滋賀県中小企業家同友会

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『よい会社』づくりの実践、待ったなし!~第43回定時総会を開催~

組織活性化委員会 その他活動

第43回定時総会を開催
『よい会社』づくりの実践、待ったなし!
~中小企業家としての矜持を高め、危機に強い会社づくりで明日を切り拓こう~

滋賀県中小企業家同友会第43回定時総会・記念例会が、4月26日(月)13時30分~17時まで会員企業のホテルニューオウミを会場に40名が参加(内会員参加者34名、委任表明384名)して開催されました。
第一部の総会議事は水野代表理事の挨拶に続き、大津支部の近藤氏を議長に選出して開会されました。

コロナ禍対策のため総会の議事はYouTubeでライブ配信された他、今回初めて委員会と支部等の担当理事全員から議案の提案が行われる参加型の運営を行いました。
提案者からは、コロナ禍の下でも同友会活動を止めず、知恵と創意をいかして推進してきた2020年度の経過報告と、「『よい会社』づくりの実践、待ったなし!~中小企業家としての矜持を高め、危機に強い会社づくりで明日を切り拓こう~」をスローガンにした2021年度の活動方針が力強く提案されました。

続いて、2020年度の収支と監査報告、2021年度の予算と役員の提案が行われ、すべての議案を拍手で承認・決定することが出来ました。
第二部の記念講演はコロナ感染症対策のため、青木雅生三重大学人文学部教授による「新常態時代における中小企業経営~ウィズコロナに備えつつ、アフターコロナを見据えた中小企業の経営について~」をテーマにした講演動画を上映し、未来を切り拓く、人を生かす同友会型企業づくりを学び合いました。(講演要旨は以下の通り)

【2021年度滋賀県中小企業家同友会役員 2021.06.26選出】
会内役職 氏名   会社名   社内役職
最高顧問 蔭山 孝夫 滋賀建機㈱ 会長
顧問 宮川 卓也 宮川バネ工業㈱ 取締役会長
相談役 岩部 英世 法面プロテクト㈱ 取締役
相談役 坂田 徳一 ㈱坂田工務店 代表取締役

代表理事 水野 透 ㈱渡辺工業 代表取締役社長
代表理事 永井 茂一 ㈱ピアライフ 代表取締役
副代表理事・新産業創造委員長  坪田 明 大津発條㈱ 代表取締役社長
副代表理事・中同協青年部連絡会代表  石川 朋之 ㈱HONKI 代表取締役
副代表理事 七黒 幸太郎 ㈱七黒 代表取締役
理事・大津支部長 上田 幹人 ㈱アーム保険設計 代表取締役社長
理事・高島ブロック長 三田村 吉則 メットライフ生命保険㈱
理事・湖南支部長 赤井 健史 ㈱湖南オートセンター 代表取締役
理事・甲賀支部長 田中 真 ㈱サン機工 常務取締役
理事・東近江支部長 太田 宗男 ㈱プライウッド・オウミ 代表取締役
理事・北近江支部長  小田柿 喜暢 大洋産業㈱ 代表取締役
理事・例会委員長 青栁 孝幸 ㈱PRO-SEED 代表取締役
理事・県小グループ会担当 笠井 智美 プレゼンスクリエイト 代表
理事・組織活性化委員長 蔭山 大輔 滋賀建機㈱ 専務取締役
理事・組織活性化副委員長 嶋田 裕士 ㈲島田家具工芸 代表取締役
理事・政策委員長 谷田 良樹 行政書士谷田良樹事務所 代表
理事・経営労働委員長 川邉 和明  ㈱アド・プランニング 代表取締役
理事・共育・求人委員長 宮川 草平 宮川バネ工業㈱ 代表取締役
理事・ユニバーサル委員長 田井 勝実 滋賀ビジネスマシン㈱ 代表取締役社長
理事・青年部幹事長 八谷 香央梨 ㈱八谷 代表取締役
理事・女性経営者準備会 松﨑 悦子 ㈱EGS 代表取締役
専務理事 廣瀬 元行 滋賀県中小企業家同友会 専務理事

