東近江支部2月例会を、2月25日(月)18時30分から21時まで、八日市商工会議所にて25名の参加で開催し、有限会社浜本新聞舗 代表取締役 濱本博樹氏(大津支部所属)に、「社員の幸せが経営判断の軸!~10年間で離職者1名!地域と社員の幸せを追求して~」と題してご報告いただきました。
有限会社浜本新聞舗は1977年に濱本社長のお父様が創業され、2011年に社長を引き継がれました。新聞の世帯購読率が下がり、販売店も減少、複合化や大型化が進んでいるなかで、同社も他の販売店を吸収され、滋賀でも規模の大きい新聞販売店をされています。新しい社員も増えて経営に不安を抱え、経営理念も作りたいと思っていたところ、同友会への誘いを受けて、2013年に入会、半年後に経営指針を創る会を受講されます。
経営指針を創る会では、OB団からの問いかけに、自分の会社や仕事のことなのに全く答えられないという苦しい思いをされます。「20年、30年働いてくれている社員さんがどんな思いで働いてくれているか考えたことありますか?」という問いかけに、お金のことしか答えられず、会社に帰って従業員さんに聞いて回られます。そこで従業員さんからは、「待ってくれている人がいる」「挨拶や労いの言葉が嬉しい」「大事にして
もらっている」といった答えが返ってきました。自分は辛いだけだと思っていた仕事に、従業員さんは自らやりがいを見つけ働いてくれていた、こんな大事なことに今まで気づいていなかった自身を恥じ、更に自分の会社や仕事を突き詰めて考えるなかで、地域の安心や安全も担い、地域にとっても社員にとってもなくてはならない存在であると会社の素晴らしさに気づかれます。
経営指針を創る会を卒業後、同友会の仲間に背中を押され、経営指針発表会を開催されます。そこで、「社員さんの幸せや地域の人の喜びなど笑顔で一杯の会社に皆でしていきたい」「今までは会社を大きくすることに自己満足していて、大事なことに気づいていなかった」など、社長の素直な思いを話されます。涙を流したり、これからも働き続けたいと言ってくれる従業員さんもいて、大成功のうちに発表会は終わりました。発表会をしたことで、従業員さんが一番信頼できるパートナーと思えるようになり、また同友会の仲間も、会社を一緒に良くしてくれるパートナーと思えるようになったとおっしゃいます。以後、毎年経営指針発表会を開催されるようになりました。
経営指針を発表したことでやることが明確になり、従業員さんが自主的に地域のことや会社のことを考えて行動してくれるようになり、新聞社から大きな賞も続けて受賞されます。また大変な業界にもかかわらず、社員さんから「独立したい」と嬉しい希望があり独立者も出され、職場環境の改善にも取り組まれながら、業績も順調に伸ばしておられます。こうした成長は、「社員さんや地域の幸せを追求してきた結果」だと濱本社長はおっしゃいます。最後に、「新聞革命から地域革命を起こしたい!」と、自社だけでなく、業界の発展や地域との共存共栄を目指す熱い思いでご報告を締めくくっていただきました。
グループ討論は、「なぜ社員は、あなたの会社で働いてくれているのだと思いますか?」をテーマに行いました。難しいテーマではありましたが、やりがいとは何か、どんなときに感じるのか、そのなかで経営理念やビジョンの必要性、社長の思いを伝えることの大切さなど、濱本社長のご報告から更に学びを深めることができたグループ討論となりました。