【2022年11月北近江支部 長浜米原ブロック例会 2022年11月22日(火)18:30-21:00 長浜商工会議所】
「何のために経営していますか?〜最も信頼するパートナー(社員)達と目指す10年ビジョン〜」
上記のテーマで、株式会社真ごころ代表取締役松井慎志さんにご報告頂きました。
松井さんは、福祉業界でキャリアを積まれ、2012年(34歳)に株式会社真ごころを設立され、今年で10周年を迎えられました。
プライベートでは、スポーツ少年団バレー部の監督を務められ、チームを県大会へ導かれるなど、指導者としても力を発揮されています。また、キャンプやバイクを趣味にされ、アクティブに充実の日々を送られています。
会社設立時のビジョンとして、「必要とされる喜びを感じる場所を作る。」(友達の家に遊びに行くような気軽な気持ちで行ける施設を目指し、利用者さんが、やりたいことが叶えられる環境を整える。)そんな場所を創りたいと、邁進されてきました。
しかし2015年、介護保険制度が改正され、利用者さんは多いのに減収するという最大の危機に直面されます。一人で全てを背負い、心身ともに疲労困憊となり、果たして何のために経営しているのかわからなくなるほどの窮地に陥られました。
そんな状況を乗り越えようとされていた折、同友会の存在を知り、入会されます。
経営指針を創る会(以下:創る会)を受講し、改めて“何のために経営しているのか。”この問いと向き合われます。
創る会受講後は、指針発表、指針経営を愚直に実践されます。“真ごころの目指すべき方向性がハッキリした”など、社員さん、利用者さんからも高評価を得られ、2018年には過去最高益を達成されます。
そんな矢先、2019年お母様が病に倒れられます。真心ある関わりを提供してくれた医療従事者さんや周囲の方々の姿勢を間近に見られ、母が命をかけて介護の真髄を教えてくれたと話されたのは心に響きました。また、お母様の介護を第一に優先された3ヶ月間、デイサービスの運営は社員の皆さんが力を合わせて会社を守られました。この3ヶ月間は、社員さんと心から信頼関係を構築される出来事になったようです。
信頼という絆で結ばれた株式会社真ごころは、2020年の新型コロナ襲来でも足元が揺らぐことはありませんでした。2021年には“新たな10年ビジョンの創造”を合言葉に、過去最高の新規利用者数を達成。2022年真ごころケアプランセンター開設、真ごころ地域を創ると宣言されました。
新たな取り組みを始めるためには、今の仕事を任せ、引き継いでいかなければならないタイミングがやってきます。松井さんも、現場から経営へ急な舵取りをされた際、“社長は現場のわたしたちを見てくれなくなった”というような社内の不協和音が出たようです。しかしここでも同友会の先輩から“社員さんと面談していますか?本音を聴く機会つくっていますか?”とアドバイスを受けられ、即座に月1回の社員面談を始められたようです。そこで、社員さんが抱えていた大きな不満や不安に直面し、また会社をより良くするための試練とヒントを得られます。
今では、同友会運動と会社経営を不利一体とされ、困難が直面しても正面から立ち向かい、10年ビジョン実現へ向けて着実に歩みを進められています。
《自立した組織へ》
任せる→成長を待つ→見守る→話を聴く→褒める→自信になる
この人材育成のテンプレートを持って、強固な組織運営を行い、10年ビジョンの実現に余念がありません。
また、ビジョンの一つである日本初のケアマネ養成所創設も間近に迫られています。介護の仕事が、若者にとってのなりたい職業へ。自社の利益だけではなく、業界、また地域の将来のために必要なことを取り組む視点が10年ビジョンには掲げられています。
この壮大なビジョンは、信頼できる社員(パートナー)がいてこそ描けます。
“何のために経営していますか?”
“社員は信頼できるパートナーになっていますか?”
ケアマネ養成所を作り、介護を受けられない人をなくす
必要とされる喜びを感じられる場所“真ごころ地域”を創る
一人ではできないことも、社員一丸となれば叶えることができる大きな夢のために。
「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け。」
参加者29名の心に情熱の汗が伝わる報告を頂きました。
ありがとうございました。(記 家倉)