滋賀同友会 「経営指針を創る会」用語集

この用語集は、滋賀同友会の「経営指針を創る会」の中で使用される言葉の意味を整理したものです。
これらの単語は一般には明確な規定がなく、さまざまな意味で使われている場合がありますが、少なくとも「創る会」の中では、ここで書かれている意味で使用しますので、課題を作成するとき、分科会でディスカッションするときなどにはこの「用語集」をつねに傍らに置いて、自分の意図が正しく伝わり、かみ合う会話が出来るようにご配慮ください。
またバージョンによって、記述が微妙に変わっていたりすることもありますので、論議する場合は常にバージョンを確認いただくことも合わせてお願いいたします。

編集・制作
滋賀県中小企業家同友会・経営労働委員会
バージョン
V2013.5
公開日
2013/09/16

用語集

経営理念
事業経営を行うにあたっての経営の基本的なあり方を表明したもの。企業の目的は何か、何のために経営を行うのか、どのような会社を目指すのか等を述べたもの。自社が事業活動を通じて実現したい姿。数10年から100年以上かけないと実現しないくらい遠大で高邁であることが望ましい。また人間性、科学性、社会性(別項参照)に裏打ちされている事が求められる。内容としては自社の経営目的、自社の固有の役割、経営者の価値観・人生観、社員に対する思い、仕入れ先・取引先にたいする思い、顧客に対する思い、地域社会や地球環境への貢献姿勢が盛り込まれていることが求められる。一定の期間、自分の人生を賭けてコミットできる目標。(「志を育てる」田久保善彦)範囲は自分および自分と利害関係で結ばれた周辺。これに対してさらに広がりと深さのある「大理念」「中理念」がある。「大理念」とは、自分が死んだ後もほかの人が受け継いで目指すに値する目標。範囲は歴史。「中理念」とは、自分のこれからの一生涯を通じて達成したい目標。範囲は地域、社会に広がる。
社会性
自社(会社)は健全な社会の中でのみ健全に成長でき、社会は自社(会社)の安定・成長と共に発展するという社会との相互補完・共存共栄の観点。
科学性
真理に基づいていること。真理とは反証可能性が担保されていること。「私はこう思う」「私のやり方はこうだ」では、反証のしようが無く、科学的とは言えない。前提となる事実、事例、そこから導かれる普遍的な法則や仮説を前提に、それに沿った理念でありたい。
人間性
動機が善であること。善とは人類全体の存続と繁栄に役立つ事。まず自分や周りの人のためであったとしても、ひろく社会全体の人々の利益と相反する理念は受け入れられないし、自らを助けることはない。人として尊敬に値する理念でありたい。
経営指針
「経営理念」を軸として、その実現の戦略を科学的に明らかにした「経営方針」さらに、それを単年度に行動計画として具体化した「経営計画」の3つを統合した経営の基本となる文書。原則として「経営計画」は毎年更新され、その到達状況や外部環境の変化によって「経営方針」も定期的に見直される。さらに文言の最適化、新たな学び、気づきを踏まえて「経営理念」も、文言の訂正を含めて成長する。
経営方針
「経営理念」を実現するための戦略に基づいた具体的な中期経営計画。中期とは通常3~5年を言う。これ以下では質的変化を起こしにくく、これ以上では予測精度が著しく低下すると思われる期間。これを数回~数十回繰り返して行けば「経営理念」が実現すると思える計画。
経営計画
経営方針を達成するための、当期単年度計画。経営規模によるが、部門別、個人別に具体化・詳細化されていることが計画達成の条件の一つとなる。また、定期的に進捗状況を確認しマネジメント(PDCA)サイクルを回していく事が重要。経営計画は「指針経営」の最下層に来るものではない。毎日の「経営計画」の実践の中で、理念に対する確信を深め、社員を始めとして共感者、協力者を結集し、「経営理念」が強化され、育っていく事を見落としてはならない。
ビジョン
経営理念で示された経営姿勢や存在意義に基づいて、ある時点までに「こうなっていたい」と考える到達点、自社が目指す中期的なイメージを従業員や社会全体に示したもの。できれば絵や、表などでよりわかりやすく、伝わりやすいものでありたい。
ドメイン(事業領域)
企業の活動の範囲や領域のこと。自らのドメインをどう定義するかは、その企業の発展の在り方を決定づけることになる。企業ドメインの決定とは、企業の戦う領域を決めることであると同時に、戦わない領域を明らかにすること。その決め方には、製品やサービス・自社の強みである技術から定義する方法、市場ニーズから定義する方法、地域を限定する(地域ドメイン)方法、対象顧客の範囲を限定する方法(シニア向け、外国人向け)などがある。ドメインを大きく定義すると、個々の計画の焦点がぼけてしまいがちになり特徴が出しにくくなる。また小さく定義すると、その商圏で自社の経営が維持・発展できる経済規模にならない場合があるので注意が必要。あまり限定しすぎると事業の幅を狭め急激な環境変化に対応しきれず危険な場合もある。(液晶ドメインに集中しすぎたシャープなど)
経営戦略
