滋賀県中小企業家同友会

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人を生かす経営の推進で5同友会が交流しました。

事務局

全国研究集会が終了した2月19日(金)13時30分~16時まで、「人を生かす経営総合実践交流会」をサンポートホール高松第63会議室にて滋賀・愛媛・徳島・高知・香川の同友会より14人の参加で行いました。
この交流会は、滋賀同友会から愛媛同友会への交流の呼びかけに、徳島、高知、香川からの参加も得て行われたものです。

まず、廣瀬元行滋賀同友会専務理事から「人を生かす(人が生きる)経営と言葉で言うのは簡単ですが、その実現は決して楽な道程ではなく、それぞれの同友会運動のフレームワークが問われます。今日は滋賀と愛媛の取り組みや課題を問題提起し、ディスカッションを通じて相互に共有・協力できることを探りたいと思います」と交流会の趣旨説明が行われました。

続いて、愛媛同友会の米田順哉副専務理事(NPO法人家族支援フォーラム理事長)より、「私の法人の経営理念には、障がい者本人とその家族および支援スタッフが共に育ちあいながら本人が望む豊かな地域生活が永続する環境づくりを通して・・とあります。豊かな地域生活とは①暮らす(衣食住)②働く③楽しむ がバランス良く揃っていること。障がいがあってもなくても人間が人間らしく生きていくためには、この条件が継続していく必要があります。この理念の実現のためには、包容力がある元気な地域が必要なのです。だから、同友会運動で中小企業振興基本条例をつくり推進することは、私の仕事自身だと思い、役割を担っています」と、同友会運動と共に発展する企業経営の見解を開口一番にお話しいただきました。そして、松山市の振興条例による円卓会議の専門部会では、中学生のキャリア教育に使えるテキスト(教案)づくりを手がけていることなど、人が生きる地域づくりにむけて、同友会理念を広めていることが紹介されました。

滋賀同友会の廣瀬専務理事からは、25年になる経営指針成文化の取り組みで363社より427人が終了して入るものの、指針による経営を実践している会員はその1割程度。実践に結びつかないわけには、同友会で言うところの「良い会社」を指標としてPDCAできないこと。そこで、「良い会社」のモデルを示し実践のお手本にする取り組みとして「滋賀でいちばん大切にしたい会社」認定を2009年度よりスタートしてきたこと。そのベースとなる指標が社員満足度で、「この会社で働けて良かった」と言う社員が80%となることを目指していて、社員満足度の高い会社づくりに向けて社内での共育ちをすすめる「月刊共育ち」を2015年6月より発刊していることが紹介されました。

このあと、参加メンバーより経営指針の成文化と実践運動を切り口にした人を生かす経営を推進する同友会活動の事例が討論されました。
いずれの同友会でも、経営指針づくりに取り組む会員数は増えていても、継続した実践と社内での共育ちを系統的に行う会員を増やすことが課題となっていることを確認。その解決策として、幹部社員を巻き込んで実践を前提とした経営指針づくり(愛媛同友会)、企業変革支援プログラムステップ2を活用し、経営姿勢の確立、幹部社員との学び合い、方針と計画作りをそれぞれ塾として開催する(徳島同友会)、社員を経営のパートナーと位置付ける労使見解の精神を最後まで追求する(香川同友会)など、同友会として指針経営推進をサポートする取り組みや考え方が紹介され、それぞれの同友会に持ち帰ることが出来たと思います。滋賀同友会の取り組んでいる「月刊・共育ち」では、執筆者を増やすことが焦眉の急であると報告され、参加者にも協力が呼びかけられました。

あっという間の2時間半でしたが、滋賀の参加者からは「同友会運動に熱い思いと共に方針にしっかり見解を持っている役員さんに触れて刺激となった」「同友会運動と企業経営は不離一体と言うが、地域づくりと自社経営の課題を一体として取り組めているか、問い直す機会となった」「全国行事の後に、有志で運動課題を交流することは、無理が無くて良いこと。ここでの情報を生かして委員会活動に生かしたい」と感想が寄せられ、有意義な場となりました。(M・H)