「あなたの仕事は、いつまで続きますか!?リーマン・震災・コロナ禍後を生き抜くために」
仁張 正之氏 ㈱仁張工作所 取締役会長(大阪同友会 代表理事)
と き:2月24日(木)18:00~20:30 ところ:JAこうか貴生川支所&Zoom
参加者:41名
(株)仁張工作所は、精密板金加工を軸に大手オフィス家具の製造販売・OEM供給、オリジナルスチール製品の製造販売をしています。数値がすべてではありませんが、24年で社員数が1.8倍、売り上げ2.2倍、経常利益2.7倍までになりました。
私は大学卒業後ある会社を経て入社し、経営者となる以上、経営を学ぶ場が必要だと、専務取締役の時の1993年に大阪同友会へ入会しました。その後、「経営指針成文化セミナー」を受講し、経営指針書として経営理念、経営方針、経営計画を成文化し、共同求人活動にも参加しました。とにかく、目標を立てて実践すること、経営者の覚悟として経営理念を文書にし、自身の退路を断つことしか会社を変えることはできないと思い、社内で発表しました。翌年にはたった4行の会社方針(重点取り組み課題)も発表し、ぶれない経営をスタートさせました。社長就任の2年目には、一人ひとりの自己目標を書いてもらうなど、実践の内容がより深まっていきました。
その中で、同友会が提唱していた「21世紀型企業づくり」を取り入れ、中期経営計画づくりを始めました。自社を取り巻く経営環境は、創業時の高度経済成長、1991年から2008年は低成長、デフレ時代。以降は人口減少・世界不況、大災害で、振り返って分かることは、今の仕事はやがてなくなることでした。中期経営計画は、外部環境の分析を重視して作成しました。
2009年はリーマンショックの影響が出始めたころで、わが社はなに屋かを議論し、従来の顧客、業界にとらわれず、「板金加工の専門家集団(事業ドメインの再設定)」として、仕事の間口を大きく広げました。そのおかげで、翌年から売り上げを回復させることができました。第5次中期経営計画では、社内外の資源を活用して、地域(東大阪)に必要とされる企業をめざし、地域のハブ企業として、さらに領域を広げることができました。
2019年の第8次中期経営計画では、これからは次の時代と公言していたので、11歳離れた弟に事業継承をするために、2021年に社長交代を明記しました。すぐにコロナ禍が始まり、ちょうどいいタイミングでした。
社長最終年は、コロナの影響もあって赤字となりましたが、経営指針書に基づき、顧客を広げ、会社の経営基盤を強化する事が出来ました。
経営指針に基づく経営は、たとえA4一枚の理念や初心であったとしても、大きな違いが出てきます。振り返って新たな手が打てる。成功も失敗も原因を追究することができます。そして、同友会には業界を越えて相談できる仲間もいます。現在でも同友会会員でベンチマークしている会社が2社あります。目標を持ってその会社のいいところをめざす。専門家の方も多く、本当に相談できる相手も増え、大変心強いです。皆さまも是非取り組んでいただければ幸いです。