滋賀県中小企業家同友会

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12月11日 立命館大学「キャリアデザイン」講義第12講で栗東総合産業㈱ 常務取締役 井之口 哲也さんが講義をいたしました。

共育・求人委員会 委員会レポート

2025年12月18日(木)16:40~18:00まで、立命館大学びわこ草津キャンパスで、同学部2回生を対象にした「キャリアデザイン講義」の第10講が開催され、栗東総合産業株式会社 常務取締役 井之口 哲也さんからご講義をいただきました。

会社紹介
同社では廃棄物処理事業や水環境保全事業、運輸事業、フランチャイズ事業を展開されています。
また「三方よし」という経営理念のもと、社員・顧客・取引先との連携を構築し、よりよい社会の創造のために常に時代に即したサービス開発に挑戦されています。

先日、井之口さんを含め滋賀県中小企業家同友会の会員計3名が、滋賀県庁にて同時記者会見をされたことの紹介もありました。

井之口さんの経歴について
井之口さんは、大学のころからアルバイトをされていたイベント設営会社へ就職をされたものの、直後に会社のイベント事業撤退を受け、ダスキンのルート営業をされるようになりました。新しい職場でも、いろいろな工場や店舗に行き顧客の悩みを解決する提案を行うことで、仕事にやりがいを感じておられました。
ある日、井之口さんは社内恋愛を通じて結婚の話が出たことをきっかけに自宅への父のもとに向かわれました。そこで井之口さんの父から「ウチの会社はどうするつもりだ」と告げられ、家業に戻ることを決意されます。
しかし、勤めることになったのは栗東のJAでした。「まずは地元のことを知らないといけない」という父から指示があったとのこと。


JAの業務を一通りこなした井之口さんは、2年目から野菜の直売所を任されることになります。3年を経てようやく家業に戻ることを許可されますが、JAの他のスタッフさんからは「井之口さんが来られてから職場の人間関係が円滑になり、非常に仕事がしやすくなったからまだここにいてほしい」という声が数多く寄せられます。
このような声もあった中、井之口さんは家業に戻られ、当時同社で課題となっていた社長と社員のコミュニケーションを円滑にさせるべく間に入り、社員が気持ちよく働ける環境づくりに尽力されました。
現在ではベトナムのメコンデルタの環境問題の解決に向け、滋賀県の中小企業複数社と協力しながら取組を行っておられます。

キャリアデザインの必要性

井之口さんはキャリアデザインが必要な理由について2つを挙げています。
1つは、組織の指示を聞いているだけで生き残ることができる時代でなくなったためです。
終身雇用や年功序列、企業別組合のある時代から、成果主義やジョブ型雇用の導入が進み、「自ら仕事をつくる、新規事業を立ち上げる」といった主体性が評価される時代へ変化しているとのこと。
2つは、幸せな人生を送るためです。

井之口さんはキャリデザインのために必要な要素を、
①自己理解に関する要素
②仕事・環境・理解に関する要素
③目標・行動設計に関する要素
上記の3つであると説明されていました。

幸せな人生を送るには、行動力を増やし目の前にあることに全力で取り組むこと、素直であること、同じ目標を持ちお互いを高めあう仲間を作ることが欠かせないとし、「相手に何をしてもらえるか」でなく「何をしてあげられるか」で物事を考えることが必要であるとのこと。また、目の前のことに全力で取り組む姿勢も非常に大切であると述べておられました。


2022年入社された従業員のキャリアデザインについて
講義終盤では、22卒で同社へ入社された経営企画室担当の谷川さんよりキャリアデザインについてお話をいただきました。
仕事で大切なことは、自分の強み・弱みを正しく理解することです。しかし、「自分のこと」は自分が経験したことの中からでしか分かりません。社会人になって、何事も経験してみることが、自分を知るための1番の材料ですと学生たちに伝えておられました。