滋賀県中小企業家同友会

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ラオス経済とビジネス情報~海外ビジネス研究会~

新産業委員会 委員会レポート

滋賀県中小企業家同友会新産業創造委員会2017年度第1回海外ビジネス研究会が6月27日(火)16:00~前出産業(株)様の会議室で行われ14人が参加しました。
今回は第6回アジア視察研修会の事前勉強会として、ツジコー(株)代表取締役の辻昭久さんをお迎えし、ラオス事情とビジネス情報をお伺いしました。

辻さんの報告要旨

コンピュータ会社に勤めていた頃に、友人が「人助けをしたい」とJAICAの事業でラオスへ。その友人と飲んでラオスの話を聞いたこと、ラオスに興味を持ったきっかけです。

ラオスはアジアの最貧国。一家の稼ぎは月5,000円ほどで、お金がなくても生活できる国とも言えます。農村には学校がありません。移動手段は「歩く」ことなので、多くの子どもは学校に通っていません。お金のある人はバイク。車は日本価格の3倍するので大金持ちしか乗っていません。
農村で家に招かれると、ダニや虫にかまれるので注意が必要。年中気温は30度で、風呂に入らず雨がシャワーの代り。
ビエンチャンは大都市です。5年間ラオスに行ってますが、最近タイ式のガソリンスタンドとコンビニが出来ています。
人口は750万人、土地は広いが人が少ない。農村には近代医療施設がなくて、病気で子どもが亡くなっています。もちろん救急車もありません。病気になったらドクターヘリを呼んでタイのバンコクへの病院へ行きます。視察の時には緊急ヘリを呼べる保険に入ってください。ヘリでの移送費は200~300万円かかりますから。
少数民族が多いのですが、温和で対立していません。人口の75%は農業従事者。
ビエンチャンでは農民を見かけませんが、実は街の路地裏のバラック小屋に住んでいます。雨が降ったら大変です。
ラオスの表を見るか、ディープなところを見るかで、ずいぶんと行き先が変わります。
中国資本が入ってきて超一流の百貨店が出来ていますが、全然お客さんが入っていません。ビエンチャンの高級店は中国人華僑が経営しています。ラオス人相手に商売はしていません。
経済成長は7,5%。ベンチャースピリットがあれば金持ちになれますが、多くの場合は親の資金力次第。少数民族でも自力で勉強をして這い上がる人もいます。ラオスドリームが一部にはあります。
お金持ちはフランス留学します。
5年間毎月ラオスに行っていますが、結構自由な国で、可能性を感じています。国立大学は一つで、各地からエリートの子どもがやって来ます。
1泊1500円の宿に泊まると、南京虫に悩まされます。
ローカルな食事をすると、下痢をします。胃腸薬は必携です。
わたしはJAICAの事業で3年間ワイロを払わないで国営企業とつながって健康食品と化粧品の原料を作っています。原料のハーブはパクセーのキリ村で委託生産しています。これからハーブを輸出する現地法人を作ります。
夜行バスは事故が多いので乗ってはいけません。山賊が出るとも聞きます。11月・12月・1月・2月の飛行機は倍ほど高くなります。飛行機はラオス航空だけです。日本の缶コーヒー原料は殆どラオス産です。国民の50%は字が書けません。タオのバーツで支払い、お釣りはラオスのキープで帰ってきます。キープは現地で使い切らないと、日本に持って帰ってきても価値はありません。
などなど、これまでカンボジアやミャンマー、インドを訪れた私たちにとっても、おそらくかなりハードな視察研修を予感させるご報告でした。

このあと、視察研修会については、次のように決められました。

1)開催日:2018年1月27日(土)~2月4日(日)(8泊9日)
2)参加費:実費20万円+団費1~2万円程
3)企画委員長:小田柿さん(大洋産業社長)
4)募集人員15人(現在10名参加希望)
5)訪問予定地:<タイ>チェンセン、<ラオス>ルアンパバーン・パクセー
※今後、スケジューリングを急ぎ、飛行機と現地移動手段の手配を進めることになりました。