーム単位で定めた目標を達成すべく日々切磋琢磨しています。
 設備面、技術面で常に万全の体制を維持し、高品質の商品を提供し続けていることが、営業をほとんど行わなくともお客さまの紹介による受注へとつながっているのではと思っています。

草津・山田地区で55年
三代目へ受け継がれ

 これまでの御社の歩みとは。

木村 和歌山からこの地へ来た曾祖父が1908年に鍛冶屋を営み、祖父が
跡を継いだのち、1962年に機械・金型加工業を興したことが始まりです。社名の由来は、祖父にとって新天地だった山田地区でのNO1を目指すという意味から「山一」になったそうです。事業は高度成長期に後押しされ、順調に成長しました。1987年には叔父をトップに精密板金を始め、1998年には機械加工業から撤退して精密板金業にしぼり、現在に至ります。
 2002年、28歳で入社した私が現場を2年ほど経験したころ、工場長
だった叔父が急逝し、右も左もわからないまま突然経営を任されることになりました。昼間は現場、夜から財務業に携わり、体力的にも精神的にもこのころが一番つらい時期でした。幸いにして、私は入社前に工場内で取り扱う板金機器メーカーに勤めていたため設備機器の知識があり、さらに中小企業診断士の勉強をしていたことで何とか会社の舵をとっていくことができました。しかし、ここまで来るには本当に苦難の連続でした。

視野を広げた中小企業家同友会
トップのブレない「思い」全面に

 経営に関わられて苦労されたこと、心がけてこられたこととは。

木村 私が経営に携わる前、従業員は目の前の仕事をこなすのみ。そのため、最初に着手したのは、「組織を作ること」でした。経営についてさらなる知識を深めるため「中小企業家同友会」へ加入するも、多忙な日々に5年ほど費やし、8年前にようやく本会への参加が叶いました。同友会に参加することで、世の中の動きに目を向けながら自社を見つめ、社員一人ひとりの力を伸ばすことで企業力をつけ、全社員が団結して同じ方向を向いて進む必要性を実感しました。 近年は私の経営カラーを全面に押し出す改革に乗り出しています。全社員と面談をし、一人ひとりの考えを理解しながら私の「思い」を伝えています。またチーム間の円滑なコミュニケーションを育むため、各チームでの食事会を年3回実施し、費用の一部を会社が負担しています。トップと社員、また社員同士が関わりを密にし、社内の風通しを円滑にするための取り組みを
具体的に手帳にまとめ、全社員に配布しています。
 最初は戸惑いもあり、いろんな否定的な意見が出たこともありました。しかし、「この会社をこうしたい。こんな風に歩んでいきたい」というトップのブレない考えがある限り、「思い」は伝わるものです。「ストレートでわかりやすい」とプラスにとらえてもらえるようになりました。今、会社が変わってきているのを実感しています。

ャレンジを応援長く働ける職場づくり
大切な「人財」を生かして

 今後の展望とは。

木村 お客さまの信頼にお応えした高品質の製品をご提供し、難度の高い要求にも積極的にトライする姿勢を持ち続けること。また、働く環境を整えて高齢になってもスキルを生かせる職場を提供したいですね。希望があれば75 歳くらいまでは元気に働いてもらえるよう雇用を確保していきたいと思っています。

山一産業株式会社
草津市木川町431
TEL 077-563-5953
http://www.yamaone.co.jp/

「びわ湖かがやきカンパニー」に掲載希望の会員様は、同友会事務局までご連絡ください。
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びわ湖かがやきカンパニーvol.72 2017年6月 株式会社 福月

びわ湖かがやきカンパニーvol.72 2017年6月 株式会社 福月

 給食、宅配弁当、仕出し料理など高島の「食」を担ってきた株式会社福月。先代が町長を務めていた時代に地域の目玉商品となった「アドベリー」の生産・加工も行っています。2代目の専務取締役、福井雅之さん(滋賀県中小企業家同友会高島ブロック所属)を取材しました。(取材/4月11日)

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先代が名付け親になった
「アドベリー」
高島の地域活性化プロジェクト

