今こそ女性部 しなやかに始動!﨑
~愛称は「たんぽぽプロジェクト」に~
さる6月19日(日)14時~16時30分まで草津市民交流プラザ「フェリエ南草津」5階大会議室(リアル&オンライン)において、滋賀同友会女性部設立総会が、総勢83名(会員外も含む)の参加で開催されました。
第一部の設立総会で2021年度(女性部準備委員会)活動報告と、22年度活動方針(案)及び予算(案)、女性部規約(案)、22年度役員選出について議案提出され、承認・採決されました。
22年度活動方針は「女性部会員間の親睦と、資質の向上を図り、会員企業の振興・発展と同友会運動の発展強化に寄与すること」を目的とし、「今こそ女性部 しなやかに始動!!」をスローガンに、松﨑悦子さん((株)EGS代表取締役)を部長に選任、笠井智美さん((株)シオンズ代表取締役)、河村朱美さん((株)古川与助商店代表取締役)、宮川絵理子さん(宮川バネ工業(株)専務取締役)の3名が副部長に選任され、現時点での部員数16名全員が運営委員として承認されました。
また総会には、滋賀県商工観光労働部の浅見裕見子部長様、滋賀県男女共同参画センターの佐保田ます美所長様始め、京都、大阪、兵庫、和歌山の各同友会の女性部部長ら、合計11名のご来賓が駆けつけていただき、それぞれ激励のご挨拶をいただき、大盛況のうちに、文字通り「しなやかに始動!!」いたしました。
第二部は、大阪府中小企業家同友会女性部副部長の高橋祐子氏(日本精機(株)代表取締役)より「女性の視点でブランド戦略 世界の市場で唯一無二の存在に」をテーマに基調講演をいただきました。
ご来賓の皆さま
ご来賓の皆様 | (順不同・敬称略) | |
名前 | 会社 | 役職 |
浅見裕見子 | 滋賀県商工観光労働部 | 部長 |
柴田 知孝 | 大津市政策調整部人権・男女共同参画課 | 課長 |
佐保田ます美 | 滋賀県男女共同参画センター | 所長 |
平田 愛子 | 瀬田商工会女性部 | 部長 |
山本 善美 | 草津商工会議所女性会 | 副会長 |
河合 充裕 | 滋賀銀行営業統括部 | 地域振興グループ長 |
久賀きよ江 | 中小企業家同友会全国協議会 | 女性部連絡会代表 |
鈴木 千鶴 | 京都中小企業家同友会女性部会 | 部会長 |
南條 律子 | 大阪府中小企業家同友会女性部 | 部長 |
入江 惠子 | 兵庫県中小企業家同友会女性部 | 部長 |
武野美智子 | 和歌山県中小企業家同友会女性部会 | 部長 |
女性の視点でブランド戦略 世界の市場で唯一無二の存在に
~ 幅広い多様性で良き未来を作るために今何が必要なのか ~
高橋祐子氏 日本精機(株)代表取締役)
大阪同友会 女性部副部長
講師の高橋氏にこの度の設立総会の基調講演の依頼をされたのは、滋賀同友会女性部の部長に就任された松﨑悦子さんでした。昨年度、女性部の設立に向けた「準備委員会」として1年間活動された松崎さんには迷いがありました。「女性部って本当に必要なのか」この言葉は総会の挨拶の中で松﨑部長が語られた一センテンスに込められていると思いました。「女性部というものが必要なくなることが理想」というものです。
松﨑部長は高橋氏に飾ることなく質問をぶつけました「女性部って必要ですか?」ここから、お二方の繋がりが始まり、その後ご両名の関係が深まっていったとのことです。同友会運動には「女性部は必要なのよ」という高橋氏の信念とも思えるご報告を拝聴いたしました。
日本製機株式会社は、昭和25年(1950年)設立されたご尊父が戦地から引き揚げてこられて「これからは〝クルマ〟の時代や」という発想からクルマの部品(エンジンバルブ)製造・販売を始められたのがスタートでした。創業者のご尊父から事業承継された高橋祐子氏は3姉妹の末っ子で、ご主人は製造部門担当の専務として経営に入られています。
事業は、エンジンバルブの部品製造販売。国内の自動車メーカーの下請け仕事は一切やられていません。ユーザーは、海外で走っている中古の日本車のオーナー。日本国内と違い海外で走る日本車は、生活必需品であり、走行距離に関係なく修理を繰り返して使われます。販売先は東南アジア、中南米、中近東ばかりで、小ロット多品種生産で、固有の役割をはたしておられます。社員さんは約50名。
クルマ部品の製造業界は、オトコ社会。経営の修行中だった高橋氏は、当初、このような男の業界で女がビジネスをやるのなら、男の流儀に従おう「自分は割り込ましてもらっているのだ」という姿勢で臨まれていましたが、その実、高橋さんの意識は「ジェンダーフリー」でした。そして、海外でのビジネスであることが追い風となります。日本と違って海外では「女」だからというハンデはありませんでした。
そして、高橋氏は女性ビジネスを応援する世界的なNGOと出逢い「女性活躍というのは、女性が社会の中で権利の50%近くのシェアを保持できるまでを目指すこと」だという主張を知り気づかれました。「自分は男性社会へ同化することを頑張ってきたのではないか?」「郷に入れば郷に従えと思ってきたのではないか?」と。
そして目下の「女性活躍・・・」とは「女性の労働力が増えることが目標」になっていないか? 目指す「ジェンダーフリー(女性活躍)」とは、女性の問題ではなく社会全体の課題。その解は、日本の未来の再構築にあるのだと。
GDP世界第2位の日本はもうないのです。世界は日本に憧れてなんかいないのです。今までは同質性を最大限に活かせました。これは日本人の最も得意とするところです。しかし、これから日本が生き残っているためには多様性を活かしていく必要があります。
〝Piece of Women’s Freedom〟女性の自由の一コマたれ。これが同友会女性部の必要性だと高らかに呼びかけられました。
松﨑部長が、高橋氏を紹介される時「淡々とお話される方」という表現を使われましたが、すごくエネルギッシュでハートが熱くなるご講演でした。