滋賀県中小企業家同友会

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共に明日を切り拓こう~2022新入社員合同入社式に18社38名が集う~

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滋賀県中小企業家同友会2022新入社員合同入社式が2022年 4月 1日(金)13:30~15:30までクサツエストピアホテル を会場に開催され、18社より38名の新入社員が集いました。当日は付添の参加者も25人参加し、計53名の参加で盛会に開催されました。

開会にあたり、永井茂一 滋賀県中小企業家同友会 代表理事より次の通り祝辞を兼ねて開会の挨拶が行われました。

新入社員の皆さん、私たち中小企業家同友会の会員企業にご入社されましたこと、誠にありがとうございます。
近年のコロナ禍で学びや就職活動に多くの制限がある中、社会人としての第一歩をスタートされたことは、大変意義のあることだと思います。世界に目を向けますと、戦争によって安心して暮らせない、命を奪われている人がいらっしゃることに心を痛めます。平和な社会で生きていけることの幸せ、平和な社会を維持し継続させることの大切さを実感いたします。
皆さんは人生の大きな節目の一つである、社会人としての第一歩を迎えるわけですが、このような時だからこそ考えてもらいたいことがあります。
それは、「何のために働くのか」ということです。
これから人生の中の大半を、この「働く」ことに費やすわけですが、その人生をより有意義にするためにも「何のために、誰のために、働くのか」を考えていただきたいと思います。人生のいちばん有意義な時間を働くわけですから、働くことが充実していなければ、皆さんの人生も素晴らしいものになるはずはありません。まさに、人生の充実とは働くことの中にある所以です。
私たちが気候変動や戦争など、世界で起こる問題の解決に直接お役に立つことは難しいかもしれません。でも、この地域に生きる者として、仲間と力を合わせて、多くの人々がより幸せに、安心して生きていくための商品やサービスを生み出すことはできます。
皆さんがこの会社を支え、更に発展させてくれる。皆さんが地域の主人公である中小企業の一員として、社会に貢献してくれることを願っています。

続いて、株式会社PRO-SEED(プロシード)の西村 諒さんより、先輩社員からの激励の言葉が贈られました。

新入社員の皆さん、この度はご入社おめでとうございます。
株式会社PRO-SEED技術部に所属しております、西村と申します。
私がPRO-SEEDに入社して3年が経ちます。私の入社はちょうど前年末に発生した新型コロナウイルスが日本に流入し始めた頃にあたります。入社式を含む様々な行事・式典が次々に中止されて行き、参加することができませんでした。私のこれまでの社会人生活はまさに「ウィズコロナ」といった風であったのですが、3年目にしてようやくコロナ渦も少しずつ落ち着きを見せ始めました。今日、「先輩社員」としてではありますが、こうして皆さんのご入社を対面してお祝いできることをとてもうれしく思います。

さて、皆さんに当てはまる新入社員から歩み始める3段階のステージとして、
① 皆さんのような新社会人、②私のように入社数年を迎え仕事を覚え始めたルーキー、③これから目指してゆくベテラン。があるかと思います。
各ステージでの成長のための「要点」を上手く伝えられる言葉は無いかと探し、「守破離」という言葉に行き当たりました。

守破離(しゅはり)とは、武道や芸能など技を修業する世界で重んじられる考え方の一つです。
守破離の「守」は、決められた型を守って、繰り返し、基本を習得すること。
守破離の「破」は、「守」で身につけた基本をベースにしながら”自分なりの工夫”をして、
徐々に基本を破ること。
守破離の「離」は、型や教えから離れ、全く新しいオリジナルを生み出すこと。

新入社員のみなさんには、まずは守破離の「守」を実践してほしいと思います。「自分で考えて動ける社会人になりたい」という目標を達成するためにも、まずは決められていることを着実に覚えていく、教えられたことを繰り返し実践していく、この基本を徹底して一つずつ仕事を習得していきましょう。
また、「守」を習得する上での失敗はつきものです。失敗から学べる事も多いと思います。なぜ失敗をしたのか。次に失敗しない為にはどうするべきか。これを考える事が一番重要な事になります。
そのためには、何度でも上司の方や先輩社員の方へ質問をしてください。分かったふりをせず、分からない事、困ったことがあったらすぐに相談してください。人間一度言われただけでは覚えることができませんので、私たち先輩社員は何度もでも答えますし、何度でも教えます!
とはいえ、私たちも新入社員のみなさんよりも3年早く入社しただけの未熟な身です。まだまだ分からない事や知らない事もたくさんあります。守破離になぞらえ、私もまだ「守」を抜けれていないところもあります。「守」を詰めることと、これからは「破」に向けてビジョンを養いたいと思っております。新入社員のみなさんからも逆に教わることもたくさんあると思っていますので、ぜひ、一緒に成長していきましょう!
以上、ご清聴ありがとうございました。

