私たちを取り巻く情勢
2023年は、新型コロナウイルス感染症が第5類感染症へ移行し人流制限が緩和されたことに伴い、世界中で需要の過剰な回復がありましたが、他方で、コロナ禍の中で失われたサプライチェーンや人手不足のため供給が追い付かず、アメリカではインフレ経済になるなど急激な景気の回復がみられました。
他方で、2022年から始まったロシアのウクライナ侵攻による小麦不足や天然ガス・石油の不足による価格の高騰、そしてアメリカの中央銀行(FRB)が利上げを行ったことでマイナス金利政策を行う日本との金利差が拡大し深刻な円安に見舞われました。トヨタなど輸出型企業は過去最大の利益を計上する一方で、私たちの生活を支える多くの企業では、企業物価の上昇に見舞われ、特に下請け企業における製造コストの上昇は深刻なものとなりました。価格転嫁が中小企業経営における重要課題となり、主材料についてはおおむね価格転嫁が進んだものの、エネルギーや人件費など間接経費の値上げはなかなか認められず、その状況が現在もなお続いています。
また、人材不足が深刻となりました。かねてから進行していた労働人口の減少と、さらに労働に対する価値観の変化・多様化、需給のミスマッチ、さらには業界ごとの業績に差がついたことによる初任給等の格差が拍車をかけ、中小企業にとっては深刻な人材不足に陥り、いまなお出口が見ていません。
2024年の春闘は、33年ぶりに賃上げ率5パーセント超えに達しました。大企業では大卒初任給25万円以上は当たり前、なかには40万円で求人を出す企業もあり、中小企業との格差が広まっています。中小企業でも、賃上げの動きはありましたが、その多くは人材確保のための「やむを得ない」賃上げであり、必ずしも資金等の裏付けのあるものではありません。今後も賃上げの流れが続くとみられ、中小企業は早急に経営基盤を見直し、賃上げの裏付けとなる利益を確保しなければ存続の危機に陥ることでしょう。
中小企業にとって頼みの綱である外国人労働者も、日本経済が他のアジア諸国と比べ相対的に落ち込みをみせ、さらに円安で相対的に低賃金となる日本は選ばれない国になってしまいました。技能実習生制度も、近いうちに育成就労制度に移行し、2年間働けば他の企業に転籍ができるようになり、外国人人材の流動化や偏在、さらに奪い合いが懸念されます。
以上のように、2023年度はコロナ禍の終息という喜ばしい動きもあった反面、世界情勢の変化に日本経済は大きく翻弄され、特に企業物価の高騰に悩まされました。また大企業と中小企業との間の格差が拡大し、人材不足がさらに深刻化するという事態に見舞われました。明らかになったことは、外部環境、経営環境に翻弄される度合いは、大企業よりも中小企業の方が大きく、経営に与えるインパクトが大きい、ということです。特にこの数年の変化はまさに激変というべきもので、さらに、今後どうなるかはまったくの不確実と言うべきものです。
そんな中でも、我々中小企業経営者は、自社を維持し発展させなければなりません。外部環境の責任だと喚いたところで、責任は経営者自身にあるのです。やはり、自社を維持し発展するためには、外部環境分析をしっかりやり、時代の流れをとらまえ、自社の進むべき方針をしっかりと示し、激流を乗越えていくしかないのです。
中小企業家同友会全国協議会が主催する全国行事では、かならず情勢認識をテーマとした分科会が設けられています。中小企業経営にまさに必要な情勢分析を学ぶ機会ですので、全国大会に参加されることをぜひともおススメいたします。
本稿では4つのトピックに分けて、中小企業をとりまく情勢についてまとめました。外部環境分析の一助になれば幸いです。
京都大学と日立グループの2017年に行われた共同研究では、日本社会の2050年に向けた未来シナリオとして、都市集中型と地方分散型の2パターンを想定しています。
都市型シナリオとは、「主に都市の企業が主導する技術革新によって、人口の都市への一極集中が進行し、地方は衰退する。出生率の低下と格差の拡大がさらに進行し、個人の健康寿命や幸福感は低下する一方で、政府支出の都市への集中によって政府の財政は持ち直す。」というものです。
地域分散シナリオとは、「地方への人口分散が起こり、出生率が持ち直して格差が縮小し、個人の健康寿命や幸福感も増大する。ただし、政府の財政あるいは環境を悪化させる可能性を含むため、このシナリオを持続可能なものとするには細心な注意が必要となる」といいます。
