経営環境分析実践講座「RESAS例会」を開催しました
2024年10月15日(火)15:00〜18:00の間で、参加者38名の中、開催された経済産業省の
「経営環境分析実践講座」~RESAS例会~は、経済産業省からは、中小企業庁事業環境部
企画課 調査室 室長補佐 田中幸仁 氏と、同じくRESAS開発担当 白井孝佳氏よりデータ
と経営について、またRESASの具体的な操作手順についてのご報告をいただきました。
現代の経営において、データ活用は変化の激しい時代における重要な要素となっています。
日々の経営判断は、事業を営むために欠かせないものであり、経営者は直感や経験、勇気に基づく
「暗黙知」を駆使して意思決定を行っています。しかし、そうした暗黙知に加え、信頼性の高いデータ
を補完的に活用することが、中小企業の経営を支える重要な手法となっています。
データを活用した経営とは、すべての決定をデータに依存するものではなく、まず暗黙知が最も重要で
あるという前提に基づいています。その上で、暗黙知を補うためのデータが経営の支援ツールとして利用
されます。データには、定性的な情報(言葉や感覚)と定量的な情報(数値や統計)があり、これらの
バランスを保ちながら経営判断を下すことが必要です。
信頼性のあるデータは、特に政府統計が推奨されます。政府統計は、明確なルールや基準に基づいて作成
されており、そのプロセスが公開されているため、安心して利用できます。特に、細かいデータで動きを
確認することが、業界の変化や拡大・縮小を理解する上で有効です。経営環境の外部分析においては、統
計データを使わなければ、正確な状況把握が困難であるとされています。
企業が黒字であるということは、基本的に競争力があることを意味します。これは、企業の製品やサービス
が市場で受け入れられ、消費されやすい傾向にあることを示しています。このような状況下では、売上の向上
や価格の向上に向けた戦略を考えることができます。
地域経済分析システム(RESAS)は、経営判断に役立つ強力なツールですが、万能ではなく、まだ成長段階に
あるサービスです。例えば、POSデータの取り込みが最近ようやく実現しましたが、その活用方法については
これから確立される部分も多くあります。RESASは政府の5年ごとの統計調査データをベースにしており、
付加価値や売上、人件費などの指標を把握するのに有効です。
また、e-statは、RESASが提供する統計データが収集されるプラットフォームであり、企業が経営判断に役立つ
統計情報を取得するための重要なツールとして活用されています。
まとめとして、データを活用した経営は、暗黙知をベースに信頼性のあるデータを補完的に使うことが重要です。
RESASは、これからのデータ活用に向けた有力なツールとして成長を続けており、企業の経営戦略に欠かせない
役割を担っています。
(S.S記)