2月1日、北近江支部の高橋信二さん(社会福祉法人 ひかり福祉会 理事長)をご訪問いたしました。
これまでご訪問させていただいた理事さんにお聞きしたのと同じように、高橋さんに「なぜ同友会運動を続けておられるのですか?」と質問をぶつけてみたところ、返ってきたのは意外な答えでした。
「私が同友会運動を続けているのは、経営がまだ分からないからです。まだ人を生かす経営に答えが出ないのです。経営の基本的なところは経世済民(世を経め民を救う)ですが、そのベースとなるものはやはり人を生かす経営です。人を生かす経営とは何なのか、自分のなかでまだ確信を持てていません。だから同友会運動や、経営指針を創る会のOB参加を通して学びを続けています。人を生かす経営には、”人間性”や”科学性”が必要だと言われてますが、それを突き詰めていくと”人間性とはなんだ”、”科学性とはなんだ”という問いかけになってきます。これらの大前提である問題を深めていけるのは他に団体が多いといえども同友会だけです。」
これまでに様々な会員さんにお会いして、同じ問いをぶつけてきましたが、高橋さんの答えが最も衝撃的でした。しかし、自分のなかであらためて考えてみると、確かに”人間性”や”科学性”について言葉ではなんとなく理解できていても、それらを深く考えたことはありませんでした。
今回の訪問で得たものは「分からないことが分かった」の気づきでした。今後も、遅々とした足取りではありますが、はっきりと答えが出ないことについて考えていこうと思います。
滋賀県中小企業家同友会
岩下 育磨