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2012年度政策要望で滋賀県と意見交換会・地域研究会を開催

2012年度政策要望で滋賀県と意見交換会・地域研究会を開催しました。

滋賀県中小企業家同友会(以下・滋賀同友会)が提出した「2012年度滋賀県に対する中小企業家の要望と提案」に対する県回答での意見交換と、「地域団体等との中小企業振興に関する意見交換会(略称:“地域研究会”)」が2月14日(火)午後1時半から4時半まで大津合同庁舎で開催され、滋賀同友会から9名が参加をしました。
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 まず午後1時半から2時半まで政策要望での意見交換会を行いました。県からは商工観光労働部および要望に関連する部課から7人が参加しました。
蔭山滋賀同友会代表理事から「理念型の経営を推進し、若手の経営者の育成に努めている。地域の経済は中小企業が担っている。経営の大変さを他責にしてはいけないが、経営努力を励まし支える行政の役割は大きい。様々な中小企業が元気良く経営できる環境づくりを共に進めてゆきたい」と挨拶。参加者の自己紹介の後、限られた時間での意見交換であり、商工政策課に関わる回答の意見交換は「地域研究会」で同時に行うこととし、主に農商工連携を進めるための課題について話し合いました。
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 滋賀県では地産地消を推進する「おいしが・うれしが」キャンペーン、また地産外商では近江米・近江牛・近江の茶・湖魚を「滋賀品質」として売り出す取り組みをしていると紹介されました。しかし、米作に偏重した滋賀の生産構造を市場のニーズに対応しながら果樹や野菜にもシフトしていく中・長期期的な政策が必要ではないか。「滋賀品質」以外の生産物についても、はじめに安定供給ありきという姿勢ではなく、京阪神市場を照準に入れて拡大するための手だてを行うことが、生産者にとって励みとなることを加えて提案。「おいしが・うれしが」のキャンペーングッズを県外で使用することについて重ねて求めましたが、不可の返答でした。県からは「引き合いが合ったときに対応できないのでは困るので」という話が出ましたが、滋賀同友会としても一次産業のネットワークで需要に応える研究を始めるので、県に農産物の引き合いが合った際にはぜひ声をかけて欲しいと要請しました。
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 アンテナショップの充実については、県には情報発信場はあるが、そもそも県産物のショップはないこと聞いて驚きました。さらに、ショップの運営には多大な費用がかかるため現在の財政状況では困難。百貨店で行われる大近江展などを積極的に活用して販路拡大に努めて欲しいとの見解でした。参加者からは、ショップを出して売れることがわかっていれば、すでに民間が取り組んでいる。滋賀の物産を広げることで県を活性化する中・長期的な政策を持ってPR活動を行うのが行政の役割。だから他県では県民の理解を得て予算も取って、県産物の販売チャネルを広げる、またブラッシュアップする場としてのアンテナショップを設けている。滋賀でもなかなか外に出ようとしない生産者や加工業者を盛り上げるためにも、きちんとした方針と見通しを持って取り組んで欲しいと要請しました。

 この後、休憩を挟んで「地域研究会」を開催。商工政策課より「滋賀県における中小企業振興の基本的なあり方検討会のまとめ(以下・まとめ)」作成に関わった6名に参加していただきました。
 望月副参事から「まとめ」についての概略説明のあと、武村参事から「要望書にあった条例づくりへの提言の多くを取り入れてまとめてきました」と補足されて意見交換。
 参加者からは、従来の産業政策(滋賀県産業振興戦略プランなど)とは全く別物として中小企業振興のための条例づくりと中小企業振興推進計画に取り組むことが強調されました。それは、中小企業振興とは国と地方含めて日本の行政がいまだかつて取り組んだことのない前人未踏の課題であり、経済産業省の成長戦略の流れの中ではなしえないため。EUやアメリカでは第一線の学者が時間をかけて調査研究した結果として、中小企業憲章や「エコノミックガーデニング戦略」に代表される政策が生まれており、日本ではまだ「こうすれば良い」というようなスキームはありません。だからこそ、県は振興条例の理念と意義を県民にマニュフェストし、振興会議(仮称)をつくり、有意な中小企業家や県民、研究者、教育関係や福祉分野などからも広く糾合し、会議を通じて一緒に中小企業と地域活性化のためのスキームづくりをすることが大事。早計に戦略を打ち出すことはさけるべきだと強調。併せて、前人未踏の政策づくりを進めるためにも、県庁内に中小企業と名の付く組織(たとえば中小企業課など)を作り、アメリカのアドボカシーオフィスのように中小企業家の声を集約し、調査や研究活動の経験を積み重ね、中小企業の立場に立って提言することが必要。振興会議のイメージでは、実際に取り組まれている帯広や釧路の会議を視察し肌で感じることが一番大切としながら、主人公は会議の構成員であり、行政はサポート役としてできるだけ多くの分野で会議体を作ることを提案しました。
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 県担当者から「未来志向の中小企業振興策にしないといけない」「すべての企業の底上げは無理」「やる気のある、頑張っている中小企業を支援すべき」などの意見をどう考えるべきかと問いかけがありました。これには、そもそも頑張っている企業は放っておいても何とかなるもの、問題は中小企業の数がどんどん減少する中で、地域経済・社会が衰退していること。「頑張る企業が、さらに頑張るように応援する」というこれまでの常識を脇に置いて、いま生きている多数の県内企業の中に新たな発展の芽を見つけだそうとシフトチェンジすることが、従来の産業政策ではない振興条例による中小企業振興の基本姿勢ではないか。大木もあれば小木、さらに草やコケも生えて一体となって森がある。小規模企業は草やコケかもしれないが、草やコケがなければ豊かな森は存在できないし、大木も枯れ動物もいなくなる。多くの小規模企業の存在こそが大切。その多くが疲弊し減少しているのだから「守る」という表現ではモラルハザードになるという人もいるが、現状では守る政策も必要では。多様な中小企業の存在があってこそイノベーションが生まれる。そもそも頑張る企業(頑張るという表現の中身も認識はバラバラ)ばかりになることなどはあり得ない。中小企業を頑張るところと頑張らないところの二つに分けて考えるのではなく、その真ん中が大多数であることを良く理解しないといけない。等の意見が出されました。
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 最後に「県民にとって中小企業振興基本条例があるからこそ、滋賀の未来が明るくなる」と理解し支持される条例となるように、「条例・調査・振興会議」の三点セットで進めていただきたいと要請。坂田代表理事から「まとめの作成に関わった皆さん全員が参加され、有意義な意見交換ができました。いままでにはない姿勢で中小企業の声を聴いていることがひしひしと伝わります。これから条文づくりを進める中で、さらに意見交換もし、また条例制定後の推進エンジンとしても、滋賀同友会は参加する用意があります」とまとめられ研究会を終了しました。