アジア視察研修会を振り返る
廣瀬元行 滋賀県中小企業家同友会 専務理事
海外ビジネス研究会を立ち上げ、アジア視察研修会を始めてから早いもので第6回目を終えることとなりました。
第1回目の研修会は、2012年9月16日(日)から中国・広東省東莞市と恵州市・ベトナムのハノイを訪問するコースでした。ちょうど尖閣諸島が国有化され、中国各地で反日デモが繰り返されている最中ことでした。「よくそんな時に訪中したものだ」と言われそうですが、訪問して感じたことは、政府の考えや行動と、現地の人々のそれとは全く違うと言うことでした。当たり前のようにホテルに泊まり、企業を訪問し、食事をして、町を散歩し(さすがに移動は車を利用して派手には出歩きませんでしたが)、買い物も出来る。一人ひとりの国民の中に反日の風は吹いていなかったと言うことです。
この経験が、アジア視察研修会の基本的な姿勢に貫かれてきました。
それは、まず現地を訪れてみること、そして一般的・商業主義的な視察ツアーでは触れることが出来ない、現地の暮らしや人々との交流、起業家との意見交換を通じて、自らの国際感覚を磨くと共に、より広く、高い視点で自社の存在する意義や理念を振り返り、国際社会に貢献する企業づくりに取り組むということです。
今回ラオスの視察を企画するに当たっては、団長である小田柿さんの周到な調査による心躍る前半の企画、そして実際に6次化事業に取組む辻さんの熱意と人脈がフルに活かされ、ラオスを丸ごと知る素晴らしい内容になったと思います。参加者全員が、自主的自己管理を貫いているのも、海外ビジネス研究会の特徴ですが、今回も途中脱落者を一人も出さずに、無事開催することが出来ました。素晴らしいことだと思います。
この間、アジア視察の経験をいかし、龍谷大学のキャリア教育の「ASEANグローバルプログラム」に協力したほか、ミャンマーの技能実習生受入れやカンボジアとモンゴルでの人的交流、またインドの子どもたちの教育支援と現地法人設立の動きなど、少なからず成果を上げてきました。
今後も、中小企業経営者として国際感覚を磨く学びの場となる海外ビジネス研究会を進めてまいりたいものです。なお、私は会計担当として毎回参加し、現地でのスケジュール管理と支払を任されていて、毎回緊張しますが、よい勉強になっています。本当にありがとうございます。第7回目の視察研修会も、宜しくお願いいたします。