滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-東近江支部-

東近江支部8月例会を開催しました!

東近江支部 例会レポート

東近江支部8月例会では、「社員一人ひとりが自分たちで考えて行動できる会社のひみつ教えます!」をテーマに中島 智宏氏(中島商事㈱ 代表取締役社長)よりご報告頂きました。会員・ゲスト合わせ46名が八日市ロイヤルホテルに集まり、リアル開催での学びと交流を深めました。

冒頭では、会社内部の取り組みや自分自身の歩みなどを報告する機会は初めてと話されていました。その上で、びわこ放送で流れるCMや紹介PVなどを流していただき、改めて会社概要をお話しいただきました。まもなく創業から60年を迎えられます。

中島氏は修行3年後に現会社に入社、月給も通常の新卒社員と同等からのスタート。創業者兄弟の次男の息子(現会長の甥)として入社したこともあり、「普通の社員」の立場が色濃く、入社当時から立場的にも苦労したと語ります。そんな中、新事業の立ち上げから、彦根の営業所に配属となり、とにかく売上を伸ばす努力をされました。当時は営業や現場にとプレイヤーとしての器質がよく、トッププレイヤーとして活躍されていたため、売上至上主義を掲げて勢いよく市場開拓を進めていました。そんな豪快な一面が事業所に色濃くあるものですから、あるとき女性社員に本社あてに「やり方についていけない」といった苦情の手紙を本社に送られてしまいます。そこで中島氏は気づきを得ました。「社員は何のために仕事をしているのだろうか」と。自分自身の成長のためだけに努力していたと気づき、大きな転換期を迎えることとなりました。

取り組み始めた内容の一つに3KM手帳という手帳があります。社員全員に配布し、仕事やプライベートでの目標や夢を書き込み、実現できるように「見える化」していくことでした。K=個人・家庭・会社、M=マーク(目標)、マネジメント(管理)、モチベーション(意欲)を表し、それぞれ3つの項目からなることから3KMと名付けられています。業績だけでなく、社員共育を進めていく中で、普通の社員としての扱いを受けてきた時代から、会社の柱として認めもらえ、彦根事業所から本社に移動となって社内改革を進めることになります。100名以上の大所帯となり、彦根事業所とは勝手も違うところから、どこから手を付けていこうかということで、考えられたのは「チャイム」でした。社員に時間のメリハリを付けてもらいたかったと語られました。そのうえで3KM手帳の徹底や自主性を高める組織の再構築を模索されました。

社員の自主性を進める上で、青年会議所時代に学んだ「議案書」の作成を社員に浸透させることが大変良かったと言われています。社長がよく口にされていたTTP(徹底的にパクる)というよいところを真似して事業に活かすは、社員共育の場でも生かされました。事業の目的を明確にし、社員に行動計画を組み立てさせ、作った行動計画を発表するというプロセス、そしてPDCAの実行を繰り返すことで、徐々に社員への自主性を高めていったようです。社長がこだわられているのは「言語化すること」で、基本行動十箇条はあいさつや心構え、報連相の仕組みやお客様への対応など細かく書かれたものを社内に張り出しているとのことです。

このように社員に自主性を持たせることに全力を注がれる中島社長は「自分自身でやることは簡単。でも任せた以上はグッと堪えて一回やってもらう。そしてその成功体験を社員の成長に結びつけている」とこれまで経営体験をまとめられました。

以上、ありがとうの中島グループ 中島智宏氏のご報告でした。