新入社員代表 決意の言葉が、栗東総合産業株式会社へ入社された谷川 祐季さんより、以下の通り報告されました。

本日栗東総合産業株式会社に入社いたしました谷川祐季と申します。2022年度の新入社員を代表いたしまして、決意表明を述べさせていいただきます。本日は私どもの新入社員のために、このような盛大な入社式を催していただき、誠にありがとうございます。この日をこの場にいる皆様と共に迎えることができた喜びで胸がいっぱいです。新入社員一同を代表して、心からお礼申し上げます。
ここで少し私自身のお話をさせていただきます。私は滋賀の出身で、生まれてから現在に至るまで滋賀で過ごしてきました。
高校では、3年間弓道に打ち込みました。何気なく始めた弓道でしたが、私は弓道を通して数えきれないほど多くの事を学びました。その中でも、今でも私の中で大切にしているのが、「練習でできないことは本番でもできない」という言葉です。これは、私が試合でなかなか良い結果を出せず悔しい思いをしていた時に出会った言葉です。「本番になればきっと成功する」という考えでは結果を出すことができないということを痛感し、それからひたすらに練習することを大切にしました。そして挑んだ試合で初めて納得した結果を出せたとき、これまでの練習で培ってきたことが発揮できたのだと身をもって感じました。
私はこの経験から学んだ「練習でできないことは本番でもできない」ということを、これから会社で働いていく上でも大切にしていきたいと思います。謙虚に、何事も準備することを大切にし、日々経験を積み重ね、信頼してもらえるような社員になるために日々精進してまいります。
新型コロナウイルスの影響も大きく、就職難と言われる中で、栗東総合産業の一員としてスタートできますことに、このうえなく光栄に思っております。
私自身、生まれ育った滋賀に貢献できる仕事がしたいと強く思っていた中で、地域の人々の安全で豊かな暮らしを守り、社会貢献されている中小企業に出会い、今日こうしてこの会社で一歩を踏み出すことができたことを、心から誇りに思います。
まだ右も左もわからない未熟者ですが、謙虚な気持ちとチャレンジ精神を大切にして何事にも全力で取り組んでいきたいと思っております。これから何かとご迷惑をおかけすると存じますが、1日でも早く社会の役に立つ人材となれるよう日々努力してまいりますので、何卒温かいご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
以上、簡単ではございますが、新入社員を代表して感謝と決意の言葉とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

記念講演は七黒 幸太郎 滋賀県中小企業家同友会 副代表理事(株式会社 七黒 代表取締役)より、「共に明日を切り拓こう!~ワクワク100%で初出社~」をテーマに、概要次の通り行われました。

新たな門出を迎えられた皆さん、こんにちは。ご入社おめでとうございます。
今日は大きく2つのことを皆さんにお伝えしたいと考えています。1つは『皆さんが主役であるということ』と2つは『意識と習慣』についてです。皆さんが、明日からワクワク100%で出社してもらえると嬉しく思います。

何のために働くのか?

私は高島市在住の38歳で、建設足場事業の㈱七黒、アパレル事業の㈱clo-ba、広告代理事業のOnelife㈱の3社を経営しています。経営者をしていて常々思うことは、人生は働く時間が大半を占めるということ。だからこそ、「何のために働くのか?」という問いは、社会人にとってとても大きなテーマの一つだと言うことです。
私が子どもの頃に、「自分が必ず世話するから!」と両親に強くお願いしてひよこを買ってもらったことがありました。飼い始めた直後はひよこの世話をすることが楽しくて仕方なく、何でも喜んでやっていましたが、ひよこが大きくなると、世話をするのがとても面倒になりました。「なぜ自分がこんなことをしているのだろう…」と考えながら、嫌々世話をしていたある時、ひよこが鶏となり、卵を産むようになりました。そのことを学校の先生に話すと、「鶏の世話ができるなんてすごいね」と褒めてくれました。私はその時から毎日、先生に卵を見せるようになりました。私が卵を見せると先生は非常に喜んでくれて、私もそれが嬉しくて、鶏の世話を一生懸命するようになっていました。この経験から私がお伝えたいのは、人が喜ぶ姿というのは苦痛に感じていたことを楽しく変える力を持っているということです。これは仕事でも同じなのです。皆さんも「何のために働くのか?」と問い返し、人のお役に立ち喜んでいただく仕事をしていることを、意識してほしと思います。。

自分と未来は変えることができる

私が住んでいる高島市は交通の便が良くなく、人口も減少傾向にあります。人口の3分の1が65歳以上の高齢者です。これは、高島だけではありません。日本全体も少子高齢化に陥っており、今後も人口は減少していくとの予測が立てられています。日本の経済も、1990年と2020年に発表された国家予算案を見比べてみると、支出は倍になっていますが、収入はほぼ増えていません。率直に言って、今の日本の置かれている状況は非常に厳しいです。その上で皆さんにお伝えしたいのが、「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えることが出来る」ということです。日本の人口が減少していくという話も、あくまで予測なんです。この予測は、これから私たちの行動によって変えていくことが出来るのです。これは会社でもプライベートでも同じで、未来は変えていくことが出来るのです。そして、これからの日本を変えていける主人公は、これから社会に踏み出していく皆さんだけです。それをどうか忘れないでください。

