立教大学名誉教授 山口義行氏から中小企業支援への提言が主催されているスモールサン(中小企業サポートネットワーク)にて公開されました。
「永久劣後ローンの活用を提言したい。返済の優先順位が一般債権に劣後する借入金であり、議決権も返済期限もない。余裕ができた段階で返済でき、財務的には実質エクイティ(自己資本)として機能する。
支援機関は既存の政府系金融機関を活用する。対象企業を決める際は、その企業と取引のある地域金融機関の紹介・推薦を条件とし、不適切な企業に資金が流れるのを防ぐ。金利は当初は無利息とし、支援先企業の経営安定化に伴って順次金利を引き上げる。
利用者の利便性と円滑な事務処理を考えると、地域金融機関が実行した永久劣後ローン債権を国の特別勘定が買い取る方式もいいかもしれない。
全国186万社の資本金1千万円未満の中小企業では、売上高が3分の2に落ち込むと23兆円強もの損失が発生する。この状況で中小企業が最低限の経営体力を維持するためには、5兆円規模の永久劣後ローンを用意する必要がある」
(日本経済新聞2020.4.3 三井住友信託銀行 名誉顧問 高橋温氏)