自社の強み弱み分析(SWOT分析)、競合分析(3C)外部環境の分析、戦略セオリーの適用などの作業を経て、「理念」「方針」などの実現のために選択した、具体的道筋。これは極力単純化して、社員全員が細かい指示なしでも、さまざまな状況に対応して、自主的に正しい行動をとるための指針。基本的に複数の戦略はありえない。しかし、選択した戦略が正しくなかったり、前提状況が変化した時には次善の策=プランBが求められる。経営にフリーズ状態を起こさないためには常にプランBを用意することが求められる。
戦略セオリー
ランチェスター戦略、ブルーオーシャン戦略、ロングテール戦略など様々な戦略仮説があり、日々研究されている。これらを積極的に学び自社の経営に活用していく事が求められる。
顧客
「自分で消費するために、自社の商品(サービス)にお金を払い続けてくれる存在」「満足していただく対象」「多彩で変化する要望」「『顧客は誰か』との問いこそ、個々の企業の使命を定義する上で、もっとも重要な問いである」「やさしい問いではない。まして答えのわかりきった問ではない。しかるに、この問いに対する答えによって、企業が自らをどう定義するかがほぼ決まってくる」「顧客とは具体的な誰かを指すのではなく、人の多様な側面の一つ、あるいは複数を指す」「彼ら(顧客)なしには、その事業は成り立たない」(P.ドラッカー「マネジメント」)
パートナー
共に顧客満足の実現を目指す存在。理念の共有にむけた共育が求められる。差し伸べた手を握り返してくれる存在。
社員共育
通常は「教育」と書かれるが、同友会ではあえて「共育」と言う文字を使用する。その理由は 1)まず経営者が「経営理念」に向かって成長し自己変革をとげ、その中で社員も共に育つような環境作り、働きかけをしなければ社員は本当の意味で経営者と共には育とうとしない 2)新入社員は別として、社員は一人ひとり固有の能力と、役割・経験を持っており、経営者のレベルを押し付けようとしても、真の成長にはつながらない。それぞれの社員の自主性・やる気を引き出し自ら学び、成長する気風を作ることが必要。3)共に育つ努力の中で、「人間尊重の経営」の重要性に気づかなければ経営は単なる「お金を得るための苦行」になってしまい、生命力も真の存在価値も見えてこない。
地域(社会)
貢献すべき地域の範囲は、「自社(経営者)が、その現状、課題を詳しく知っており、常に接触することが可能で、その行く末に心を砕くことのできる」範囲と考える。
地球環境
地球環境を考える事は
1)銀河系には2000億個の星があり、同様の銀河系は1000億以上あるとされています。そして今のところ人間のような高等生物がいるのはわが地球だけです。恐ろしいほどの奇跡です。
2)地球が生まれて46億年。生命が誕生して40億年の時が流れました。恐竜など多くの生物が地球の支配者になりましたが、200万もの種が生まれて滅びる中で、私たち人類が地球を支配しています。200万種の生存競争に勝ち抜いてきたことも奇跡中の奇跡と言えるのかもしれません。
3)そのような奇跡の地球に生まれた奇跡の人間たる私たちが、この奇跡を自らの手で葬り去ることが許されるはずがありません。
経営環境
企業経営を取り巻く環境。社内の問題(内部環境)と区別して、外部の法規制、労働市場の質・量、景気動向、業界動向、大企業の進出状況、輸出入環境(為替、外交など)、金融環境、災害リスクなどの外部環境の事を指す場合が多いようです。極端な場合は別にして、どのような外部環境の変化にも負けない強い企業体質を作る努力が必要ですが、一方で行政や金融に対して、地域の中小企業全体が存続・発展できる経営環境の維持・構築を要求していく事も大切なことです。。
財務
法人における資産、負債、損益、キャッシュフローなどの管理。収支管理、資金の調達、および調達した資金の運用などを指す。損益計算書(P/L)、貸借対照表(BS)などであらわされ、企業(団体)の金銭面の実態を把握し、管理・改善する働きを言います。
SWOT分析
目標を達成するために、自社の強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) を評価するのに用いられる戦略計画ツールの一つ。
3C分析
自社を取り巻く外部環境と、市場の競合の分析から成功する要因を見つけ出し、自社の戦略に活かす分析をする手法。3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字。
成長マトリクス
事業の成長を実現するうえで、方向性を分析・評価するためのツール。製品と市場を軸にした2次元の表を作り、成長戦略を「市場浸透」「製品開発」「市場開拓」「多角化」の4つに分類する。
マネージャーとリーダー
マネージャーとは「マネジメントをする人」。マネジメントとは「資源、リスクを管理し、効率を最適化する手法。管理・評価・分析・選択・改善・回避・統合・計画・調整・指揮・統制・組織化などを含む」。一方リーダーとは「イノベーションを起こし、進める人」。イノベーションとは「新しい製品、新しい生産方法、新しい販路、新しい供給源、新しい組織を生み出す事」。

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