 御社のアドベリー事業について教えてください。

福井 高島では13年前から「アドベリー」が生産され、加工品が販売されています。きっかけは、161号線沿いに新設する道の駅「藤樹の里あどがわ」で特産品を販売し、〝地域の活性化〞につなげるためでした。当時、日本ではほとんど栽培されておらず、アントシアニンや葉酸などのポリフェノールを豊富に含み、抗酸化作用があるということでニュージランドが主産地のボイセンベリーが選ばれました。「アドベリー」という名前は、そのころ安曇川町長であった私の父が名付けました。
 当社を含めた地域の生産農家さんは、デリケートな果実の栽培にさまざまな苦労を重ねて有機栽培や無農薬栽培を実現し、店舗や事業所は果実や果汁をジャムやケーキ、パン、菓子、ジュースなどに加工し、特産品として売り出しました。
 80代になる父は現在でもアドベリー栽培を手掛け、市内のアドベリー生産の4割を担っています。当社におけるアドベリー事業は、全体売り上げの1割ほどではありますが、何とか今後も地域を元気づけるツールとして残していきたいと思っています。

過渡期を迎えた「給食・仕出し業」
変革の時代へ

 創業は昭和39年とのことですが、これまでの歩みとは。

福井 豊かな水資源に恵まれたここ高島では、古くから繊維織物が地場産業にありました。40年ほど前、織物組合の給食センターに勤めていた父がその事業を引き継いだことが当社発足の始まりです。父や母世代の人によると「朝は弁当や給食、夜は宴会料理を寝ずに作った」とのことで、当時は好景気に沸いていたようです。
 やがて地域の繊維産業が衰え始めると、企業は給食サービスや弁当補助などの福利厚生を削減し、さらに誰もが想像しなかったコンビニが、弁当分野で強力なライバルとして出現するなど当社にとって逆風が吹き荒れていきました。現在の給食生産数はピーク時の2分の1にまで減少し、この20年ほどで事業縮小に伴う人員整理を余儀なくされてきました。この先5年後、10年後を見据えても、この地域での給食や仕出しのサービス業に大きな成長は見込めないと予測しており、進むべき道の取捨選択を迫られる時期にきています。
 近年、需要の高まっている高齢者向けの個人配達を始めました。直接お宅に配達に行きますので、特に一人暮らしの高齢者には、安否確認にもつながります。メニューもこれまでは〝働き手〞向けのボリュームのあるおかずが主体でしたが、野菜中心や発酵料理で名高い高島の土地柄を意識したメニュー開発にも挑戦しています。
 最近、県内の大手給食業者が食中毒が原因とみられる業績悪化で廃業に追い込まれました。衛生管理はコストがかかりますが、表には見えない部分です。しかし、これをおろそかにしては「食」の事業は担えません。これまで同様、安心・安全には十分に配慮していきたいですね。今ある生産設備を活かし、これまで以上に地域の現状やお客さまの要望をくみ取ったサービスを展開し、今後も「食」を通じたサービスで社会に貢献していけたらと思っています。

「行動」が生む
新たな「つながり」
挑戦は、可能性へ

 他にも新しい取り組みを始められたようですが。

福井 事業の見直しの中で、アドベリー栽培で残るツルや葉、給食事業で出る生ごみを活用できないかと考え、堆肥にして再びアドベリー栽培に活かす取り組みを始めました。すると、このエコ事業に共感してくださった新旭町のローソンの店長さんが、同店にも生ごみ処理機を導入され、ローソンで出る生ごみを堆肥にして当社のアドベリー畑へ提供してくださることになったのです。当社はアドベリージャムをローソンさんに置いていただくことになり、面白いつながりが生まれました。ローソンでもこのような取り組みは全国初だそうで、ローソン本部やゴミ問題に敏感な海外からも視察団が訪れたほどです。
 一つ「行動」を起こせば、想像を越える何かを生み出すのだとわかりました。これまでは利益優先でやってこれましたが、同友会で改めて「経営」について学び直し、今後は社員も同じ方向を向いて相互協力しながら進んでいく必要があると感じています。

株式会社 福月
高島市安曇川町五番領140-1
TEL 0740-32-4001
http://www.fukuzuki.com/

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びわ湖かがやきカンパニーvol.71 2017年5月 株式会社 ケレスたなか