まず、都市型か地方分散かは、2025年から2027年までに分岐点をむかえ、分岐してからは、両シナリオが交わることはないとしています。また、地方分散型に移行したとしても、財政や環境問題への対処が必要であるため、2034年から2037年までに持続可能性を担保する政策が必要であるとしています。
もしその想定が正しいとすれば、あと1年か3年で私たちの社会がどのような未来を進むのか決まります。もし、都市型シナリオの道を渡したちの社会が進むとすれば、地方の衰退は避けられません。
昨今の人口動態や資本の流れをみると、東京を中心とした都市への人口と資本の集中が加速しています。地方社会を維持し、持続可能な日本社会を実現しようとすれば、やはり地域に根差しくらしを支える中小企業家が力を結集し、経営革新やよい経営環境づくり、中小企業振興基本条例を通じて活力ある地域社会の実現をめざして運動をすすめる必要があります。ここに、同友会運動の社会的使命があり、運動を担う仲間を増やしていくことが、地方存続の鍵だといえます。
(日立評論 https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2019/03/05c04/index.html)
岸田文雄総理は、令和6年度予算が成立した3月28日に記者会見し、「我々はデフレから完全に脱却する千載一遇の歴史的チャンスを手にしている。数十年に一度の正念場だ」と述べました(読売新聞)。かねてからつづく物価高や、大企業を中心にした大幅な賃上げの動きを踏まえ、企業がさらなる賃上げを進めていくことでデフレを脱却することを企図した発言です。
デフレとは、持続的に物価が下落する現象をいいますが、日本では1990年代半ばからデフレの状態にあります。デフレになると、実質債務負担を増加させたり、実質賃金や実質金利の上昇によって企業収益を圧迫したりすることを通じて、設備投資等を抑制し、景気に対して下押し要因となる、とされています(内閣府ホームページ)。
現在、アメリカはインフレ状態にあり、中央銀行は金利を上昇させ加熱する経済を冷まそうと必死に動いています。その影響で、マイナス金利政策を続けていた日本との間で金利差が生じ、極端な円安が進行しました。
アメリカの最低賃金は州ごとに異なりますが、ニューヨークでは2024年1月で16ドル、日本円に換算して2,400円となっています。一見すると、とても高くみえますがそれだけ物価が上昇しているということです。他方で、日本の実質賃金は24年2月時点で23か月下落しています。最低賃金こそ政策として上がりつつありますが、産業によっては裏付けとなる企業の支払い能力が盤石ではない分野もあり、戦々恐々としている経営者も多いのではないでしょうか。
このような経済における日本とアメリカの違いは何でしょうか。端的にいうならば、日本はデフレ経済、アメリカはインフレ経済、と言えます。
日本はエネルギーなど資源を輸入せざるをえないところに、世界情勢の不安定化や30年ぶりの円安のため物価が上昇するという、いわゆる「コストプッシュ型インフレ」の状態にあります。輸入物価が上昇することで、日本国内の物価も上昇するのですが、だからといって、「インフレ」だと判断するのは早計でしょう。仮に輸入物価が来月には10分の1になるだけで今度はデフレに戻った、と言わなければならないでしょうから。
物価のほか、人件費も上昇しつつありますが、他方で先に述べたように、実質賃金は連続してマイナスを記録しています。企業は頑張って賃上げをしていますが、物価上昇分を補えるほどの賃上げをする余裕がない、というのが現状です。大企業など一部を除き、中小企業は賃上げ分を価格転嫁するのは非常に困難ですから、結局、利益から賃上げ分を出しています。
ほかに、物価を上昇させる要因として消費税があります。物価に消費税は関係あるのか?と思われるでしょうが、政府の立場としては消費税は「物の価格」の一部とされていて、たとえば本体価格100円に消費税10円で110円のパンの対価は100円ではなく、あくまでも110円がパンの本体価格だということです(東京地裁平成2年3月26日判決など)。消費税が高くなればなるほど、その税率に応じて物価が上昇する仕組みです。さらに厄介なことに、消費税増税による物価上昇分は、GDPに現れません。
インフレかデフレかを分けるのは、本質的には総需要(ならびに潜在需要)と供給の関係です。
