滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-北近江支部-

同友会理念の実践を通じて よりよい企業づくりを~第16回北近江支部総会で青栁孝幸氏((株)PRO-SEED代表取締役)再選~

北近江支部 例会レポート

滋賀県中小企業家同友会北近江支部第16回定時総会・記念例会が2019年 5月16日(木)17:00~20:30まで北ビワコホテルグラツィエで開催され、42人(会員35人、社員5人、大学1人、事務局)が参加しました。

第Ⅰ部の総会議事は、家倉敬和さん((株)お米の家倉社長)を司会にスタート。青栁孝幸支部長((株)PRO-SEED社長)から「北近江支部は念願の100名会勢を超えて総会を迎えることができました。引き続き地域の期待に応えられる学び合いの場となるよう、皆様とともに魅力作りと仲間づくりを進めてまいりたいと思います」と開会挨拶が行われ、議事をスタート。
議長に川邉 和明さん( (株)アド・プランニング社長)を選任し、第1号議案 2018年度活動報告は松尾 直樹 副支部長(松尾バルブ工業(株)専務)、第2号議案 2018年度収支報告・監査報告は荒木 順平副支部長( (株)エース産業機器社長)が行い、全員の拍手で承認されました。

第3号議案 2019年度役員選出では、支部総会始まって依頼の当日立候補者1名を含めて、以下の通り全員が拍手で選ばれました。
№  部役職     再新  氏名     会社名   役職     本会担当委員会他、所属ブロック
1 支部長  再任 青柳孝幸  (株)PRO-SEED 代表取締役   理事、彦根
2 副支部長 再任 松尾 直樹  松尾バルブ工業(株) 専務取締役 障全交、彦根
3 副支部長 再任 荒木 順平  (株)エース産業機器 代表取締役 例会委員会、長浜・米原
4 運営委員 再任 小田柿喜暢  大洋産業(株) 代表取締役 共育・求人、理事、 彦根
5 運営委員 再任 西川 恵美  (株)ワークプラン 代表取締役 彦根
6 運営委員 再任 古澤 ちひろ  彦根ゲストハウス淡夢 代表 彦根
7 運営委員 再任 川邉 和明  (株)アド・プランニング 代表取締役 経営労働、障全交、理事・彦根
8 運営委員 再任 水野 透 (株)渡辺工業 代表取締役 代表理事、長浜・米原
9 運営委員 再任 遠藤 健 ((株)JIC 代表取締役 長浜・米原
10  運営委員 再任 古田 守  (有)長浜ユニフォーム 専務取締役 障全交、長浜・米原
11  運営委員     再任 松井 慎志  (株)真ごころ 代表取締役 経営労働、長浜米原
12  運営委員     再任 家倉 敬和  (株)お米の家倉 代表取締役 経営労働、長浜米原
13  運営委員     新任 荒木 宏治  荒木電子工業(株) 部長  長浜・米原
14  運営委員     新任 柴田 誠一  (株)プリムスクリエイティブ 代表取締役 長浜・米原
15  運営委員     新任 田邉 昇平  三五化建(有) 専務取締役 長浜・米原
16  運営委員     新任 姉崎 弘二  (株)クローバー 専務取締役 長浜・米原
17  運営委員     新任 一圓 直基  (株)日昇テクニカ 代表取締役 組織活性化委員会、彦根
18  運営委員    新任 磯嶋 裕之  (株)ファイバー 代表取締役 彦根
19  運営委員    新任 高橋 陽一  彦根共同法律事務所 弁護士 彦根
20 運営委員 新任 上野 哲也 一哲(同) 代表社員 長浜・米原
会計監査 再任 中川 輝 アーステック(株) 代表取締役

第4号議案 2019年度活動方針は青栁孝幸支部長より「同友会理念の実践を通じてよい企業を創ることを目指しましょう。例会への参加で企業づくりを学び、経営指針を創る会では経営姿勢の確立を進め、社員とともに歩む企業にしましょう。2020年には北近江支部を彦根支部と長浜米原地域の支部へと二つに発展させ、地域の期待に応えうる組織づくりを目指します。そのためにも、同友会の存在を知らせ、学び合い活動をお伝えし、お誘いする活動を展開します」と提案され、第5号議案 2019年度予算と共に拍手で決定されました。

第Ⅱ部の記念例会は古澤ちひろさん( 彦根ゲストハウス淡夢 代表)が司会を務め、「“10年ビジョン”で見えた、今やるべきこと」をテーマに、青栁孝幸支部長((株) PRO-SEED 社長)より概要以下の通り経営実践を報告していただきました。