びわ湖かがやきカンパニーvol.71 2017年5月 株式会社 ケレスたなか

 テーブルの天板やパーテーションの小ロット・短納期生産を可能にし、ネット販売を通じて商圏を全国に拡大する株式会社ケレスたなか。3年前には特殊技術で間伐材を用いた環境にやさしい集成材を開発、事業化しました。代表取締役、田中和彦さん(滋賀県中小企業家同友会東近江支部所属)を訪ねました。(取材/3月28日)

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需要減の„箱もの“厳しい木工業で42年

 御社の沿革を教えてください。

田中 昭和50年に父が多賀町で木工屋(田中木工)を立ち上げたのがきっかけです。幼いころから父の背中を見て育ち、家具の製造やモノづくりに興味をもっていた私も、平成3年に勤め先を辞めて家業に入りました。景気のよかったころは、大手企業のOEMで家具や建具の構造躯体を中心に生産し、順調な経営状態でした。しかし、バブル期を過ぎるとメーカーが次々と生産拠点を海外へ移し、当社も改革を迫られました。当時の取引先経営者の方からのアドバイスで父が機械化を決断し、省力化に努めました。必要なときに必要な設備投資を行ったことで景気の荒波を越え、生き残ることができたのではと思っています。父の時代は仕事を「待つ姿勢」でしたが、私が携わってからは、新しい分野やオリジナル開発を視野に「積極的に仕事を獲得しに行く姿勢」へと方針転換していきました。

ネット受注システムを確立
小ロット・短納期を実現

 工場では従業員の方が、木製パネルの加工や梱包をされていますね。現在の主力事業とは。

田中 ここにある木製集成材のほとんどは、オフィスや店舗で使われるテーブル天板やパーテーションに加工します。これらは当社で生産する製造物の90%を占めています。また注文は80%以上がインターネット受注であるため、取引先は全国区に及びます。企業はもちろん、個人でもさまざまな物をネットで買う時代です。天板だけを買いたい企業や業者、個人からの注文が、ネットを介して毎日入ります。
 主なネット卸業者との間には受注管理システムを導入し、注文品の形状、材質、色、数量、価格などの入力を注文者サイドの責任とすることでリスクをなくし、受注における事務管理も大幅に軽減しています。これらのシステム化は、在庫をなくし短納期・小ロット生産を可能にし、他社と大きな差別化を図っています。

間伐材の有効利用
滋賀の森と自然環境を守る

 3年前に社名を変更されていますね。オリジナル製品も生産されたとのこと。

田中 これからの時代で誰もが関心の高い環境問題を見据え、滋賀県内の森林を守るための事業を展開しました。
 森林の保護、川や琵琶湖の浄化、生態系の保全には、森林の定期的な手入れが不可欠です。しかし森林に光を入れるために行う間伐作業で伐採される木のほとんどはチップにして燃料や建材の下地となるにとどまり、有効な利用法がなく自然保護活動にかかる作業対価に至らないのが現状です。小径間伐材をもっと有効に活用できないかと考え、間伐材で作る構造合板や集成材に特殊な加工を施すことで「光触媒抗菌消臭化粧板クリーンケレスボード」として商品化しました。シックハウス症候群など健康にも配慮した環境商品であるため、多賀小・中学校、木之本
小学校、虎姫高校、豊郷町立豊日中学校、滋賀県立大学などの教育施設でもデスクの天板として納入させていただきました。この事業をきっかけに、社名も変更し、時流に乗って勢いをつけたいところでした。しかし、同事業の立ち上げ当初に運営ディレクションを担当者に任せきったことで、さまざまな面で無理が生じ、事業として革新的な成長を遂げられずにいます。私自身の反省すべき点であり、今後の課題を感じているところです。

個人・会社の目標を明確に
ケレスボード販売網の整備

 御社の今後の展開とは。

田中 ケレス事業部を立ち上げた当初の摩擦を機会に、今後の事業運営の仕方、従業員に対するケアについても改めて考えるきっかけになりました。現在は、テーブル天板やパーテーションなどの木工事業部に注力
していますが、安定受注のある木工事業部で経営の基盤を築きながら、滋賀県の企業として滋賀の自然保護の一助を担う「びわ湖材」を有効活用するケレス事業部を再び活性化していきたいと考えています。
 私を含め全社員が目的・目標意識をしっかり定めて進んでいけば、まだまだ伸びていけると思っています。

