滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-甲賀支部-

甲賀支部2月例会 「中途半端な1.5代目 障害のある人達との事業の歴史」

甲賀支部 例会レポート

甲賀支部2月例会が、サンライフ甲西にて開催され、20名が参加しました。
報告者は甲賀支部会員 社会福祉法人共生シンフォニー 常務理事 中崎ひとみさん。「中途半端な1.5代目 障害ある人達との事業の歴史~水道まで止められる状態から136人雇用の法人に~」をテーマに経営体験報告をいただきました。

中崎氏は、バブル期に大手ゼネコンに勤務し、子どもが生まれ、退社。近所の作業所があり、お手伝いにと「今日も一日がんばった本舗共働作業所」に通い始めます。そこでは事業所のコーヒーサービスやクッキーの製造販売、などあ様々なものを販売していました。

しかし、一人ひとりはそれぞれ頑張っているのに、事業として全く成立していない。小売りサービス業なのに全くその意識がなく、経営状態は厳しくなっていきます。そこには、障害があってもなくても、一人ひとりに全うな賃金を払い、生活して生きていく状況を創りだしたいという創業理念があり、人件費の支出が増えていくことに原因がありました。

お手伝い意識でありながら、創業理念の実現をめざしたい中崎氏は、自ら保証人になって事業展開のために借り入れを起こし、建屋から生産設備を新潮します。品質管理や総務経理の管理業務も役割分担をしながら、中崎氏と若いスタッフと休日返上で立て直しに奔走。

徐々に売り上げは増えていき、同友会の会員企業にもアドバイスなど受けながら、その規模を拡大していきます。
しかし、大口取引先とのトラブルから売り上げの1/3をあきらめることになります。
そこには、とにかく立て直しのために目的を忘れていたと中崎氏。商品はオーガニックにこだわり、取引はフェアトレードにのっとり事業を進めるなど、本来の路線に修正。今では全国にファンが増えていき、クッキーなどの製造販売で2億円の売り上げまで持ってこられました。

中崎氏は、スタッフようやく、結婚し、一戸建てを持てる状況まで何とか持ってこれた。これも皆でできることを助け合ってできた結果。まだまだ、障害のある方の暮らしや人権の問題など解決したいことはたくさんあるが、頑張っていきたいとまとめられました。