記事一覧

トップ > コラム > 経営労働委員会 > 34期経営指針を作る会・第一講が開催されました

34期経営指針を作る会・第一講が開催されました

平成25年9月14日(土)10:00~15日(日)12:00の2日間にわたり、ホテルラフォーレ琵琶湖にて34回目となる経営指針を創る会の第一講が開催されました。

受講生は経営者、経営者予定の方で、9社9名、OB団として会員、大学の先生など18名併せて28名が参加しました。

冒頭、宮川経営労働委員長より同友会運動として皆様を歓迎するとともに、今回の創る会を通じてともに学びつくりあげていきましょうと挨拶がありました。また「経営指針を創る会の目的」の読み合わせにより、経営指針を創る会の基本精神や学ぶ姿勢についての再確認がありました。

その後、初日は3つの班に分かれてスタートした分科会では、受講生が提出した「経営理念検討シート」に基づき、一人約1時間30分の活発な討論が交わされました。企業プロフィールシートによる自社の現状・課題についての報告の他、「なんのために経営しているのか?」「わが社の固有の役割」「大切にしている価値観」「社員に対する基本姿勢」…そしてそれらから導き出される自社の「経営理念」。各項目に込められた意味や受講生の本音に深く問いかける時間となりました。

分科会の後は、ワークショップとして「経営理念をビジュアル化する」時間が設けられ、自社が思い描く経営理念や“こうありたい”と願う会社の姿を具体的な絵やイメージに落とし込む時間となりました。分科会で頭を使う作業から手を使う作業へと気分も切り替わり、受講生やOB団の会員も取り組む姿は真剣そのものでした。
夕食後のテーマ勉強会では、「地域社会や地球環境はなぜ必要か」と題して、宮川経営労働委員長より以下のような報告がありました。
1)経営の前提は、国民や地域社会であること。
国交省は2010年から2050年までの40年間で、日本の総人口が25.2%減ると予測しています。ですが、東京圏では12.0%減、名古屋圏では15.6%減と、落ち込みは比較的小幅。これに対し、3大都市圏以外の地域では33.9%も人口が減ってしまう見込みです。とりわけ、小さな市区町村ほど人口の減少率は大きく、6000人~1万人規模の市区町村では人口が半減すると考えられています。

このようなことから、国民や地域の疲弊はそのまま自社の疲弊につながり、地域の疲弊 → 大都市への一極集中 → いっそうの地方の疲弊へと悪循環に陥ることにつながります。中小企業の経済圏は一般的には決して広くありません。その圏域が衰退、疲弊することは地域の中小企業の存立基盤がなくなってしまうことです。

2)国民や地域の幸せこそが、私達の経営のエネルギーです。
⇒ 良い経営のためには、国民や地域の幸福こそ、我が社の幸福という哲学が必要です。直接「幸せ」に責任の持てる範囲(ドメイン)こそが自社にとっての“地域”だと考えるべきだという考えです。

3)国民や地域と共に育つことも、経営の仕事です。
⇒ 国民や地域も現状のままで、正しい訳でも、最適な訳でもありません。国民や地域が、時代の要請に触れて成長していくきっかけを提供するのも経営です。
      
4)国民や地域に開かれることによって、外部ガバナンスが機能します。
⇒ 同級生や、親類・縁者の多い地域では普通の神経をしていれば「反国民的」「反社会的」な行動はできません。その結果、そのような行為による経営の自滅を防ぐことが可能です。

5)これからの国際競争力の源泉は「地域」にこそあるからです。
⇒ 均一・低価格・大量な生産こそが価値であるという考えから、成熟期に求められる“感動のある価値”=“本物”への移行。この“本物”は長年の中で培われた地域の中にこそあります。
   
6)食料とエネルギーは戦略物資です。
⇒ 地球環境を健全に保全し、持続可能な形で利用する事は、いまや国や大企業に任せておく事が出来ない状況になっているのでは無いでしょうか?
そして今回は特に、経営者が地球環境を考える事とはどういうことなのか?について深い学びがありました。

7)自然の偉大さ、美しさに感動する心=幸せを感じる心。
135億年前のビッグバンにより宇宙が誕生したことに始まり、45億年前に地球が誕生してから現在に至るまで、生命が誕生と絶滅を繰り返し、現在の人類が誕生したこと。また私たちの地球のある“天の川銀河系”にはおよそ2000億個の星があり、同様の大銀河系には1000億以上あるとされています。その中で今のところ人類のような高等生物がいるのはわが地球だけだという事実は、恐ろしいほどの奇跡です。数億種の生存競争に勝ち抜いてきたことも奇跡中の奇跡と言えますが、地球上において67億人の人々が暮らし、その地球上で年収160万円以上で暮らしている人が2億人といわれています。そのように考えると日本という国は宇宙一豊かな国、そして現在人類史上もっとも(経済的には)豊かな時期に生きています。日本の全企業数の99.7%を占める中小企業の経営者はこの奇跡の中で生かされていることを理解し、地球環境の保全責任を負うことを強く意識して大自然と向き合う必要があると熱く語られました。
2日目は、前日の分科会から短い時間にもかかわらず修正した経営理念検討シートの再検討が行われ、経営理念の確立に必要な根本的な考えや経営姿勢について深め合いました。

次回第2講は、10月12日(土)10:00~17:30までホテルラフォーレ琵琶湖にて開催されます。

○経営指針とは?
中小企業家同友会では、1977年から経営指針(理念、方針、計画)づくりを階の活動方針に掲げ、全国で展開してきました。
経営指針とは、経営理念、経営方針、経営計画の3つの構成部分で成り立っています。
経営理念は企業の社会的存在価値やどんな内容の企業をめざすのかを表すもので、経営者の哲学、価値観が色濃く反映されます。さらに、経営理念には科学性(事業としての市場や環境への適合性)、社会性(地域社会、人間生活への貢献)、人間性(社員と共に育ち、社員満足度の高い企業づくり)の3つの支店から深めることにしています。
経営方針は、経営理念の実現をめざして、3~5年の中期の目標と道筋を示したものです。戦略的課題を明らかにしたものと考えて良いでしょう。
経営計画は、経営理念、方針を具体化するために、単年度何をやるかを決めることです。
経営指針を作成する際に、中小企業家同友会では「中小企業における労使関係の見解(労使見解)」を学ぶことを推奨しています。労使見解は、企業経営の要は労使の信頼関係にあることを説き、そのための経営者の責任等について計画に示しています。
「労使見解」→https://www.doyu.jp/material/doc/roushi1.html
滋賀県中企業家同友会では、半年コースで経営理念の成文化を通じて経営姿勢を確立させ、経営指針を成文化し、それを自社で実践するための技術や経験を学ぶ場として、「経営指針を創る会」を開催しています。経営理念を重視した経営指針による実践に取り組んでいる多くの先輩や仲間の知恵や経験に学び、経営指針の作成、見直しを進めています。(K)