滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-北近江支部-

北近江支部11月BIG北近江支部11月BIG例会を開催いたしました。

北近江支部 例会レポート

北近江支部11月BIGを開催しました―社員が自発的に行動できる環境づくり―

11月28日(木)18時30分から20時30分までプロシードアリーナHIKONEにて、北近江支部BIG例会が開催しました。
50名が参加しました。

今回は、埼玉同友会経営労働委員長で、(株)こまむぐ 代表取締役の小松和人氏をお迎えし「『木工玩具で世界を笑顔に』を叶えた経営者の物語」をテーマにご報告をしていただきました。参加者は49名で、熱気あふれる会場の中で、小松氏が実践してきた経営の挑戦や同友会での学びを共有していただきました。

報告内容では、経営理念「子どものより良い笑顔のために」という言葉が印象的でした。小松氏は木のおもちゃ製造を通じて子どもたちの笑顔を創り出すことを事業の核心に据えおられます。この理念は、自らの幼少期の遊びの経験や「人間関係を育むおもちゃの力」に触発されて形づくられました。

創業初期に母から「なぜ木のおもちゃを作るのかをしっかり考えなさい」と言われたことが、理念を明確にする契機となりました。

父から木型職人としての技術を学び、父の技術が現在の事業に活かされていることに感謝をしています。また、子どもたちが自身の事業や理念に触れ、「おもちゃ作りに誇りを持つ人材」として成長していく未来像を描かれています。

小松氏は「社員と共に苦難に向き合うことがブレイクスルーのキッカケになった」と仰います。

自身の怪我を経験し、その際に社員が十分に主体的に動ける体制が整っていなかったことを反省され、社員が自発的に行動できる環境づくりを目指されました。

コロナ禍で売上が激減した際にも、社員の提案で「製造業でのテレワーク」という新たな挑戦を行いました。テレワーク中に社員が自主的に製造風景を撮影し、YouTubeで発信。また、プレスリリースを通じて多くのメディアから注目を集め、直販で売上を回復しました。

コロナ禍以降、社員のワークライフバランスを考慮し、製造数量の上限を決めることで、無理のない働き方を実現しました。製造業の特性に合わせた柔軟な改革が、社員のモチベーション向上と事業の持続性を支えています。

自社の取り組みは、社会科の教科書に掲載されるなど広く評価されました。また、小学生から「応援メッセージ」が届くなど、事業を通じて社会的な感動を生み出す事例が報告されました。

小松氏による経営指針創りと指針による経営の実践報告は、同友会にまだ入られていないゲストの方や新入会員に、経営理念、経営ビジョン、経営指針の大切さを伝える、実のあるBIG例会となりました。

グループ討論では、「理念を形にし、会社を成長させるためにどうすべきか?」というテーマで話し合い、社員の主体性を引き出すための具体策など、経営者としての実践的な課題について活発な議論が行われました。

参加者からは「社員と共に成長する経営を学べたと」いった感想が寄せられ、例会全体を通じて同友会の提唱する労使見解の精神による人間尊重の経営、人を生かす経営への有意義な学びの場となり、ゲスト参加された方の新規ご入会や、入会の浅い会員の経営指針を創る会参加につながる、BIG例会となりました。
(記 柴田 誠一)