株式会社 ケレスたなか
彦根市出町73
TEL 0749-49-3911

「びわ湖かがやきカンパニー」に掲載希望の会員様は、同友会事務局までご連絡ください。
お申し込み多数の場合は、理事会等で掲載順を決めさせていただきますのでご了承ください。

滋賀県中小企業家同友会事務局
TEL 077-561-5333

びわ湖かがやきカンパニーvol.70 2017年4月 株式会社ツジコー

びわ湖かがやきカンパニーvol.70 2017年4月

株式会社ツジコー

家庭用の照明器具から、植物栽培用の照明器具および生産工場システムを開発し、機能性植物の六次産業化を実現。時代を見据えた積極的なビジネス展開で業界の注目を集めるツジコー株式会社、代表取締役の辻 昭久さん(滋賀県中小企業家同友会 甲賀支部所属)を取材しました。(取材/2月24日)

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「光」の持つ新たな可能性を追求
世界で唯一、アイスプラントの
水耕栽培に成功

 植物工場向けの「照明」からさまざまなビジネスを展開をされていますが、これまでの御社の歩みとは。

辻 昭和38年、地元の木材を使った木製シェードを商材に創業を開始、その後は大手家電メーカーの協力会社を経て、主に家庭用の照明器具の設計・組立・検査を基幹事業にしてきました。時代の流れにより照明はLEDへとシフト、コア技術を活かし太陽光と似た3波長ワイドバンドLEDの開発に成功し、このLEDを用いた野菜の完全閉鎖型植物工場の設計・組立を実現しました。さらにそこで栽培する野菜をより栄養価の高い機能性野菜にする自動システムを開発し、特許を取得しました。農薬汚染の心配のない安心・安全な高機能野菜を天候に左右されず安定的に供給するシステムは、国内はもとより世界中で急速に需要が高まっており、さらに、3波長ワイドバンドLEDのUL/CSAを取得し、アメリカへの輸出も始まっています。 私が経営に携わってからの13年、日本経済は幾多の荒波を経ています。何もしなればこの会社もなかったかもしれません。今があるのは、大手企業の協力会社にとどまらず、自社による新しいモノづくりを追求し、チャレンジする行動力を失わなかったからだと思っています。

人間力の向上と徹底した予算管理
個人と組織を活かすマネジメント

 創業から53年以上。新規分野へ進出する技術力、安定した経営の裏にはどんな社内努力があるのでしょうか。

辻 現在、社員数は112名。工場の現場労働はどこも働き手が不足しています。当社の生産ラインでも、ベトナムの技能実習生が活躍しています。
 一方で開発の仕事では、将来を見据えた農業分野の事業に惹かれ、理系の学生や技術者から多くの問い合わせがありますが、ここに腰を据え、「共に夢を叶える」という気持ちで、じっくりと取り組んでくれると見込んだ県内の若者を採用しています。
 社員教育の取り組みとしては大きく2つ。一つは「社員力・人間力の向上」です。京セラの稲盛和夫さんが提唱された「京セラフィロソフィ」(企業人としての心得)をさらに簡潔にまとめ直した手帳「ツジコーフィロソフィ」を3年前に発刊し、毎日その内容を全社員で輪唱しています。「会社とは何か」「働くことは何か」「生きることとは何か」ということを常に意識することで、いつ、どんなときでも正しい判断ができるヒントになればと考えています。
 二つ目は「徹底した予算管理」です。部署ごとに予算を決め、数字を守るための経費の使い方を部署に任せ、毎月、部署単位の決算を行っています。これにより常にコスト意識を持って効率よく仕事を進めることができます。また、当社の従業員は男女ほぼ同数で、実力をしっかり評価する体制が従業員のモチベーション維持にもつながっているようです。総じて離職率が低いのも当社の特徴です。

