滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-東近江支部-

東近江支部 8月例会開催しました!

東近江支部 例会レポート

東近江支部8月例会が、24日(水)18時30分から21時まで、八日市商工会議所で開催され、26名の方が参加されました。

今回は、「‘自分が主役’から‘社員が主役’へ」と題して、株式会社エース産業機器の 荒木順平 氏 にご報告をいただきました。

大阪府枚方市出身。学生時代は空手道に打ち込み、海外留学を目標とする青年だったとのこと。大学卒業までは、特に何も不自由なく、順調な日々。

2001年に会社設立、3名の社員でスタート。設立当初は利益が出ずに、給料ゼロの期間が7ヵ月続く。8ヵ月目にして、ようやく初給料。このような必死の努力が実を結び、会社設立2年目には黒字化を達成。

その後、2004年にエース産業機器を退社。念願の海外留学でカナダへ。留学から帰国後、製薬メーカーのCSLに入社。そのわずか1年後の2007年には、エース産業機器に再入社。不在にしていた3年間で会社はボロボロになってしまっていた。

そんな時に出会ったのが同友会だった。その後、リーマンショックの影響で会社の売上が半分になってしまうような苦しい時期もあったが、お客様をしぼることで在庫の削減を実施。会社の状況も良くなっていった。

2010年までは、新しい人が入社してきてくれたと思えば辞めての繰り返しで、社員数は6名のまま横ばい状態だった。そのような状況下で起こった「実の弟が辞める」という衝撃的な事件。このあたりから、社員との向き合い方を深く考えるようになった。

どうすれば、より良い会社をつくることができるのか?

まずは、利益計画を立てて、人の採用を始める。面接は、全て社長であるご自身が担当。ひとりあたり1時間半話をして、一緒に働いているイメージができれば合格。イメージができなければ不採用というスタイル。

「自分が最前線で頑張り続けて結果を出す」という負のスパイラルからの脱却を図るため、仕事を社員に思い切って任せていったとのこと。他にも、個人面談、適材適所の配置転換、退職金制度、改善提案買取制度、社員旅行、共育ちプログラム等、様々なことを新たに取り組むようになった。

中でも、「経営指針を創る会」への参加は大きなターニングポイントとなった。経営理念や指針をつくるにあたり、社員のことをより大切にできるようになった。

そして、これをきっかけに、負のスパイラルだったところから、正のスパイラルに入る。「従業員満足度UP → 結果にこだわる → 従業員が主役 → 社長が経営に集中
→ 従業員のことを考える → 従業員満足度UP」

会社案内も新しく作った。新しい会社案内には、2つのウソが掲載されている。①代表者(まだ父親が代表にも関わらず、ご自身の名前を掲載)、②従業員数(今期中に目標としている20名と掲載)そして、この2つのウソは、言い切ることで今期中に必ずやり切るという意気込みの表れである。

ご報告終了後に休憩をはさみ、「大切な人を、あなたの会社で働かせることができますか?」というテーマでグループ討論を実施。

これは、会社の経営を誰かに譲ったとして、自分の大切な人を、他の社員と同じ条件で、その会社で働かせることはできるかということ。各グループとも、深みのあるグループ討論ができました。
以上
(K.M)