滋賀県中小企業家同友会北近江支部の研究会「リクルートセミナー」が2019年5月20日(月)18時~19時45分まで田中和義氏(S&C.Labo 代表)を講師に迎えて彦根勤労福祉会館で行われ、17人が参加しました。
田中氏は、全国の50人~300人規模で人材採用に苦戦している中小・中堅企業の採用コンサルタントを行い、ほとんどの企業で具体的に成果を上げています。今回のセミナーは、田中氏がコンサルに入っている渡辺工業の水野社長のご提案で、自社での取り組みを事例として何かヒントがあればと開催されました。
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今はバブル期を超える高い有効求人倍率。ハローワーク一辺倒のやり方では、まず採用はできません。新卒採用に至っては、大手採用会社が通年採用を念頭に置いた2021年向けの企画を販売する程の過熱ぶりです。
世界的な経済環境の変化で採用活動に流れに上下はあるものの、少子化が進むことは否めません。自社の未来を確かなものにするためには、若手人材の採用が必要。でも、多くの中小・中堅企業が採用できていない。どうすれば良いのか?
ホームページを活用した若手人材の採用に向けた具体的な方法論として、以下のことを学びました。
なお、ハローワークで企業を紹介された求職者のほとんどが、会社のホームページを確認してから応募をしていますので、ホームページを整備することでハローワーク求人も成果が出るようになるそうです。
1.そもそもホームページを持っていない会社は厳しい。サイト内には、採用(リクルート)ページがあることは必修。
2.求職者はスマホで閲覧する。スマホ対応されていないとダメ。
3.採用ページには自社が採用したい人材像に近い社員の画像やインタビュー記事を必ず掲載。社長や部長の上から目線メッセージはダメ。女性社員に必ず登場して貰うこと。
4.自社にマッチする人材像で、その人は転職に何を希望しているのかをイメージし、それに合致する自社の魅力を打ち出す。キーワードは「共感」。25歳がほしければ、自社の25歳くらいの社員が「未経験でも先輩が丁寧に教えてくれて、頑張っています」ときちんと掲載する。
5.求職者が知りたい情報は、休日や賃金もあるが、例えば派遣社員や期間工の人は「不安定から脱したい」という思いが強い。また、「稼ぎたい」「資格取りたい」もある。ならば「安定して働き続けられる職場です」「残業・休日出勤はあるけれど、高賃金です」「○歳で持ち家してます」とか、尖ったメッセージが必要。事例としては「あなたの将来を支える、技術と高収入を手に入れませんか?」が刺さります。
6.転職の70%は人間関係が理由です。特に上司との関係。会社での良い人間関係を雰囲気をリアルに伝えるには「リクルート用動画」が最適。
7.求職者に自社を選んで貰う面接を行う。これは訓練が必要。応募者にしゃべって貰う、質問の上手い面接をする。そういうスキルを学ぶ。
です。簡潔に言うと、
①自社の魅力を伝える、いい採用ページを作る(マーケティングと同じ)
②スマホで上位表示される仕組み(お金は掛かりますが、採用専門サイトの活用)
③動画を入れる(仕事内容、社員さんの姿、社風を伝える)
こういうことをきちんとやっている会社は、自社にマッチした採用しています。逆に言うと、自社にマッチしない人を無理に採用しなくてよくなると言うことです。
と分かり易くお話しいただきました。
これまで、多くの中小企業はお客様や地域社会に役立つ仕事を通じて、継続して発展してきました。
これからは、上記に加えて、若手人材に選ばれる企業でなければ継続することが困難になってきました。
そのためには、魅力ある企業づくりを行い、わが社の魅力に共感する人材へその中身を伝えていくことが欠かせないと思います。
この「伝える」力を高めるために、専門家の知識と技術をいかすことも必要なのだと思いました。
有り難うございました。
さいごに
「人は自分の話を聴いてくれて 共感を示す相手を好きになる
人は自分の話を聴いてくれる相手には、もっと話したくなる」
講師の田中氏よりコミュニケーションの本質として教えていただきました。