滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-大津支部-

大津支部 3月BIG例会「同友会と自社経営~不離一体の実践者になれ!~」

大津支部 例会レポート

大津支部BIG例会は、3月28日(火)18時より、THE CALENDARにて開催され、56名が参加しました。

報告者は、相田 健太氏(㈱海昇 代表取締役/兵庫同友会青年部相談役)をお招きし、「同友会と自社経営~不離一体の実践者になれ!~」をテーマに報告頂きました。

※以下報告要旨

1980年生まれの42歳。2001年に父が脱サラして創業した韓国アナゴの卸業で、1日1,000キロのアナゴを仕入れ、生きアナゴ、韓国で加工したアナゴと焼きアナゴの販売をしています。社員は13名で、韓国5名、日本8名、パート1名ですが、4月から大卒親友社員が2名入社してくれます。売り上げは5〜6億で営業利益が今年2,500万くらいの予定で、円安のことを考えると検討したかなと思っています。販売先は有名駅弁メーカーや高級鮨店、スーパーなどです。

厳しい経営状態

入会前は会社を継ぐのが嫌で、大手のシャッターメーカーに営業として入社。しかし労働条件のつい会社で、いずれと思っていたタイミングの2006年に会社に帰りました。しかし、会社は今月の支払いも、仕入れもできない債務超過であり、一家離散を想像して腹をくくりました。

まず、営業に出て販売先を開拓しました。しかし、質の悪いアナゴと指摘があり父と韓国に渡り仕入先を開拓。当時業界では誰もしていなかった活魚として輸入する方向を様々な研究の結果成功させます。失敗の時は、3万匹輸入して500匹しか生きていない悲惨な時もありました。仕入れを変え、配送方法を改善すると、お客様からの評価も高まり価格決定権がもてるようになってきたのです。2年で黒字となりましたが、借入金の返済のために私の給与はゼロのままでした。

同友会に入会

2012年に入会と同時に青年部にも参加。「おやっさん何歳?」と聞かれ60で元気ですよと答えました。「10年後どうする?」と聞かれると答えられませんでした。3年後委員長を引き受け委員長仲間との席で、利益では勝ったのですが、若手社員のいない会社に未来はないと言われ、火が付きました。近所の大卒生を口説き入社してもらいましたが、分からないことだらけ。就業規則も賃金規定もなく、週40時間までしか働けないという事実を知る始末。何とか対応して会社らしくなっていきました。一番良かったのは経営指針成文化セミナーに受講したことでした。一回目は作成しましたが伝わらず、机の中へ。2回目受講時は社員にしっかり説明を行いました。

卸売りから加工・小売り業への進出

仲の良かった取引先が経営破綻し、その息子たちと事業を引き継ぎ加工・小売業の会社を設立しました。頭の片隅にはやりたい事として意識していましたが、我社のアナゴは美味しいと評価ですが、エンドユーザーの声は聴けなかったからです。この時アンテナは高く、決断は素早することを学びました。

同友会で学んだ事は、切磋琢磨できる仲間ができること。経営者の想いや理念、数字も自分にはない経営がそこにあります。比較するとコンプレックスが生まれますが、少なくとも真似をすればよくなるという筋道は見えます。同友会で学び、気づいたと言いますが、結果はやるかやらないかではないと思います。兵庫青年部スローガン、「志高く」は、想いや高い目標を掲げ、どうすれば達成できるかを考え実行することを指します。10年後30名のアナゴカンパニーを実現させ、誰もが働きやすい会社をめざしたいと思います。