現社長の信頼を勝ち取る。一朝一夕で実現できるものではありません。まずはきちんとした、ご自分の経営のビジョンを示すことではないでしょうか?先代はあなたの性格の問題や、日々の細かいことを見て不安を感じているのかもしれませんが、本心ではあなたに承継してほしいと強く思っています。それでつい、そのような発言になるのかも知れません。あなたの方も「肉親だからわかってくれるべきと」甘えていないでしょうか?不十分ではあっても、「やる気」「本気」を感じてもらえるビジョンを示すことが対話の始まりであり、信頼獲得のまず第一歩です。
社員の信頼を得る。会社の将来を一番心配しているのは社員です。実績のある先代と比べて、あなたを頼りなく思うのは当然でしょう。でも、自分自身の生活の基盤になっているこの会社が永続してほしいと願っています。頼りないかも知れないが、「やる気は本気」というところを示すことが大切でしょう。もちろんちゃんとした文書でそれを示し、その内容に忠実な自分自身であり続ける努力が一番必要です。
お客様や仕入れ先、金融機関の信頼を得る。これらの“ステークホルダー”もあなたの会社の永続を期待しています。そして、後継者と目されるあなたに着目しています。まだまだリーダーとして未熟なあなたですから、これからもたくさん指導・協力してもらう必要があるでしょう。そのために必要なことは情報開示であり、きちんとした理念・方針・計画の開示です。あなたが何を見て、何を考えているのかがわからなければ指導・支援のしようがないのです。
同友会では、そのために「経営理念」の確立と、それを実現するための「経営指針書」の成文化を支援する「経営指針を創る会」を開催しています。