次世代に向けた新事業に挑戦
健康食品・化粧品の「原料」開発
を推進

 今後、もっとも力を入れる事業とは。

辻 日本の農業者は高齢化し、各地で深刻な担い手不足となっています。また、近い将来、世界的な人口増で食物が不足する時代がやってきます。遺伝子組み換え食品による効率化が進む中、日本ではその安全性や倫理面についての懸念が広がっています。しかし一定のモラルを守ったゲノム編集(品種改良の技術)は、現実問題に対応する手段として避けられない流れでしょう。次の世の中に求められる「農業」分野に加え、もう一つ世界共通の関心事は「美容」と「健康」分野です。すでに
機能性野菜アイスプラントを粉末に加工し、栄養補助食品グラシトールとして製造・販売を進めていますが、さらに化粧品などの「原料」として抽出加工するという新たな事業に参入しています。その拠点に選んだのは、今なお自然の中で自給自足の暮らしが行われているラオスです。農薬や化学肥料に汚染されていないピュアな土地、ラオス固有のアーユルヴェーダ由来のハーブにも注目し、現地の人たちによる有機栽培と機能性成分の抽出加工を目指しています。
 健康食品・化粧品の「原料」の開発には莫大なコストと時間がかかるため、ライバル他社の追随は容易ではありません。ラオス事業が次世代の新たなビジネスチャンスをつかむことになると期待を寄せています。

ツジコー株式会社
(本社)甲賀市水口北脇1750-1
TEL 0748-62-2233
http://www.tsujiko.com/

びわ湖かがやきカンパニーvol.69 2017年2月 株式会社 アットスクール

びわ湖かがやきカンパニーvol.69 2017年2月

株式会社 アットスクール
不登校や発達の課題を抱えた子どもたちが多く通う学習塾「アットスクール」(草津)。近年、これらの悩みを抱える子どもたちが増加し続けています。代表取締役の鈴木正樹さん(滋賀県中小企業家同友会会員 湖南支部所属)を訪ねました。(取材/1月26日)

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発達障害のある子どもが増加
苦悩する親子が通える場を

 アットスクールを立ち上げられたきっかけとは?

鈴木 現在、学習障害や注意欠如などを抱えている子どもたちが増え、不登校の子どもを合せると全国で約80万人といわれています。しかし、もっと細かな項目に分けると、何らかの原因があって学校生活に支障をきたしている子どもたちはこの約3倍、クラスに4〜6人はいることになります。ここ10年で5倍近く増えており、滋賀県内でも特別支援学級は満員状態です。
 「学校に行きたくない」というのは自己防衛です。つらいことがあるから引き込もる。子どもはもちろん、そんなわが子を抱えて苦しむ親の気持ちはいかばかりでしょうか。
 10数年前、身近な子どもが自殺に追い込まれた場面に出会いました。「なぜ、こんなことになるのか、何とか私にできることはないか、やるしかない」という思いでした。12年前、妻に大反対されながらも大手商社を辞め、草津駅前にアットスクールを開校しました。継続的に活動を続けるためには、NPO法人ではなく、適正利益を出しながら存続できる株式会社としてスタートを切ったのです。

「就労&自立」を目標に
幼児から高校まで一貫サポート

 アットスクールではどんな支援をしているのですか。

鈴木 学校や園の負担を考え、通常学級へ行けるくらい軽度にも関わらず、特別支援学級へ入級する子どもたちがいます。これは非常に問題視すべきことです。日本はインクルーシブ教育(すべての子どもに対して一人ひとりに合った適切な教育的支援を行う教育)が遅れており、特別支援学級を経ると就職活動等で不利な立場になることが多く、大変生きにくい社会なのです。
 勉強や運動が苦手だったり、友だちや大人たちとうまく関係を作れない子どもたち、一見普通の子どもに見えても実は何らかの障害を抱えている子どもたち。アットスクールでは、そういう子どもたちが自己肯定感を持つような教育支援をします。また学習支援だけでなく専門家を入れて、人間関係の築き方まで指導し、将来的にきちんと就労し、自立できる力を身につけさせてあげることが使命だと考えています。
 彼らの多くは、ケアの仕方次第で十分に就労できる人材であり、納税者となって社会に貢献できる人材です。オールマイティは難しくても、一人ひとりの得意なことや個性を活かした分野、たとえば一つの事を極めるような職人のような仕事では健常者以上の能力を発揮する可能性があります。職人の担い手が不足している業界も多く、貴重な労働力として登用してもらうことで、企業と労働者双方の良い関係を築ける道を開きたいですね。
 アットスクールを立ち上げた当初に関わった子どもたちがそろそろ成人を迎え、社会に出ようとしています。彼らが自立し、就労できる受け皿となる企業がたくさん生まれるように、彼らにどう接すれば能力を発揮し、生産性を上げることができるのかについても助言できる、企業の相談役も担うことができればと思っています。中小企業家同友会の加盟企業にも、ぜひ広く呼び掛けていきたいと思います。

