滋賀県中小企業家同友会2018年度第1回役員研修会が6月4日(月)午後2時から6時まで草津まちづくりセンターで行われ、19人が参加しました。
蔭山孝夫代表理事より「2019年4月に滋賀同友会は創立40周年を迎えます。いま少子化、高齢化、人口減少という今まで経験したことがない構造的な変化を迎えています。中小企業も経営者の高齢化、後継者が不在で廃業する事例が増え、滋賀は日本で廃業率が一番高くなっています。中小企業の減少は地域の暮らしや文化の担い手が無くなってゆくことです。今こそ同友会で学び人をいかす経営を実践する仲間を増やし、魅力ある企業づくりを押し進め、雇用を増やす、起業も増やす、そういう土壌を滋賀に創る時です。それが社会からの期待です。そのためには、われわれ役員が、同友会理念を経営にいかして発展することが大切です。学んで実践、同友会運動と共に発展する企業づくりを目指しましょう」と挨拶。
この後、永井茂一副代表理事(例会・組織活性化委員長)から「同友会で学んで実践してきた企業づくり」をテーマに問題提起が行われました。
永井さんは「平成6年に同友会へ入会。経営も理念も知らない無免許運転の経営者で、食うため、生活の向上のため、贅沢のために必死でした。儲からないのは社員のせいにし、就業規則や給与規定を創れば社員がやめなくなると教えられ整備しましたが、社員は育たず退職する。本屋には大企業の経営学ばかりで中小零細企業には活かせない。そんなとき同友会と出会って入会しました。
同友会で学んだことは・・
①理念のない経営は頑張ればがんばるほど間違いを起こすこと
②経営者は会社を守ろうとするがあまり、本当に大切なものを見失うこと
③経営指針のない経営は社員のやる気を奪い業績を下げること
④社員が納得しない社長の独りよがりの経営理念は絵に描いた餅に過ぎないこと
⑤経営者は社員との関わりの中で成長すること(雇用をしない会社では社長は成長しない)
⑥同友会運動に関わり役割を担い、それをやり遂げることで成長すること
⑦自分のためから人のため社会のためという志が高まるから会社も成長する
⑧お金の向こう側にもっと大切なものがある
⑨経営者が成長した分だけ、社員が成長し会社が成長するということ
です。学んだことを愚直に目標を決めてやり続けてきて、新卒者を定期採用し、障害者や就労困難な人も受け入れられ、知事からも表彰をもらえる、社員30人の会社にやっとなることができました」と自分の失敗談を交えながら教訓を報告しました。
この後「同友会で何を学び、何を実践するのか」をグループ討論しました。
問題提起の二番目のテーマは「同友会運動とは、同友会の役員とは」。引き続き永井副代表理事より「同友会運動の発展のために(中同協)」をテキストに報告していただきました。同友会の3つの目的「よい会社」になるには社員共育・共同求人・障害者雇用に取り組むこと。「よい経営者」になるには「中小企業における労使関係の見解」をしっかり読み解き経営者として生きる指針にすること、つまり経営姿勢を確立し経営指針の成文化に取り組むこと。「よい経営環境」をつくるとは、中小企業憲章や中小企業振興基本条例の制定運動を担い、エネルギーシフトに取り組むこと。「自主・民主・連帯の精神」は自立的な企業づくり、経営指針による民主的で全員参加型の経営を行う、地域とつながり地域課題を自社経営の課題とし、社員との強い信頼関係で結ばれ、地域になくてはならない会社となること。それらのベースには、「国民や地域とともに歩む中小企業」になるという大きな志があると解説し、「自社経営と同友会運動を不離一体として活動せずして、同友会運動のリーダーとはいえない」ことを強調しました。
グループ討論は同友会運動とは何か、同友会役員の役割とは何かをテーマに行われました。
参加者からは「同友会が中小企業経営者にとってセイフティーネットであることに気がつきました」
「同友会入会して15年。よい会社とよい経営者を目指してきましたが、これからは自社経営を通じてよい経営環境を担うことの大切さに気づきました」
「他支部の役員さんと同友会理念を経営にいかすテーマで議論できて本当によかった。同友会の役を受けることは自分の成長と会社の成長に繋がるということに筋が通りました」
「社員から見ても地域から見ても素敵な会社を作ることが私の役割だと決意しました」
「役員としての覚悟ができました」
と感想が寄せられました。
第2回目も同じカリキュラムで開催します。まだ参加されていない役員の方(役員でない会員さんも歓迎)は、奮ってご参加をお願いします。
と き:6月29日(金)14:00~18:00 このあと懇親会(4千円程予定)
会 場:フェリエ南草津5階中会議室