滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-東近江支部-

2022年度東近江支部第21回定時総会・記念例会を開催しました!

東近江支部 例会レポート

行事名:東近江支部第21回定時総会・記念例会
会場 :ホテルニューオウミ あづちの間
報告者:渡辺工業株式会社 水野 透氏(代表取締役会長)
テーマ:わたしが経営者として大事にしていること

水野氏の報告は会社説明からスタートしました。会社沿革からこれまでの歩み、国内拠点と海外拠点のお話をしていただき、現状の従業員数、その内訳など詳細に語っていただきました。入社前は大阪に会社勤めされていたこと、その上で長浜の地に戻り、入社された当時の経緯、そして営業部長時代から役員抜擢までのお話です。そこは少し笑い話を交えながら、とにかく会場の雰囲気を包み込んでいただきました。

営業部長から役員に抜擢され、最初の大きな仕事は労働組合との交渉。とんでもない対応、応酬があり、ちゃぶ台返しまであったと当時の凄まじさを語っていただきました。その頃、会社の業績は悪く、賃金交渉も平行線、会社の赤字が続いて、主である取引先から出向して総務、会計処理など介入してもらわなければならない状況だったとのことです。

そんな渦中で代表交代となり、同友会で経営指針を創って会社の立て直しを図ることになります。その中で心に決めていたことが「従業員と駆け引きをしない」でした。赤字が続いていた当時、労組と話をする中で、営業部長時代から親しくしてきた部下が交渉の場に立ってきたところ、経営状態を話して納得さしてもらうなどに、偽りの情報(盛った情報)をしなければならず、その辛さや経営陣と社員との溝を埋めることは会社の考え方が変わらなければできないと考えていたようです。

会社の立て直しをする中で、2つの基本方針がありました。「一社依存をしない」「価格競争をしない」の2つです。一社依存は、順調なときはいいが景気が悪くなると連鎖的なリスクが高くなる、価格競争するとまっとうな利益がとれず疲弊するという点が問題です。そのうえで、

・面倒くさいことを仕事にする(他社が手を出さない領域の仕事をする)

・オンリーワンをつくって、価格競争から脱却する

これらを実践してこられました。会社の運営のみならず、運送会社との連携や仕組みまでを大きく変え、他社が真似できない要素をつくりだして「強み」に変換していったようです。語っていただいたところは一部、ではありながら、自社の強みを最大限に発揮し「ビジネスモデルをつくる」に注力しておられることは確かであると感じました。

その他、リーマンショックのときには給料5%カット(半年・全社員)、後の12月ボーナスにてカット分全社員に利息もつけてお支払い、など水野会長と社員との向き合い方が垣間見れるお話、会社の売上や経常利益などの報告をいただき、これらの要素を鑑みるとますます躍進する会社だと認識することもできました。

今回の学びは、従業員との向き合い方、ビジネスモデルの考え方など多くのものがありました。これらの報告を糧に、少しでも社業に落とし込めるよう頑張っていきたいと感じました。