金持ちになることを夢見て独立するも・・・

26歳で大学を卒業し就職。会社勤めに未来が見えなくて、2001年に30歳で独立。現在社員は10人で、2019年1月から新社屋を建設。経営理念は同友会の経営指針を創る会へ1年間参加して成文化しました。
創業時は「金持ちになりたい」「格好いい車に乗りたい」程度のことが目的。たまたま借家の大家さんの紹介で大手企業との取引が味まり、右肩上がりで売上げを伸ばしました。600万円から5年で1億を超え、当時のホリエモンの影響も受け、会社を大きくするために売上げを上げることだけ考えていました。2006年から法人化し、社名を現在の(株)PRO-SEEDに。2007年にはイケイケで旧社屋と自宅を購入したところ、2008年にリーマンショック。2年間で3,000万円の赤字。内部留保のない会社だったので、日々の資金繰りばかりで頭を悩ませていました。給料払うのがやっとこさの時に、エアコンが故障し、70万円の修理代が出せず、近くのスーパーで氷を貰って、首に巻いて過ごしたことを覚えています。
この頃は、儲けではなくて借金を返すことが事業の目的。何とか返済に目処が付いた時、社員4人が辞めてお客さんを連れて別会社へ移ってゆきました。経営者として社員への説明責任を果たさず、ただ「頑張れ頑張れ」とだけ言っていたことが原因だと、今では深く反省しています。

わらをもつかむ思いで同友会へ入会。売上げ3,5倍、経常6倍に!

金も客も社員も信用も無い無い尽くしの状態。銀行の紹介で営業に行った先の社長さんに経営相談をしていたら同友会を紹介され、2011年10月にわらをもつかむ思いで入会しました。同友会で勉強して実践し、当時8,500万円だった売上げは、6年間で3億超えるまでに伸ばすことができました。経常利益も6倍になりました。同友会に入って勉強して、ちゃんと実践したら会社は伸びます。
では、私は何をやったのか。

ぶれない経営理念の策定

まず、経営理念の策定です。同友会に入ったら、これは絶対にやらないといけません。経営指針を創る会に必ず参加して下さい。でも大切なことは、経営指針を創る会を半年で卒業して経営理念ができても、そこからがスタートだと言うこと。ちょうど卵が割れてヒヨコになった状態です。どうやって立派な鶏へ成長するのかを考えないといけません。
その答えは、考え続けることです、何となく経営理念ができた状態ではなく、本当にこれで良いのかを、自問自答し続けることです。私は車で出張することが多いので、移動時間に社員や取引先の立場で自分自身に問い掛けし、答えを出し続けています。そうすることで、誰から何時どんなことを問われても、ぶれない答えを出せるようになってきました。

同友会に参加して学び続ける

もう一つは、同友会に参加し続けることです。
支部例会、本会の行事、全国行事など、同友会には学ぶチャンスがたくさんあります。支部の運営委員になると、学び合う仲間が一気に増えますので、是非お勧めします。
経営指針を創る会を卒業したら、OBとして参加するとすごく勉強になります。

ビジネスモデルの構築

経営理念が策定できたら、ビジネスモデルの構築です。わが社はシーメンスに絞って事業を展開しています。シーメンスのことならPRO-SEEDだと選ばれるように専門のサイトを立ち上げ、全国や世界中から仕事が来るようになりました。

ビジョンを描き新社屋の建設

売上げ1億8千万円の時に、本社の新築を決めました。1億5千万円の投資です。普通ならこんなリスクは犯さないでしょう。でも、今居る20~30代の社員にこれから30年40年と働いて貰うために、また新たな人材を採用し続けられる会社にするためには、どうしても必要だと考えました。

わが社の課題解決は日本の未来を確かにする

中小企業にとって人材不足は深刻です。さらに、ITエンジニア不足はさらに深刻です。日本の強みは物づくりや開発力なのに、大学で理系をめざす学生さんが減っています。労働人口の減少とIT人材の不足を解決することは、わが社だけの課題だけでなく日本の未来に関わることです。
でも、中学や高校生の進路希望は、IT・ものづくりエンジニアが上位ランキングにあります。どうすれば良いかと考えている時に、ロボット教室に出会いました。この事業を通じて、地域の子供たちにエンジニアリングの魅力を伝えていこうと。そのために、わが社がそういう空間を提供しようと考え、新社屋の1階をロボット教室にしました。いま生徒は40人ですが、今年中に100人を目指しています。

人は夢しか叶わない

同友会の仲間から「夢はなかなか叶わないと言うけれど、結局人は夢しか叶わない。本当に思ったとおりにしかならないよね」と言われてハッとしました。
いま私は、将来わが社のロボット教室で学んだ子供たちが、社会に出て、いずれエンジニアとしてPRO-SEEDに戻ってきて、世界を股にかけて働いてくれていることを夢見ています。

懇親会は松井 慎志さん( (株)真ごころ社長)が司会を務め、松尾副支部長の乾杯挨拶で始まり、経営談義に花を咲かせました。


荒木副支部長は閉会挨拶で「滋賀同友会創立40周年に北近江支部は100名を超えました。学び合うも仲間づくりも活性化する北近江支部をさらに発展させたい。皆さんの思いを一つに、この1年間取り組んでまいりましょう」と語り、一丁締めで終了しました。(M・H)


滋賀県中小企業家同友会は、人を生かす経営を学び合い、切磋琢磨して実践する仲間を募集しています。
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