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大津支部 2月例会が開催されました!!

大津支部2月例会は、2月22日(金)旧大津公会堂にて開催され、会員経営者、社員を含めて30名が参加し学び合いました。
今回の報告者は山岡健一氏(㈱サンクフルハート 代表取締役)をお迎えし、「地域へ笑顔と感謝を広げる~“仕事ゼロ”を経験した下請け企業から“ありがとう”が溢れる自立型企業へ!~」です。

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《報告概要》
以前の社名は「湖北電子㈱」。電子部品の下請け製造業としてスタートした同社は、85年頃から1社取引き100%が続いていましたが、2004年にコンデンサメーカーのトップ交代と共に取引終了を宣言され、2004年12月に事業閉鎖の危機を迎えます。来年の3ヶ月まさに「めでたいはずの正月が地獄の正月」になりました。「50名の社員を守る」と全社長は必死に走り回り、ある大手企業の半導体のラインの下請けを獲得します。半導体分野に関する仕事の増減に関する悩みはありましたが、ひとまず社員さんの仕事の確保(雇用)を維持することが出来ました。

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 一方でそれ以前から1社のみの下請けに頼る事業体制に危機感を感じておられた山岡氏は、第二創業を模索し、福祉用具・介護機器の製造事業をスタートします。当初はマーケティングに苦労し、全く軌道の乗らない日々の連続でした。そこで自分はまったく介護の現場を知らないことに気づき、資格取得をしたり、介護の現場に直接関わることでノウハウを蓄えていきます。しかし介護の現場を知れば知るほど、疑問符が出てきました。
 「当時のある介護現場では、お年寄りがまるで物の用に扱われている現状。息子夫婦もまったく介護せず、ヘルパーだけの支援。」
 「本当にこれで良いのか?」悩み続ける日が続きます。そんな時に滋賀県中小企業家同友会に出会います。そして「経営指針を創る会」へ参加し、いろんな経営者と関わることで勉強し始めます。悩みに悩んで、多くの先輩経営者に、「考え方すらわかりません!!」と半分パニックしている状態を、ぶつけたりもしました。そこでさらに問われたこと、、
『山岡君は、泣いてしまうほど嬉しくて幸せな瞬間って、どんな時?』
『その瞬間がたくさんある人生。それを求めていけば後悔しない人生になるんじゃないの?』
 その時に思い出したのが、やっぱりあのおばあさんから、「ありがとう」と言ってもらった瞬間でした。

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そしてある経営者との出会いが山岡氏の人生そのものを変えます。自分と向き合い、関わり合いの中から今までの自分を見つめ、自分を知り、その限界も自分が決めていたことに気付き始めます。その結果、少しずつ自分を尊重出来るようになり、それから社員を尊重するようになり、家族を尊重するようになり、地域を尊重するようになり・・・なにより、あきらめないということの大切さを知り、その結果介護用品事業の発足からわずか5年でオリジナル商品の開発に成功します。
 しかし、時代はリーマンショックという事態と共に急変していきます。湖北電子㈱もリーマンショックとともに、下請けの仕事、半導体装置の組み立て事業もほぼゼロになり、2度目の危機に立たされます。どうすることも出来なくなり、今なら社員に退職金を払える、別の仕事の紹介もできるからと、2008年に事業の解散を決定します。

「このままの状態で健康福祉事業を続けられるのか?」山岡氏は再び苦悩します。しかし、今までこの仕事を続けてきたことに対する感謝の言葉や人の役に立てる仕事をしたいという先代社長の思いを実現したいと考え、2009年に㈱サンクフルハート(「thank full heart”感謝に満ちた心”」)に社名を変更します。
 しかし、思うように進まない仕事に対して、残ってくれた社員さんたちを幸せに出来るのだろうか?不安や恐怖と闘う日々が続きます。その最中、東北の大震災が起こります。
山岡氏は即座に「自分にも何か役に立てることはないか?」と考え、簡易浴槽(組み立て式浴槽)をブログに掲載し、その思いを発信しました。それを見た方々からの要請に応え、東北に向かいます。当時は余震が続く中、社員の安全を確保出来るのか?お役に立てるのだろうか?いろんな不安が交錯する中、お風呂の設置を行います。久しぶりにお風呂に入った方からは「気持ちいいよ!!明日からがんばろう!!」との声が聞こえてきます。明らかにお風呂が無かった時は、希望という言葉は出てこなかったと知りました。ありがとうという感謝の言葉や喜びの言葉が山岡氏の心に響きました。
 今後の人生や会社経営には、何のために、が必要であると気づきました。自分に付いて支えてくれる社員、お客様、地域社会への貢献が、何のためにという答えに辿りついたそうです。そしてそれは夢物語だけだは駄目で、己を信じ、仲間を信じ、組織を信じ、あきらめない意思を強く持つ事です。
人間としての自分、経営者としての自分と本気で向き合うことの大切さ、また自分を信じ抜くことで無限の可能性が引き出され、大きなエネルギーが得られるのだと強く感じました。従業員に支えられ、決してあきらめない心、折れない心で新しい可能性を切り開いてこられた大きな勇気を頂けるご報告でした。

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