フランチャイズ校の立ち上げ
個性を活かせる社会を

 新たにフランチャイズ教室が立ち上がるとのこと、活動が広がりをみせていますね。

鈴木 増え続ける不登校や発達障害の子どもたち、彼らを取り巻く問題は今もこれからの日本社会において大きな課題だと思います。人よりこだわりが強かったり、コミュニケーションが苦手だったり、計算は得意だけど漢字や文章理解が難しいなど、得手不得手は人それぞれです。十人十色、一人ひとりの個性を大切にできる社会になるには、同じ志をもって活動してくれる人や企業が増えていくことが必要です。
 塾の運営に加え、全国への講演活動、放課後デイサービスや保育所訪問事業なども並行し、サポートの輪を広げています。私たちの取り組みは県内外で反響があり、現在の草津校・大阪校に加え、今春には南彦根と東住吉に新たにフランチャイズ教室が誕生します。
 12年前に一人で立ち上げた会社は、社員13名、パート・アルバイト8
0名を抱えるまでになりました。企業として存続するためにも収益を上げながら、一人でも多くの悩める子どもやその親御さんたちを支えていきたいと思っています。

株式会社 アットスクール
草津市大路1丁目18-28
TEL 077-565-7337
https://www.at-school.jp/

「びわ湖かがやきカンパニー」に掲載希望の会員様は、同友会事務局までご連絡ください。
お申し込み多数の場合は、理事会等で掲載順を決めさせていただきますのでご了承ください。

滋賀県中小企業家同友会事務局
TEL 077-561-5333

びわ湖かがやきカンパニーvol.68 2017年2月 株式会社 柿木花火工業

びわ湖かがやきカンパニーvol.68 2017年2月

株式会社 柿木花火工業

びわ湖のほとりで「キラ」っと輝く滋賀県中小企業家同友会メンバーの事業所、商品、サービスをご紹介します。

< インタビュアー>取材まとめ:八木真紀(有限会社ウエスト)


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競技大会で入賞した花火や環境に配慮したエコ花火など、花火店として新たな風を吹かせる長浜の株式会社 柿木花火工業。三代目代表取締役社長の柿木博幸さん(滋賀県中小企業家同友会北近江支部会員)にお話を伺いました。(取材/11月30日)

日本人の感性を映し出す花火
 御社の花火と特徴とは。

柿木 一昨年に私が開発した濃い青色発光の花火は、諏訪湖の全国競技大会で3等 長野県知事賞に入賞した作品です。青色の発色自体が難しいばかりでなく、光る時間も長めを実現し、各地の花火大会で好評を得ています。
 日本の花火は、能楽の「序破急」に通じていることがわかります。序は導入の静かな部分、破は中心となり展開される部分、急は終わりすっきりいう演出理論です。打ち上げから終わりまでの数十秒の間にさまざまなドラマが描かれていることは、外国の花火には見られない日本の花火の奥深いところです。花火の種類は、菊、ダリア、牡丹などの花の名前や枝垂れのように光の線が垂れる金冠、銀冠など、花火用語が統一されています。
 昔、戦が盛んだったこの地域では、合戦の際の合図である「狼煙」や鉄砲の火薬技術が変化して花火が町の風習となり、姉川や高時川の沿川では陣屋と呼ばれる花火打上げの司令塔が置かれていました。町ごとに花火を作って競技大会を開いていたほど盛んでしたが、昭和25年の火薬類取締法の施行から急速になくなっていったそうです。

