滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-東近江支部-

東近江支部 3月例会を開催しました

東近江支部 例会レポート

東近江支部3月例会を、3月27日(月)18時30分から21時まで、ホテルニューオウミにて47名の参加で開催し、有限会社島田家具工芸 代表取締役 嶋田裕士氏に、「支部長3年、経営指針を創る会を受講して“これまでの10年、これからの10年”」と題してご報告いただきました。

有限会社島田家具工芸は、近江八幡市に『PureStyle』という店舗を構えておられます。斜陽産業と言われる家具業界において、約1000坪という広い店舗ながらコンセプトを絞った品質重視の品揃え、提案型営業などこだわりの店舗作りでお客様の支持を広げ、順調な経営を続けておられます。
しかし、平成4年に嶋田社長が東京での仕事を辞めて入社されたときは、会社組織としての体を成しておらず、社内は「なんじゃこりゃあ」の連続だったそうです。
就職志望の学生さんが話す憧れの家具メーカーを社内の誰も知らなくても、付き合いで仕方なく気に入っていない家具を購入されていった新婚さんを目の当たりにしても、危機感のない社内、不満ばかり耳に入ってくる日々に、帰ってきたことを後悔されたといいます。そのような中で、嶋田社長は自分で仕事を作るべく、全国の店舗視察や新たな販売先の開拓、仕入先との関係作りなど、次々と行動を起こされていきます。平成18年に40歳で代表取締役社長に就任、現在の店舗を新築され、今から10年前に初めて経営理念と経営指針書を作成されます。スタッフが主体性を持って働ける環境作りや、社内勉強会、個別懇談など、新たな取り組みを実施されていきます。 しかし、徐々に発信が中途半端になり、周りへの感謝も薄れていき、経営理念も飾り物のようになっていきます。更に一昨年、売上が1割減となり、社長交代後初の営業赤字となります。それでも以前ほど行動を起こす気持ちにならず、10年間の実績で経営者としてどこか満足感さえあり、「まあ、ええか」とやり過ごすことが多くなっていたそうです。50歳を超えて、経営に対するモチベーションが明らかに下がっていました。そのような状態にあった一昨年の12月、ある若手社員から相談を受けます。
「この会社の先が見えない。お店は好きだけと、この会社で頑張ろうと思えない」と。この言葉の衝撃は大きく、先輩経営者からは「そんな経営者、会社の害や」とまで言われ、「まあ、ええか」の考えは社会の公器であるはずの会社で許されない、社員のことは置き去りで自分のことしか考えていなかったと猛省をされ、頭をリセットして再起するために、経営指針を創る会を正式受講されます。

創る会でこれまでの10年を見直し、これからの10年ビジョンを策定、新たな経営理念と経営指針書を作成され、受講後に発表会をされます。そこから社員へのヒアリングを開始し、社員が決定権を持つ委員会制度を立ち上げられ、現在、社員の提案による店舗の企画や働き方改革を進められています。そこで嶋田社長が気づかれたことは、「会社を良くしようとするスタッフしかいなかった」ということです。改めて経営者として、「自己成長」「社会貢献」「生活の保障」という三つの場の保障の大事さを実感されます。

支部長3年、経営指針を創る会受講で経営と同友会活動の不離一体が自然と身に付いたこと、創る会、10年ビジョンの策定、OB団としての創る会受講が今の経営に与えている影響の大きさを語っていただき、参加者へ「同友会を活用し、ぜひ主体者となって関わってほしい」と呼びかけていただきました。そして最後に、「30年先も自分が経営者である意気込みで、しかし反面、今日命が耐えても経営指針書でみんなが迷うことがないように、ここに“脱、まあええか”宣言をして、これからも経営をしていきます」と力強い言葉でご報告を締めくくっていただきました。

りがとうございました。これからもどうぞ宜しくお願い致します。嶋田社長、支部長3年間お疲れ様でした。細やかな心配りとユーモアで東近江支部を引っ張ってくださり、あ