引用元 http://mtdata.jp/data_46.html#Gap
上の図でいいますと、右側がデフレ状態ですが、総需要に対して供給能力が過剰になっています。この差をデフレギャップといいますが、このギャップを埋めるよう経済が動く状態がデフレです。需要に対して供給が多いのですから、商品の価格は下落し、設備投資は行われず、経済全体の生産性は低下します。左側はインフレ状態であり、総需要に対して供給能力が不足しています。旺盛な需要にけん引されて、企業は設備投資をし、生産性を向上させて供給能力を高めます。インフレかデフレかは、上図のように需要と供給のバランスがどちらかに傾くことによって生じる現象で、市場にどれだけ貨幣が流通しているか、ということだけでは決まりません。
政府や日本銀行が今の日本経済をどちらに捉えるかによって、政策や金利、税率が変わってくるのです。インフレに対する政策は中央銀行の利上げと「増税」です。すでに、日本銀行はマイナス金利政策の終了を宣言しました。大企業が賃上げをし、それが実質賃金などに反映するなどし、さらにエネルギーに対する補助金政策が終了してエネルギー物価が上昇すると、政府は「デフレを脱した、インフレになりつつある」と、増税を行う可能性があります(逆に、デフレの対策は減税なのですが)。現状、いまよりさらに増税となり、借入金に高金利がかけられるとして、私たち中小企業の経営は成り立つでしょうか?だからこそ、現状がインフレかデフレかをちゃんと見極めることが大事なのです。
現象面で判断せず、物事の本質を学んで読み取ることが、今のような混沌とした時代だからこそ、求められているといえるでしょう。
企業物価が高騰するなかで、いかに価格転嫁をするかが企業が生き残るための肝になっています。2023年5月から6月にかけて、滋賀同友会会員を対象とした景況調査で、価格転嫁ができているかどうかの質問をしました。結果を見ると、原材料などの主材料については価格転嫁がほぼできているのに対して、エネルギー価格や人件費については価格転嫁が進んでおらず、交渉しても断られたという声もありました。
政府は、賃上げとあわせて、価格転嫁を推進する姿勢をとっています。中小企業庁も、ホームページ内に特設ページを設けて、「適切な価格転嫁を実現するためには、思い切って価格交渉を行うことが重要です」と、価格交渉の啓蒙資料や価格交渉フォーマットを公開しています。
(中小企業庁特設ページhttps://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/shien_tool.html)
同友会の会員からも、断られたら取引をやめる覚悟で価格交渉をしたら、すんなりと受け入れてくれた事例が報告されています。また、依然として値下げを要求してくる取引先の仕事をやめたら、他社から引き合いがあり結果的に利益が出るようになった、という事例もあります。他方で、価格交渉をお願いしに行ったら逆に値下げを求められたなど、うまくいかない事例もあります。
先述の同友会会員を対象とした景況調査において、気になる結果がありました。価格転嫁をしていない企業で、特に理由なく価格交渉を行っていない企業がある程度多かったのです。物価が上がって大変だけども、価格転嫁をしていないもしくは必要と思っていない。交渉しても無駄だと諦めているのかもしれませんが、もしかすると、価格交渉しようにもどうしていいのかわからないのかもしれません。価格転嫁は、待っていれば実現するものではありません。交渉を持ちかけてはじめて実現するものです。
中小企業がこの厳しい情勢を生き残るためには、価格転嫁をしていかなければなりません。三重大学の青木雅生教授は、「価値あるものを価値どおりに売る」ことが大事だとおっしゃいます。自社製品やサービスの価値は、社員さんや取引先の努力があって実現するものです。それを、経営者が値下げをして売ってしまったら、社員さんはどう思うでしょうか。愛知同友会の会員で、こんにゃくを製造している会社がありました。市場を得るため、スーパーに安く卸しました。陳列棚に、安いこんにゃくが並びます。それを、その会社の社員が見たとき、どう思うでしょうか。その家族はどう思うのでしょうか。自分たちの働きはこんなものかと、自尊心を損なうのではないでしょうか。そこで、その会員は安い商品をやめ、付加価値の高い商品を開発し、その分野では目新しい商品であったため、世間から注目を集めるようになったとのことです。
