滋賀同友会は、40回目となる定時総会を、4月26日木曜日、午後1時より開催し、会員他、106名が参加しました。
第1部の総会議事は、上田 幹人氏(大津支部所属、㈱アーム保険設計代表取締役)を司会に開会。
代表理事挨拶の後、川邉和明氏(㈱アド・プランニング 代表取締役)を議長に選出し、進行しました。
17年度活動報告は、坪田明副代表理事、収支報告を廣瀬専務理事より行われました。引き続き、18年度方針(案)を蔭山代表理事より行われ、18年度予算(案)を廣瀬専務理事より提案されました。合わせて、坂田相談役理事より、1名の名誉役員、21名の理事、2名の会計監査の役員提案があり、全議案を拍手をもって決議しました。
第2部冒頭、休憩時間中に行われた、第1回理事会にて役職の互選の結果が報告されました。
◯滋賀県中小企業家同友会 2018年度役員名簿 (順不同)
相談役 岩部 英世 法面プロテクト㈱ 取締役
相談役理事 坂田 徳一 ㈱坂田工務店 代表取締役
代表理事 蔭山 孝夫 滋賀建機㈱ 会長
副代表理事 青木 孝守 ㈱あぐり進学 代表取締役
副代表理事 水野 透 ㈱渡辺工業 代表取締役社長
副代表理事 永井 茂一 ㈱ピアライフ 代表取締役
副代表理事 坪田 明 大津発條㈱ 代表取締役社長
副代表理事 宮川 卓也 宮川バネ工業㈱ 会長
専務理事 廣瀬 元行 滋賀県中小企業家同友会 専務理事
事務局長 大原 学 滋賀県中小企業家同友会 事務局長
高島ブロック長 新任 七黒 幸太郎 ㈱七黒 代表取締役
大津支部長 濱本 博樹 ㈲浜本新聞舗 代表取締役
ユニバーサル委員長 田井 勝実 滋賀ビジネスマシン㈱ 代表取締役社長
経営労働委員長 服部 兼一 服部コンサルタント事務所 代表
湖南支部長 中野 光一 ㈱びわ湖タイル 代表取締役
甲賀支部長 新任 田中 真 ㈱サン機工 常務取締役
東近江支部長 嶋田 裕士 ㈲島田家具工芸 代表取締役
北近江支部長 青柳 孝 ㈱PRO-SEED 代表取締役
共育委員長 小田柿 喜暢 大洋産業㈱ 代表取締役
40周年担当 新任 蔭山 大輔 滋賀建機㈱ 専務取締役
青年部担当理事 石川 朋之 ㈱HONKI 代表取締役
青年部部長 新任 川勝 健太 ㈱カワカツ 代表取締役
会計監査 高橋 信二 (社福)ひかり福祉会 理事長
会計監査 前出 博幸 前出産業㈱ 代表取締役
引き続き、2017年度滋賀でいちばん大切にしたい会社認定企業が発表されました。
今回は、大津支部のニューワンズ株式会社、2年連続となる湖南支部のエフアイ株式会社が認定基準と、社員アンケート結果に基づき認定されました。
そして、滋賀同友会40周年記念事業の節目としてキックオフセレモニーが行われました。
1979年1月17日に滋賀同友会設立総会が開催され、同年5月12日に第1回総会が開かれています。
来年2019年1月に40年を迎え、4月に周年記念例会を開催の予定です。
40周年記念事業推進本部長、蔭山大輔理事より下記、キックオフ宣言が発表されました。
その後、40周年プロジェクトのPR大使、前川保志花さんの任命式が行われ、PR動画などがお目見えしました。
滋賀県中小企業家同友会創立40周年「社長の学び場」プロジェクトキックオフ!として、
専用HP開設 http://www.shiga.doyu.jp/manabiba/
FBページ https://www.facebook.com/shigadoyu/
マスメディアも含め、滋賀県中小企業家同友会をPRしていきますので、1年間宜しくお願い致します。
その後、2018年度スローガン、「すべての経営者に同友会を伝えよう~同友会存在、理念、真髄を~」をもとに、中小企業家同友会全国協議会副会長、徳島同友会代表理事 山城真一氏(㈱サンフォート 代表取締役)より「幾多の危機を乗り越えた~人を生かす経営の実践~労使見解を、同友会を地域に発信する~」をテーマに基調講演をいただきました。
以下報告要旨
株式会社サンフォート 代表取締役 山城真一氏に「幾多の危機を乗り越えた~人を生かす経営の実践~労使見解を、同友会を地域に発信する~」をテーマにご報告いただきました。
高知生まれの大阪育ちの山城さんは、大学卒業後、日本マクドナルドの直営に入社されます。12年間のサラリーマン生活を経て、34歳で「のれんわけ制度」を利用し独立。本社からの推薦で縁もゆかりもない徳島で企業、大組織から地域の中小企業の経営者になられます。以来28年間マクドナルドのフランチャイズを経営。現在では、徳島県内で13店舗を運営しておられます。
山城さんが代表理事をしている徳島同友会では、戦略的に連続増強をするという取り組みをされています。「労使見解」を学んで、会社が良くなったという方が増え続けた結果、連続増強をもたらし15年連続で会員が増え続けています。
山城氏は創業当時「能力があって成果を出せる人間だけが残ればいい」「自分の与えられた仕事をちゃんと実践して結果を出せる社員が良い社員」でした。
