滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-東近江支部-

東近江支部8月例会を開催しました。

東近江支部 例会レポート

8月23日㈬18:00~20:45に、Gネットしがにて東近江支部8月例会を開催しました。「ボランティアとビジネスの垣根をぶっ壊す~仕事で遊べ、人生は本気の遊びだ~」をテーマに、枦山義彦さん(㈱Cooper代表取締役)よりご報告いただきました。

枦山さんは幼少期からお母さまより「あなたは人のために生きなさい」と言われながら育ちました。大学生のときには熱心にボランティア活動に参加し、その頃から「地域にどんな課題があるか、どうすれば人の役に立つことができるか」を常に考えるようになりました。大学卒業後は地元の銀行に就職しますが、独立のために3年で退職しました。「どうすれば地域を活性化できるか」を考えた枦山さんは移動販売の事業を思いつきます。当時はB級グルメが世間の注目を集め、地域に莫大な経済効果をもたらすと騒がれていた頃でした。移動販売業界に飛び込んだ枦山さんは、縄張り商売で停滞しがちな状況を変えるために移動販売協会を設立し、、中間業者と出展料の交渉などを行っていきました。

移動販売の法人も順調に進んでいたころ、知人から詐欺に合い、手持ち金をすべて失ってしまいます。鬱になり家族とも離れてき自殺も考えたとき、たまたま知人に誘われた買った舟券があたり、ほんの少しの現金が手に入ります。神様が救ってくれたんだと一念発起し、舟券で手に入れた18万円を元手にたこやき屋の屋台を開きます。これがヒットし、次々とフランチャイズ展開をしていきました。現金がほぼ0になった経験から、事業で手に入れたお金はすぐに次の事業へと投資し、規模が拡大していきました。

枦山さんは「一度破滅から人に助けられてここまできたから、今度はその恩返しがしたい」と強く思うようになります。少年院あがりの青年を雇用し、新しい店舗はどんどん若い従業員に任せていきました。枦山さんは地域の課題や誰かの夢に出会うたびに、それを解決・実現するような店を立ち上げるようになっていきました。どん底から始めたたこ焼き屋は、現在では32店舗の飲食店にもなる大グループとなりました。その後は地域の商店街を守る飲食組合や子供食堂のボランティア活動など、地域の課題を解決するために精力的に活動していきました。現在では移動型の市役所や移動型の保険窓口など、飲食以外のキッチンカーを活用した事業を行政とタッグを組んで考えています。

枦山さんは地域の活性化について、「街づくりを担う議員さんたちも任期があり、5年後10年後のことはなかなか手が出せない。しかし我々は違うのです。地域に根を下ろし、事業を通して地域課題の解決ができる中小企業こそが地域の活性化の主人公なのです。これからは行政よりも民間企業の時代がきます。そうなったときに生き残るのは地域の課題を解決し続けてきた企業だけです。だからこそ5-10年後を見据えて、自社事業と地域の課題を見つめ直すことが大切なのです。」とまとめられました。