人生のターニングポイント
自らの存在意義を見出す
チャレンジ精神の原動力に

 花火の製造業者は滋賀で1社のみですが、事業を継承されたいきさつとは。

柿木 初代の祖父と二代目の父は花火を仕入れて商売をしており、自社で本格的な花火製造に乗り出したのは三代目の私からになります。スポーツマンだった私は、ボートでの大学推薦がありましたが、それを取り止め大手企業へ入社しました。その会社自体に何の不満もなかったのですが、25歳のとき、自分の人生を改めて見つめなおす出来事に出会いました。自分が今生きていること、花火屋に生まれたことは意味があるのではないかと考えるようになり、自分の進むべき道を確信し、家業を継ぐことに決めました。花火とは、人が笑顔になり、拍手をして喜ぶ仕事
であること、父がたった一度も仕事の愚痴を言わなかったことも後押ししました。20代のうちに技術を習得したいと考え、静岡県の大手花火会社に修業に出ました。師匠は本来なら弟子をとらない方だったのですが、祖父との縁のお蔭で実現しました。修業時代では技術はもとより、本当に多くのことを学ばせていただきました。
 懸命にスポーツに励み苦楽を積んだ経験、最初に入社した大企業での知識、厳しい修業時代に会得したこと。帰郷したときは、すべての経験が自分を支え、「波に乗る」という感覚でスタートを切ることができました。
 設備を整え、花火製造を始めましたが、本業以外の仕事も積極的にお手伝いしています。例えば甲賀忍者に伝わる火薬の調合を頼まれたり、コーヒーの出がらしを微粉末にして火薬に利用する研究をしたり、身近な材料で花火が作れることを小学生に教えるなど、他の花火屋がやらないようなことも、「今の私があるのは、意味がある」という考えのもと、前向きにトライさせてもらっています。

「エコ花火」の自社開発
企業独力を重ね、業界に旋風を

 今後の課題や展望とは。

柿木 中国など外国産の安価な商品との価格競争は、花火業界でも例外ではありません。当社もかなり苦しんだ時期がありました。打開するには、何か特徴を出さなくてはなりません。花火の玉皮は紙で作られ、花火大会終了後には大量の燃えカスが地上に降っています。「ゴミを極力出さない花火を作れないか、それを琵琶湖を有する滋賀から発信できないか」と考え、4年の歳月をかけゴミの排出量を15分の1程に抑える画期的なエコ花火の開発に成功しました。玉皮は魚や鳥が食べても影響がない生分解性のプラスティックに、割火薬は独自の研究から植物の種を使用し、打ち上げと同時に燃え切ってしまうものに。何とか、このエコ花火を広げていけたらと思っています。
 全国各地の花火大会では、参入できる業者がほとんど固定されています。当社は県内唯一の花火製造業者ですが、県内の主要な花火大会でさえ県外の業者が独占し、門戸が閉ざされているのが現状です。
 青色花火のように特徴のある商品、滋賀県産のエコ花火、そして皆さまに感動していただけるような魅力ある花火をつくり、多くの花火大会へ参入していけたら。そして、さらなる雇用も創出し、地元にも貢献できるような企業として残り続けていけたらと思います。

株式会社 柿木花火工業
長浜市本庄町388
TEL/0749-62-3503
http://eco-hanabi.com/

「びわ湖かがやきカンパニー」に掲載希望の会員様は、同友会事務局までご連絡ください。
お申し込み多数の場合は、理事会等で掲載順を決めさせていただきますのでご了承ください。

滋賀県中小企業家同友会事務局(担当 廣瀬)
TEL 077-561-5333

びわ湖かがやきカンパニーvol.67 2017年1月 株式会社 坂田工務店

びわ湖かがやきカンパニーvol.67 2017年1月 株式会社 坂田工務店

1892年(明治25年)の創業以来、坂田工務店は湖西・伊香立にて地域の工務店として多くの建築に携わってきました。同社の家づくりの考えや今後の展開とは。4代目代表取締役、坂田徳一(滋賀県中小企業家同友会相談役理事・大津支部所属)さんを訪ねました。(取材/11月24日)

