滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-北近江支部-

北近江支部12月例会~人を大切にし、大切にされる会社づくりに学ぶ~

北近江支部 例会レポート

 2017年12月19日(月)午後6時30分~9時まで、北ビワコホテルグラツィエにて滋賀県中小企業家同友会北近江支部12月例会が開催され、㈱シンコーメタリコン 代表取締役 立石豊社長より「人を大切にし、大切にされる会社づくり~社員が120パーセント力を発揮する最強の経営~」をテーマに実践をご報告いただきました。

立石社長は1961年に湖南市でお生まれになられ、1994年に2代目である父親より世代交代され3代目として社長就任し、現在では76名の社員さんを抱えておられます。

2014年には滋賀同友会の「滋賀でいちばん大切にしたい会社」に選ばれました。シンコーメタリコンさんの社員満足度は、なんと驚異の86%!何故そこまで社員に必要とされる会社になったのか?その具体的な中身を中心に、社風と理念をお話しいただきました。


脅威の社員満足度、その1番の要因は、立石社長の社員に対する執拗なまでの「おせっかい」だそうです。具体的には社員の誕生日にその御家族へ手紙を送付、結婚記念日には相手方に手紙とホテルのお食事券をプレゼント、育児休暇中の子育て面談、成人式に着物に似合う花束をプレゼント、社内結婚(これまで独身女子の50パーセントが社内結婚されるそうです)の際には社長自らが神父役を行い盛大なウエディングパーティー、サッカーや野球などの部活動、盛大な送別会、年に1度のOB会などを開催されています。その中でも1番の大イベントが年に1度の社員旅行だそうです。毎年海外旅行に行かれ、その費用やお小遣いはすべて会社持ちで、社員1人当たりの費用は約40万円だそうです。しかも社員旅行に参加しなかった社員は「クビ」だそうです(今まで一人もクビはないそうですが)。

社員に対する各種手当も他にはないようなユニークで、充実した支給制度を実施されています。その内容は、身だしなみは重要ということで5万円のスーツ手当、10万円の誕生日手当、10万円の資格手当、そして会社の利益は山分けという事で黒字部分を社員に分配する決算賞与など。なんとその支給方法はすべて現金払いだそうです。そして、休暇面でも年に1回ドリーム7という名の7日間の連続休暇を支給されています。

シンコーメタリコンさんが営まれている溶射という業種は多品種小ロットであり、そのほとんどが手作業の研磨であり、職人の技が必要とされます。今現在でも業績は右肩上がりだそうです。それを支えているのはもちろん社員さんの力でしょうが、その力を引き出しているのも立石社長の「社員は家族だ。」という熱い思いと行動があってこそなんだなと実感しました。

そしてシンコーメタリコンさんが次に目指すものは「日本でいちばん大切にしたい会社」だそうです。

立石社長の究極の「おっせかい」があれば、それは不可能なことではないだろうなと感じさせるご報告でした。

(金山記)