人を大切にする経営をめざす同友会に入っても、その考えを当たり前に思っていました。
社員の募集は、たくさんいるフリーターの中から弊社に合いそうな方になってもらっていたので、社員に困ったことがなかったのも原因だと思います。
同友会に熱心に参加しているうちに、2007年には代表理事になっていました。代表理事になったのがきっかけで同友会の本質を学ぼうと積極的に全国大会に参加しました。その中の経営労働問題全国交流会が一番の学びになり、本質は「労使見解」であると気付きました。
労使見解から学ぶべき点は①経営者の経営姿勢の確立②経営指針の成文化③社員を最も信頼できるパートナーと考え、共に育つ④外部経営環境の改善、の4つです。
それから徳島同友会でも、自身の強みである組織とシステムづくり、同友会の労使見解を合わせた「人を生かす組織と人を育てるシステム」をつくっていきます。
経営指針実践塾を立ち上げ、卒業した受講生が次からサポーターになって受講生を教えるというシステムをはじめました。すると、受講生よりサポートする方が勉強になると熱心な方が増えていき、5年ほどで役員ほぼ全員が経営指針を成文化しました。
同友会運動の運営も支部のグループ討論も理念をつくって成文化しませんか?というまとめからより深く経営課題に取り組めるようになってきました。
最近の成果では、経営指針の成文化を受講し、そこから毎月2日サポーターを続けている人たちが自社の経営にも労使見解が重要だと気付き実践し、結果が出てきたことから、その人たちが知り合いの経営者に同友会を紹介していくという循環が生まれてきました。
自身も9年間サポーターを続けています。それは、同友会に入って一番面白いのが経営指針の成文化だと思っているからです。というのは、会社の中でも一番楽しいのは社員を育てる仕事であり、最大の喜びは社員が成長していく姿を見ることだからです。同友会でも同じように若手の経営者の方がどんどん入ってきて労使見解を学び、半年間で考え方も発言も変わって成長していく。だから、同友会運動の中で最も楽しいのが経営指針実践塾です。
受講生の皆さんの会社の置かれた現状の中での労使見解の学びを一緒に考えていくうちに自分の考え方も深まっていき今では、本当に社員をパートナーと思えるようになりました。それは、真剣に関わってきた自分なりの成果だと思っています。
その成果のおかげで、売上が30億から18億まで落ち込んだときに、社員を一人も辞めさせることなく危機を乗り越えることができました。それは、同友会のある経営者からの「リーマンショックで売上が下がったときに社員を一人も辞めさせることなく、会社も必ず守る」という実践事例に学び、その通りにしたことで、売上が急回復したときに結果がでました。同友会の労使見解を実践した経営の結果だとつくづく思います。
今は、人手不足に悩んでいる経営者が多いと思います。人を生かす経営を深めるには共同求人をしなければならないと聞き、ニーズはなかったが学ぶために参加。
そして、新卒採用をはじめましたが、アルバイトから社員になった方は辞めないのに新卒社員は、入社2年目でマネジメントが出来ず次々辞めていってしまいます。新卒社員の定着を経営課題として取り組んでいるうちに、徳島新聞で新卒採用の徳島を代表する50社に外食で唯一選んでもらえました。これも同友会のおかげです。
また、親子で働いている人が18組おり、おばあちゃんとお母さんと娘さんの3代で働いている方も1組います。そして、アルバイトの8割以上が友人紹介です。今は、募集媒体では人は採れない時代です。
人を生かす経営を真摯に実践した結果、組織の中に浸透していき、社員が自分の会社を薦めてくれるような環境ができてきました。大事なお子さんに会社を薦めてくれるということに本当に感謝しています。「社員を兵隊」と思っている時代ではこうはならなかったと思いますし、同友会で労使見解を学んだおかげです。店長に就任した人には労使見解を読んでもらっています。
外部経営環境の改善として、滋賀同友会が県に要望を出している「新任教員の初任者研修に一定期間中小企業職場体験を取り入れていただきたい」という活動は徳島同友会では共育委員から依頼を受け「先生に地元の中小企業を知ってもらうことで、中小企業にも良い会社があると理解してもらえる」と積極的に行っています。
中小企業で働くことに対する抵抗勢力は3つあります。学生本人と先生、それからPTAです。学生本人と先生には職業体験をしてもらうことで理解してもらえます。では、PTAに理解してもらう為にはどうすればいいでしょうか?それは、良い会社が増えることです。PTAとは学生の親です。中小企業で働いている親です。労働者の7割は中小企業で働いているのです。我々の会社で働く社員が自社を薦められる会社をつくらなければなりません。それも労使見解です。
最後に、同友会の本質である「労使見解」に触れて、同友会に入って良かったと思ってもらえる仲間づくりをして行きましょうと呼びかけました。