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地域の環境保全&経済活性化
循環型地域社会を目指して

 坂田工務店さんの家は、木の魅力を存分に感じることのできる家ですね。家づくりにおいて大切にされていることとは。

坂田 使用しているのは地元の木です。地元で育った木を使うことは、私たちにとって大切なことです。山に手を加えることで森林の荒廃を防ぎ、地域の林業と経済の活性化にもつながります。私たちは、自然の恵みを享受しながら環境を守る循環型の家づくりを目指しています。
 丸太の大黒柱、天然木や自然素材の土壁を配した木の家。木目の風合いやぬくもりに癒されながら四季の移ろいを感じることができます。子どもたちの手や足、五感を刺激し、感性を磨きながら心の豊かさを育む家は、自然を肌で感じることのできる家ではないでしょうか。
 現在では利便性や快適性など機能を重視した家づくりが主流となりました。たとえば今や標準設備のようになってきた食洗機。子どもと一緒に食器を洗えば、親子のコミュニケーションタイムになり、残さず食べることの大切さを学ぶ機会になるのではないでしょうか。
 自然素材を活かし、伝統工法を受け継ぎながら、家族みんなが心豊かに暮らせる家づくりを心掛けています。

安心できる暮らしの提案
「ハコ」の産業から
「暮らし」の産業へ

 これからの家づくりで必要なことや課題とは。

坂田 阪神淡路大震災をきっかけに私自身の建築に対する考えが大きく変わりました。町の崩壊はもちろん、何より家族みんなの暮らしを育む安らぎの場である「家」の倒壊が原因で多くの方が亡くなったという事態に大きな衝撃を受けました。
 それまでは父のやりかたに背を向け、効率や見ばえを重視した家づくりをしていましたが、家族が安心して暮らせる家づくりと工務店の基本について改めて見直したいと考えるようになりました。大阪のMOKスクールに通い、木造住宅の耐震性や室内環境を基礎から学び、木組みや職人の技など知識を深めました。
 環境やエコを意識した家づくりもこれからの時代には必要です。滋賀に建てる家だから、その土地の気候風土を知り尽くした工務店だからこそできる住まいと暮らしを提案していきたいですね。こうしたつくり手の思いに共感してもらうためにも、積極的に地域活動に取り組んでいます。学校の木工教室や職場体験の受け入れ、公民館活動、チャリティイベント開催など地域住民との交流の機会を作ったり、住まいの町医者として建物診断を行い、空き家や古民家などのリノベーション推進など、地域に役立つ企業を目指しています。また、志を共にする地元の工務店
や団体と、森林保護や地域資源を利用した家づくり、湖西の移住者支援活動なども行っています。

住み手にとっても
つくり手にとっても
家づくりは一生の仕事

 坂田工務店のビジョンとは。

坂田 人々の生活の基礎となる「家」は、最初からすべてをそろえるものではないと父は言います。「一代目が強固な基礎と木組みで家を建て、二代目は家の調度品をそろえ、三代目は外回りを整え、四代目が修繕し保持する」。家はみんなの暮らしを育む場所であり、修繕や補修をし、手を入れながら、愛着をもって住み継がれていくものであると。
 お客さまへお引渡しのとき、「これからが本当のお付き合いです」と伝え、何かあればすぐに対応するため、商圏は1 時間以内に絞っています。
 住み手にとって家が一生のつきあいであるのと同じように、つくり手にとっても生涯をかけた仕事であるべきだと思います。なんのために働くのか。胸をはってその答えが言えるようなスタッフを輩出することも地域に求められる役割です。自らの仕事が社会に貢献し、自己表現することで自分自身も成長できると思える仕事場でありたいと思っています。

株式会社 坂田工務店
大津市伊香立下在地町967
TEL:077-598-3155
http://www.sakatakoumuten.co.jp/

「びわ湖かがやきカンパニー」に掲載希望の会員様は、同友会事務局までご連絡ください。
お申し込み多数の場合は、理事会等で掲載順を決めさせていただきますのでご了承ください。

滋賀県中小企業家同友会事務局
TEL 077-561-5333

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