あらためて、自社が取引先にあるいは社会に対してどのような価値を提供しているのか、そして自社の提供する価値をちゃんと見極めてくれる取引先がどこにあるのかをしっかり見極めていくことが重要なのです。そしてそれを実現できるのは、経営者だけです。
同友会で学ぶ私たちは、「労使見解」にあるように、経営上の困難を取引先や情勢のせいにするのではなく、経営者が責任をもって困難を打破する道を探り会社を維持し発展させなせなければなりません。同友会内でも価格転嫁、価格交渉の成功例が蓄積されていますので、よくわからない方は例会や集いに参加し他の経営者に聞くなどして、ともに現状を打破しましょう。
他の先進諸国と同じように、日本も人口減少が懸念されています。2022年の出生数は770,759人と2021年の811,622人から10万人ちかく減少しました。他方で、2022年の死亡者数は1,569,050人で、こちらも2021年の1,439,856人より増えています。つまり、2022年は798,291人減少しました(人口動態調査)。山梨県の人口と同じです。
統計局資料
(内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」)
政府統計でも、2010年をピークに人口は減少、特に0‐14歳は大きく減り、その結果として15歳~64歳のいわゆる就労人口もどんどん減っていきます。2030年には6875万人、2050年には5275万人と予想されています。また、65歳以上の人口も、当然ながらどんどん増えていきます。
滋賀県の人口ですが、2023年10月時点の人口は1,406,103人。年齢別にみると、0歳~14歳までが134,845人、15歳~39歳までが357,002人、40歳~64歳までが462,179人、それ以上が452,077人でした。もっとも人口の多い年代が50歳~54歳で104,868人、次いで45歳~49歳の102,627人です。就労可能人口は819,181人です。
のちに人口減少による人手不足について述べますが、人口が減少するということは、かならず、消費者市場が大きく変化する、という結果をもたらします。これは紛れもないことです。ベビーブームの時と違って、子どもが減少すると、子ども関連の消費は減少します。あるいは、大量消費ということにならず、一点ものなど高級商品が売れるようになります。食品業界では、お菓子や子ども向け食品の売上は減少します。定員割れになる学校も多くなり、教員や教育関係の公務員も減少します。出版業界も大打撃を受けるでしょう。他方で、高齢者向けの商品は急激に需要が増えます。老人ホームなど介護施設の需要は高まり、入居希望者は順番待ち。就労人口の多数が介護業界に吸収されていきます。娯楽施設も若者向けよりも高齢者向けになっていくでしょう。と同時に、生産条件も変化せざるを得ません。既存の産業は退場し、地域に暮らす人々は減少します。よしんば会社が残っても、仕事をこなす人材はどこにいるのでしょうか。このように、ビジネスのあり方が大きく変化し、既存のビジネスモデルが陳腐化してしまう社会になるのです。
また、社会保障制度も大きく変わってきます。2040年問題という、団塊ジュニア世代が65歳に達することで人口に占める65歳以上の人の割合が35%に達し、社会保障、医療、介護などが持続できるかどうか懸念されています。そうすると、就業する世代の負担が重くなり、様々なハレーションが生じてきそうです。
2024年4月1日、日本銀行は企業短期経済観測調査を発表しました。今回の調査は、対象企業9100社のうち4700社が中小企業と、中小企業の実態がこれまで以上にわかるものでした。その中の雇用判断DIについてNHKオンラインでは、「人手不足感がある場合はマイナスとなりますが、今回、中小企業の製造業ではマイナス24、中小企業の非製造業ではマイナス47でした。このうち中小企業の非製造業は1983年5月に調査を始めてから人手不足感が最も強くなっています。3か月後の見通しについても、中小企業の製造業がマイナス31、中小企業の非製造業がマイナス50と人手不足の一段の深刻化を見込んでいます。中小企業でも賃上げが進んでいますが、大手企業がそれ以上に賃金を引き上げているため、激しい人材獲得競争の中で人手の確保が難しくなっている状況がうかがえます。」と報じています。
また、日経新聞4月2日朝刊3面でも、「非製造業、深まる人手不足」という見出しで、宿泊業や飲食、タクシー業界で人手不足でインバウンド需要を取り込めていないことを報じています。