会計監査 高橋 信二 (福)ひかり福祉会 理事長
会計監査 濱本 博樹 ㈲浜本新聞舗 代表取締役

記念講演(要旨)
テーマ:新常態(ニューノーマル)時代における中小企業
~ウィズコロナに備えつつ、アフターコロナを見据えた中小企業の経営について~

三重大学人文学部
教授 青木 雅生 氏

コロナ禍の下で環境変化がさらに速く激しくなってきている現代において、地域に根ざす中小企業の経営は、ともすると目先の変化に翻弄されがちです。新たな時代における社会が求める中小企業の姿を捉え、よりよい経営のあり方について考えていくことは、滋賀同友会に集う仲間であるならば、真剣に検討しなくてはならない課題です。

企業の良し悪しを測る一つの基準に「儲かっているかどうか」があります。そして、その物差には株式の時価評価額があります。世界の株式評価ランキング(2021年3月末時点)では、いわゆるガーファが上位を占めています。一方で、ジョンソン・エンド・ジョンソンやP&G、ネスレなど生活用品に関わる企業も上位にあります。2009年を見てみるとマイクロソフトがかろうじてあるだけで、ガーファは見あたりません。
しかし、P&Gやネスレはトップでないものの上位に入っています。平成元年に日本企業は上位を席巻していましたが、30年経った今はトヨタ自動車しか残っていません。
このように、時代の変化に対応するには、変化のトレンドを捉えると共に、変化の中でも変わらないものが厳然として存在していることを捉まえ、なぜ変化していないのかを知ることで、持続可能な経営のあり方を考えていくことが必要です。

未来の経営について考えるためには、私たちは日本が人口減少社会に突入している問題から目をそらすことはできません。また、世界的に見ても30年後には人口減少に入るという国連の予測もあり、海外進出やインバウンド、日本の労働力不足を外国人によって補うことも、日本に来てもらえる魅力ある条件や環境をどう創り出すかが問われます。

国内では、都市への人口集中と地方における過疎化、高齢化と少子化が同時並列で進行し、人々の暮らしにくさが顕在化し、暮らし続けられる生活圏を維持することが共通の課題になります。
労働力不足で学生は安心して働ける会社を選ぶようになり、若者を地域にとどめ地域を元気にするために、「労使見解」の精神で安心して働ける魅力ある企業づくりに取り組む同友会型の企業がますます求められています。魅力ある企業とは「稼ぐ力」と「人を育てる力」のある企業です。「稼ぐ力」とは、企業が存続・発展するために必要な利益を確保できること。「育てる力」とは社員が安心して能力を発揮でき、人として成長できることです。

コロナ禍によって引き起こされた社会や経済の変化は突然やってきたように感じがちですが、IT化やリモートワーク、オンライン会議などは突然やってきたのではなく、先送りしてきた課題です。従来から同友会で取り組んできた「人を生かす経営」(『労使見解』)や人間尊重経営の立場に立った経営指針の成文化を通じて緊急的な課題に取り組むことで、これまで自社が培ってきたノウハウや特色などが明確になり、それらを自社の存在価値として全社一丸経営をしていくことの源泉になります。

いま政府は正確性に欠けるデータで中小企業の低生産性を問題視していますが、大切なことは、中小企業がこれまで培ってきた特色をいかして、付加価値を上げられる取引条件を整備することが必要です。
人に必要とされる会社・期待される会社となるには、「価値あるものを価値どおりに売る」ことが必要です。これは収益を確保すると意味合いと、従業員の努力が取引上で正しく報われるという、人間尊重経営の実践に通じています。

社会がどのように変化しようとも、必要とされる価値を提供し続けるという、経営者の覚悟と企業の主体性が問われる社会になります。同友会により多くの企業が集い、会員相互の連帯・連携によって相互に価値を生み出す力にしましょう。(文責 事務局)