滋賀県中小企業家同友会

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【事務局】「あらためて学ぶ資本主義経済の仕組み」学習会を開催しました。

事務局

滋賀県中小企業家同友会事務局では、世界経済が新型コロナウイルス感染症の拡大による「コロナ・ショック」にさいなまれ、多くの経営者や労働者の方々が
先の見えない状態になっている現状を理解し、どのようにすれば解決策が見つかるのか議論する学習会を始めました。
「資本主義経済」とは何かをテーマに、『資本論』を読み、議論する学習会を行いました。

 

『資本論』学習会第1回まとめ

                     

1)読んだ箇所 ― 『資本論』第1版序文

2)わかった点

① 『資本論』の目的が「現代社会の経済的な運動法則を明らかにすることにある」(p.10)

こと。また、「現代社会の経済的な運動法則」とは「資本制生産様式であり、その生産

様式に対応した生産関係と交易関係」であること。そして、「資本制生産」は自然法則

であり「冷徹な必然性をもってみずから貫徹していく」傾向があること。それに伴う社

会的対立も、自然法則であること。

②「ある社会がその運動の自然法則を理解できるようになったとしても、自然な発展の諸

段階を乗り越えたり、ないものとして否定することはできない」。すなわち、自然法則

たる資本制生産様式を理解したとしても、それを乗り越えたり、ないものとして否定は

できないこと=理解したからといって、それを操作できるわけではない。たとえば、

子どもの成長・発達過程を理解したからといって、その過程を乗り越えたりすることは

できない。ただし、「生みの苦しみの期間を短くしたり、痛みを緩和すること」はできる。

③『資本論』では、あくまでも「冷徹に貫徹する」自然法則たる資本制生産様式を考察す

るものであるから、特定の個人に責任を負わせたり、あるいは特定の集団をバラ色に

賞賛するものではない。人格が『資本論』において扱われるのは、「それが経済的なカテゴリーの人格化であるか、利害の担い手である場合に限られる」。

3)わからなかった点

①『経済学批判』とはなんぞや?

②「価値理論」、「貨幣理論」、「価値の実体」、「価値量」、「価値形態」、

「貨幣形態」はなんぞや?

③ 10ページ「高邁な動機は別として、現在の支配階級にとっては、労働階級の発展を妨げている障害のうちで、法律によって制御できるものすべてを撤廃することが、みずからの大きな利益となるのでる。」

4)意見交流

・資本とは?お金で設備や原材料を買って、製品をつくり、それを売却することで最初

に費やしたお金以上の金額を手に入れる。貨幣が設備などの「物」に転身し、さらに「物」

が貨幣に転身する。このプロセスが「資本」だろうか?

・「死者が生者にとり憑いている」。たとえば、日本経済が高度成長期に設計された諸制度、たとえば社会保険が経済の減退によって維持できなくなり、現役世代を苦しめている、など。

・猫を分析するときに、まず猫の姿や生態、餌を分析する。猫を分析するのに、いきなり

ホルモンなどの成分から分析しない。同じように、経済の分析もまず目に見える現象

の分析から始まって、抽象力を用いて分析することは、経済が高度に成長してはじめて

できるものである。

・経営者は、資本を投下するにあたり、リスクを負っているから、労働者の倍以上、報酬

をもらってもいいのでは?

 

5)次回

2021年2月1日18:00~19:00 『資本論』第1章第1節 @同友会事務局