新聞やネットニュースでは、人手不足への対応として、人件費を上げろといいますが、しかし、人材不足だけど人件費もあげることができないのが中小企業の実態です。中小企業は常にぎりぎりの経営を強いられているといっても過言ではないでしょう。
実際、人材不足による倒産も増えつつあります。帝国データバンクによれば、「人手不足を理由に事業継続を断念するケースが、本格的に増加している。2023年の人手不足倒産は累計で260件となり、年間ベースで過去最多を更新した。なかでも、この 4月に時間外労働の上限規制が適用される『2024年問題』によって人手不足のさらなる深刻化が懸念されている建設/物流業の件数は、全体の半数を占める高水準となった。とりわけ建設業は91件にのぼり、過去最多かつ前年から約2.7倍の大幅増となった。足元では企業の人手不足感が高まり続けている現状を踏まえると、今後も人手不足倒産は高水準で推移する可能性がある。」と述べています(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p240106.html)。
しかしながら、だからと言って中小企業経営者は情勢のせいにしたりしてはいけません。どんなに厳しくとも、経営者には経営を維持し発展させる責任があります。
(株)EVENTOS(代表取締役 川中英章氏 広島同友会理事、中同協共同求人委員長)には広島以外からも「あなたの会社で働きたい」と若者がやってきます。数百万円かけて採用活動をしているわけではありません。共同求人活動(参加費十数万円)のみです。それでも人材が集まるのは、若者から選ばれる理由、会社の強みが明確で魅力があるからです。川中氏は「人生を過ごす価値のある会社づくり」を社員と共に実践され、本業のケータリングサービス事業の強みをフルに発揮し、地方の耕作放棄地の再生や温泉地の再生事業で成果を上げています。そして「若者は楽しくてやりがいが持てる仕事、未来に希望の持てる仕事を求めている」と強調されています。同友会では経営指針を創る会で「何のために経営をしているのか」を深く問い掛けあい、経営理念とビジョンを成文化しています。この理念とビジョンへ共感するからこそ人材が集まる会社になります。同友会の目指す人を生かす経営、労使見解の精神による経営指針の成文化と共同求人活動、そして社員共育を三位一体として追及する経営実践こそ、明日を切り拓く確かな道であることに確信を持ち、同友会運動に邁進してまいりましょう。
記:滋賀県中小企業家同友会事務局
2024年度スローガン
人を生かす経営の実践で持続可能な地域社会の創造を!!
基本方針
① 人を生かす経営の実践で未来を切り拓く企業になろう
~あらためて三位一体の経営実践に重きをおいた学び合いを~
② ブランディングへのチャレンジ
~私たちの存在意義・ミッション・バリューを仲間に・地域に・経営者に~
③ 中小企業は社会の宝!灯かりを燈そう・灯かりをかかげよう・私たちの光で滋賀を照らそう!
~行政機関・学校・金融機関と連携して持続可能な地域社会を創造しよう~
重点課題
1.企業づくり
① 黒字で強じんな財務体質をもつ会社づくりを目指します。
② 経営指針を創る会を開催し、指針経営を実践する経営者を増やします。
③ 共同求人活動に取り組む企業を増やし、滋賀単独での共同求人活動をめざします。
④ 共育ちの精神を企業経営で実践し、多様な人材が活躍できる企業風土をめざします。
2.地域づくり
① 地域課題を経営課題ととらえ、指針経営の力で未来まで持続する地域をめざします。
② 県内の大学と連携し、若者に中小企業の魅力を伝えることで、地域で働く若者を増やし、地域の活性をめざします。
③ 滋賀県の産業振興施策を学び、中小企業家の立場から施策を提言するとともに、行政担当者、金融機関や学校との懇談会などを通じて、中小企業の社会的地位の向上を目指します。
3.同友会づくり
① 2024年度末までに、640名の会勢を実現します。
② 2030年ビジョンの明文化とそれに基づく単年度行動計画の策定に取組み、滋賀同友会の発展をめざします。
③ 同友会運動と企業経営は不離一体。支部運営委員会や専門委員会、部会での会議、そして例会を通じて、「よい会社・よい経営者」を体現するモデル会員を輩出します。
④ 階層別・要求別に学び合う組織を強化し、活性化させます。