ラオス視察報告書
辻 昭久 ツジコー(株) 代表取締役
ラオスの視察では、ツジコー社が進めています新事業である食品原料事業に
係わるパクセーの提携農園及びJICA事業に係わるヴィエンチャンの国立第三工場を訪問して頂きました。
ツジコー社がラオスにて事業を進めている内容及び今後の方向性について説明致します。
2014年5月に初めてヴィエンチャンに住む友人を訪ねて、ラオスを訪問しました。その際に、ラオス国立薬草研究所、国立医薬品第三工場を訪問し、ラオスには、インドの予防医学のアユールベーダに係わる植物が豊富であることを知り、さらに、人口700万人の80%が農業に携わり、世界に残された最後の完全無農薬・無化学肥料での植物栽培が可能な地域であることを知りました。
2016年5月には、ラオス南部のパクセーから車で1時間程度のキリ村において、ラオス有機認証を踏まえ、健康茶事業のために、アユールベーダに係わるホーリーバジル、バタフライピー、ローゼルの栽培を2haにて始めています。
ラオスは、熱帯アジア地域で、雨期と乾期がありますが、乾期に地下水があれば、稲作3期作が可能です。農民の皆さんは、素朴で、良く働かれます。現在、村民の皆さんに、日干し乾燥後のコンタミネーション除去に関して、日本的品質管理を細かく説明しながら、植物の乾燥物生産を委託しています。
二年間パクセーで農業を進めていますが、天候不順による農産物への影響を感じています。2018年は、新しい井戸を掘り、さらに作物面積を増やし、雨期の植物乾燥を日干しから乾燥装置に変更し、乾燥植物を粉砕した状態で日本へ送れるように進めています。
また、2016年9月にラオスでのJICA中小企業海外展開支援事業「普及・実証事業」の採択を受け、2017年6月から首都ヴェイエンチャンの国立製薬第三工場に健康食品原料の生産装置(洗浄装置、裁断機、温風乾燥機、凍結真空乾燥機、粉砕機、殺菌機など)を導入し、生産技術の移管を行っています。この食品原料生産事業の中で、国立製薬第三工場と提携し、健康茶、健康食品や化粧品現原料のファインカット、殺菌粉末や抽出末の生産を委託する予定です。
食品原料事業では、食品の着色として、植物の本来の色を利用した着色に注目しています。今、世界は、日本で考えている以上に、安全志向で、添加物着色から、ナチュラル着色に、大きく変わりつつあります。ラオスの有機農業で完全無農薬、無化学肥料で育てた色のある植物を15μ程度の粒子に粉砕しながら殺菌をするという新技術を利用して、添加物でないナチュナル着色原料を生産します。ナチュラル着色は、現在5種ありますが、さらに増やせるように、新しい植物を探しています。また、粉末同士を混ぜることによって新しい色も楽しむことができます。青と赤は、花の色ですが、青は、テルナチン、赤は、ヒビシンという天然のアントシアンの色で、まだまだ研究がされていない成分です。現在、長浜バイオ大学、東京海洋大学と健康食品原料として利用できないか研究を進めているところです。
滋賀県長浜市や守山市では、びわ湖長濱ブルー、びわ湖守山ブルーとして、青いケーキ、ラスク、あんこ、お酒などを飲食してもらう長浜や守山の街おこしが検討されています。さらに、びわ湖ブルーとして、この夏の販売を目指してお土産の商品開発を進めています。