滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-北近江支部-

東近江支部 7月例会開催しました 「私が見た本当のシリアとは」

北近江支部 例会レポート

今回は元青年海外協力隊として紛争前のシリアで2008年から2010年まで活動をしていた中野貴行さんにお越しいただき、中野さんが見たシリアという国とシリア人についてお話ししていただきました。テーマは、『私が見た本当のシリアとは ~情報に惑わされず、事実を見抜く力をつける~』、G-NET滋賀で28名が参加しました。
中野さんはみなさん、中東シリアと言う国の持つイメージは?とご質問されました。私たちはとても危険な国というイメージがあります。しかし2011年に始まった紛争前のシリアは昔ながらの美しい町並み、豊かな農作物、心穏やかな人々の国でした。財布をおとしてもそのまま戻ってくる、宿に時計を忘れてもついでだからと次の地に移動しているにも関わらず届けてくれる。
バスに乗ってもいつのまにか見知らぬ人がバス代を払ってくれる。喉が渇いたと思えば見知らぬ家をノックして、水をくださいといえば飲み物どころか食事や宿泊までさせてくれる。

 それらはすべて遠い国から来た人を歓迎しねぎらう気持ちが信仰により出てくるのだそう。
日本のお遍路さんで旅人をねぎらうことと似ているなと感じました。
シリアの低所得者は月額2万円程度。しかし住まいは3LDKの庭付きルーフバルコニー一戸建て。
大学まで教育は無料のため就学率は97%。医療も出産も無料。たくさんの農作物を国外に輸出もしていたそう。宗教も宗派も対立がなく対等に共存していた安心できる自治は日本治安の20倍と言われていた国。

その国が2011年から始まった紛争により、美しい町並みを壊し続け国民の半数以上が国内外へ避難している。家族もバラバラ。難民申請させられた国によって、その先の将来の安心が変わる。もう大好きだったシリアでは暮らせない
そして心穏やかだったシリア人の今を知りたくて、ヨルダン・トルコ・イラク方々に離れてしまった人たちを訪ねる旅を始めます。そこでの難民が置かれている現状を目の当たりにします。難民は仕事ができない国、認められても低賃金や働く場が限定されている。
そんな中であってもシリアの人たちは変わらずご飯をごちそうしてくれたり手厚くもてなしてくれた。誰のためのなんのための戦争かわからないまま、巻き込まれていくのは市民。自分にできることは?と考えます。ある一人の少女の夢を叶えたい。彼女は『シリアに誰もが夢が叶えるような学校をつくりたい』その彼女の夢を叶えることが夢になったとおっしゃいます。決して他人事の遠い国の話しじゃない。私たちは微力だが決して無力ではない。ひとかけらの力をひとつなぎに。

とお話を終えられました。青年部でも引く続きお話ししていただけるかもしれません。