2015年全国共同求人交流会in沖縄が「若者が育つ魅力有る企業と地域づくり~“人を生かす経営”の源流をたどる~戦後70年、奥縄で学ぶ“命どぅ宝(人間尊重)”を経営に!~をメインテーマに11月26日(木)13時から27日(金)12:30分までホテル日航那覇グランドキャッスルを会場に開催され29同友会から332名が参加しました。滋賀同友会からは、宮川バネ工業(株) 代表取締役 宮川草平さん、宮川バネ工業(株) 専務取締役 宮川絵理子さん、(株)シンコーメタリコン 代表取締役 立石 豊さん、滋賀同友会専務理事 廣瀬元行の4名が参加しました。
翁長雄志知事代理の宮城行夫県商工労働部産業雇用統括監、城間幹子那覇市長の挨拶に続き、「戦後70年、沖縄からの報告」と題した特別報告では、介護老人保健施設池田苑 常務理事の宮城初枝さんより「10万人を超える県民の命を奪った沖縄の地上戦。その後も日本の06%しかない沖縄に日本全体の74%の米軍基地があり、さらに辺野古へ基地を着くとする不条理です。いまや米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因と言われています。沖縄は振興策があるから潤っていると本土の人は言います。そういうなら基地を本土に持って帰って下さいと言いたい。沖縄はサンフランシスコ講和条約で日本から切り離され、日本は沖縄の犠牲の上に経済発展したのです。二度と戦争はしたくありません。沖縄を捨て石にしてほしくない。そう願うのは、生き残った者の務めなのです。平和は努力しないとつくれません。オスプレイは毎日飛んでいるのです。私もキャンプシュワブの前で座り込みました。若者や本土の人も座り込んでいて、嬉しくて涙が出ました。人間が人間らしく生きる、正義が正義として通用する社会、共存共栄し幸せの見える社会を創るために努力し続けます」と熱く、心に響く平和への誓いが報告されました。
続いて「若者の中の世界、世界の中の若者~無限の可能性を導くために~」をテーマに、大東文化大学学長の太田政男氏より基調講演が行われました。
太田氏は1990年代から若者の社会的引きこもりが始まり、いまでは300万人と予測されていること。そこには自尊感情の低さ、社会への信頼の低さがベースにあり、自主(自分で変わろうと思うこと)、参加(当事者意識、出番を持つ)、共同(責任)を育む場としての大学や企業づくりが重要であることを強調しました。
私が参加した第1分科会は「採用と共育で、信頼し合える社員を!~採用から共育へ、同友会の目指す人を生かす経営の実践報告~」をテーマに運営委員会株式会社シーキューブソフト 代表取締役の佐々木喜興さんから問題提起が行われました。
佐々木さんは「社員と共に豊かな人生を送る」ために経営をしているとキッパリ。社員が定着しないのは「社員に未来が見えていないから」で、将来ビジョンを共有する努力と、会社に不満があったら、社員が努力をすれば変えることが出来る、労使の信頼と、社員参加の経営に努めているという報告でした。この間、バブルの崩壊、ITバブルの崩壊、リーマンショックなどこれまでの危機は自分の才覚で乗り越えてきたのですが、これからは権限を委譲し、社員に考えてもらうために、常に「君ならどうする」と問い掛けているそうです。採用は東京同友会の共同求人しかやっていないそうです。大手の採用事業に数百万円かけて採用するのは「人をお金で買っているようなものだ」とピシャリ。共同求人活動は、大学との信頼関係を同友会と参加企業の共同の力で構築する運動であり、そのことが会社や地域にとって大きな財産となって蓄積されますと、共同求人活動の意義を明確に報告して頂き、滋賀同友会が今後進めていこうとする共同求人活動も、大学と「より良い地域社会づくり」を共通の理念として、魅力有る企業づくりと学生や教員さんにはキャリア講座やインターンシップを通じて、相互の信頼関係を構築する中で、地域で主体的に生きようとする人材を育み迎える運動にしたいと強く思うことができました。
このあとは懇親会!。学校関係者も多数来賓で参加されました。
2日目には「若者が育つ魅力ある企業と地域づくり~源流より広がった各地の活動に学ぶ~」をテーマに、北海道同友会共同求人委員長の池川和人さん、広島同友会4支部求人社員共育委員長の河口康之さん、沖縄同友会共同求人委員長の川端順義さんによるパネルディスカッションが行われました。
池川さんは1973年から北海道同友会は全国に先駆けて共同求人に取り組み、良い企業づくりに大きな成果を残したこと。その実績から国や道の信頼を得て、2011年度から地域雇用(シルバーや女性)を推進する受託事業を展開。しかし、受託事業化したことで企業づくりでなく採用することにフォーカスした事業になってしまったと総括。2015年度から補助金が無くなる下で、本来の同友会の共同求人活動へ再構築めざしていること。景気に左右されない採用活動に取り組むからこそ大学や地域から信頼される。原点を大切にしたい。共同求人の「事業化には大反対」だと報告。
川口さんは、広島では人材確保を切り口にして、先ずは共同求人に参加してもらっているそうです。大事なのはそのあと。わが社が社員の家族も含めて幸せにできる会社になっているか。人を採っても採らなくても共同求人に参加し、若者の幸せな未来に責任を持ち続けられる企業づくりをめざしていると強調。
川端さんは、沖縄同友会は共同求人から誕生したとキッパリ。良い会社、良い経営者へと変わろうとする会員企業の想いを実現する場としての共同求人。毎年一人でよいから雇用する。30年で30人増える。それだけの仕事づくりをする。そういう長いスパーンで計画的に企業づくりに取り組んいると報告。
このあと「自社を変革し若者が育つ気力ある企業をどのようにめざしますか?」をテーマにグループ討論が行われ、人が育つ企業づくり実践を交流することができました。
共同求人活動は、新卒の採用だけをする事業ではなく、採用と共育をするために必要な企業づくりに気づき取り組む場であり、中小企業の魅力や果たしている役割を大学のしっかり共有し、相互信頼を基礎にしてより良い地域づくりのために、必要な人材を地域の企業が受入ともの育つ運動でること。
上記の観点で、滋賀同友会も人を生かす経営を総合的に推進するため、経営労働委員会、ユニバーサル委員会、共育(共同求人)委員会が連携を密にして取り組んで参りたいと考えております。(M・H)