頼まれごとは、試されごと

次に皆さんにお伝えしたいのは、「頼まれごとは試されごと」ということです。皆さんはこれから、会社で指示を仰ぐ上司や先輩に出会うことになります。その中で一人、「この人の頼みごとは全部する」という人を見つけてください。そして、その人からの頼まれごとは試されごとだと思ってチャレンジしてほしいのです。皆さんに仕事を頼んだ上司は「この仕事は任せられそうだ」と判断して頼んでいます。上司から何か頼まれた時は、素早く「やります」と答えてください。「できますか?」に対して数秒待ってから返事をするのは、自分でできるかどうかを考えているからですよね。やったことがない仕事の可否は判断がつきません。たとえ失敗したとしても、その経験はいつか皆さんが成長する糧になります。頼まれごとは自分が成長するチャンスと捉え、チャレンジしてほしいのです。チャンスが多ければ多いほど、人はどんどん成長していきます。

良い習慣づくりが良い結果を生み出す

最後にお伝えしたいのが、人間の意識と習慣についてです。人間の意識は、よく氷山に例えられます。海の上に見えている氷山は全体の約5%です。人間の意識も同じで、自覚できる部分を顕在意識、自覚できない部分を潜在意識と呼び、人間の意識の95%は潜在意識だと言われています。そして、現実の結果に関わってくるのが、95%の潜在意識です。現実での結果を良いものにしたいと考えるなら、顕在意識を増やしていく必要があります。そのためには、意識できる部分から習慣を変えていかなければなりません。良い習慣を持つための意識のサイクルとは、まず、気づきと発見です。周囲で起きることに目を配り、より良くするためには何が必要かを意識することです。次に行動です。気づいたこと・捉えたことに関してすぐにアクションを起こすことです。最後に継続です。気づきと行動を繰り返すことです。繰り返していくと皆さん自身に変化が起き、習慣となります。これが意識して良い習慣をつくるサイクルです。こうしてつくり出した習慣は、現実の結果を自分自身の望むものへと変えてくれます。習慣をつくり出すということは簡単ではありませんが、必ず結果に繋がります。気づきと発見、行動、継続のサイクルをどうか覚えておいてください。
いろいろなことについてお話させて頂きましたが、私がお伝えしたかったのは、未来を創造する主役は皆さん自身だということと、良い意識と習慣づくりです。自分がどんな困難な環境に身を置いていても、それを変えていけるのは自分自身です。そのために大切なことは、自分から仲間に与えることです。自分から何か行動を起こすこと、仲間が変わり、見える景色も変わります。それは会社や暮らしている地域、さらに日本という国も同じです。皆さんが主役なのです。そんな決意を持って、これからの社会生活にワクワク100%で向かっていただければ幸いです。
共に明日を切り拓きましょう!

三日月大造滋賀県知事からは、以下の通り祝辞を書面で頂戴いたしました。


2022年度の新入社員の皆様、御入社おめでとうございます。未来ある皆様が滋賀県で働くことを選択され、社会人として滋賀の未来を作り上げていただく一歩を踏み出されたことを大変嬉しく思います。
地域経済、また社会の担い手として、生産や消費、さらには雇用・地域づくりなどの面において大変重要な役割を担っている企業の一員として働く誇りを胸に、これからの仕事に取り組んでいただきたいと思います。
世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大は、私たちの社会活動に大きな影響を及ぼしており、とりわけ経済に大変な打撃を与え続けています。このような困難な状況においても、滋賀県中小企業家同友会の会員企業様におかれては、企業の繁栄をめざして学び合い、地域経済を支える中核として活動を続けてこられ、その御尽力に深く敬意を表するところであります。こういった取組が今後、経営者の方と社員の一人ひとりとが手を取り合うことによって実を結び、現在の難局を必ずや乗り切られることと信じております。
新入社員の皆様は、これから始まる仕事への期待や不安など、少し複雑な心情をお持ちのことでしょう。コロナにより日常や通常が大きく変わり、これまで当たり前だと思っていた“つながり”が分断されております。そのような中で、皆様が入社された企業の経営者の方々は、滋賀県中小企業家同友会様の会員として、常に学び合い、コロナに負けない会社づくりに向けて努力されております。ぜひとも、身近な“つながり”を大切にしながら、日々を過ごしていただきたいと思います。
私は、約2年に及ぶこのコロナ禍で見出した光があります。それは滋賀の誇るべき歴史であり、琵琶湖をはじめとした豊かな自然であり、こうした歴史や自然を大切にしようとする実践であり、人と人との支え合いであります。これらは、これから歩む先を照らす光であり、「利他のこころ」という、先人の教えが息づいている証であると感じています。
この気付きを大切にしながら、ウィズコロナ・ポストコロナ社会を見据えて、人・社会・自然のすべてが充足した、本当の意味での「健康しが」「幸せが続く滋賀」の実現に向けた取組を、新たなスタートラインに立ち、希望と意欲に満ちた皆さんとともに進めてまいりたいと思います。

入社式の模様は、京都新聞、中日新聞、朝日新聞より取材を受け、翌日の紙面で大きく紹介され。ました。有り難うございました。