滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-高島支部-

目に見える成果を手にする秘訣とは!?~高島ブロック3月オープン例会~

高島支部 例会レポート

滋賀県中小企業家同友会高島ブロック3月オープン例会が23日(火)午後6時から可以登楼別館にて感染症対策を徹底した形での対面開催とオンライン(Zoom)配信で開催されました。
対面参加は48名、オンラインには15名の計63名の参加で、高島ブロック発足以来、最高の参加人数の例会になりました。

報告者の七黒幸太郎ブロック長は、2010年に同友会へ入会し経営指針を創る会で経営理念を成文化します。
そして社員に「理想の会社とは?」とアンケートを取り、会社の環境整備に取り組みました。
経営指針を創る会では、経営理念の成文化とともに売上げ3カ年目標を発表。会社の環境整備も実施したことで、売上げ4千万円を3年で6千万円に伸ばすことが出来ました。社員も予定通り3人増えました。
でも、チームとして一体感のある自立的な会社にならないことに悩み続け、石垣島で全社員が参加するチームビルディング研修に参加しました。

そこで気づいたことは、すべて経営者としての自分の行動に責任があることでした。
それは、「社員のため」と言いながら社員に仕事を任せず、すべて自分が陣頭指揮を執ってきたことでした。それでは、社長の指示や判断がなければ動けない社員にしか育つことができなかったのです。
その気づきをえて、七黒さんは社員に任せる経営へと変化しました。
ものすごい我慢と辛抱の連続だったそうです。

でも、ちょうど同友会の役員を引き受け、現場から離れざるをえなくなったのです。
結果、任せた社員が自分で考え、行動する組織に変わり、会社はさらに大きく成長し続けました。
この教訓から、七黒さんは「同友会に入って学び、役員を引き受け、事業の発展目標を宣言し、自分をやらなければならない場所に置いてきたからこそ、今の会社がある」とキッパリおっしゃいました。
そして、確実に成果を手にする方法は、
①気づき・発見したら即行動すること。
②意識的に習慣を変えること。
③同友会と社業を不離一体として実践すること。
だと語りました。

来年(2022年)は創業20周年になるそうです。
1.さらなる会社の環境整備。
2.総売上5億円。
3.新たに5人の採用。
4.土地を購入し本社の移転
さいごに、「コロナ禍だから・・・」と言い訳をせず、
5.自分自身がさらに誇れる会社づくり
をすすめ、「七黒が出来るなら俺たちもやれる」と勇気を与えられる存在になりたい。と同友会と共に歩み、学んだ3年間の実践も振り返りながら、熱く報告していただきました。

今期を以てブロック長を勇退される七黒さん、有り難うございました。
高島ブロック一同より花束が贈られました。

さいごに・・・背中が真っ赤なベストをご披露いただき、とっても嬉しかったです。七黒さんとそのスーツを選んだ奥様のステキな関係を見た思いがしました。ウケました!(M・H記)

例会記録(出口氏記)
中小企業家同友会高島ブロックの3月例会は、現ブロック長である七黒幸太郎代表取締役社長にご報告頂きました。
まず初めに、今例会では過去最高動員を達成したことに対する感謝の表明と
参加された皆さんの意識に対しての敬意を評しての拍手と共に、例会を開始されました。

今回の報告で、七黒氏が伝えたかった事
1.気づき発見と行動力
2.意識的に習慣を変える
3.不離一体
といった内容を学ばせて頂く事となります。

七黒氏は現在、建築足場事業、アパレル事業と、最近立ち上げられた新事業を営んでおられます。
本日は、建築足場事業とアパレル事業をメインにお話を進められました。
お話しを進められている途中、プロジェクターが映らなくなるトラブルに見舞われるも、自身の失敗談をお話しされ、会場の空気を和ませておられるという場面もあり、七黒氏の臨機応変な対応力も見せて頂ける機会となりました。

そこから、建築足場事業の話題に入られます。
社員さんと映る1枚の写真。みんなが素敵な笑顔の写真でした。この笑顔を手に入れるまでに10年かかったとおっしゃいました。
ここから、建築足場事業の立ち上げ時のお話しや、雇用を開始された頃のお話し、同友会への入会から経営理念をつくる会への入会し、経営理念を創った頃のお話しをされました。
ここで印象に残ったのは、理念を創った当時は、やはり従業員さんには届かなかったそうです。
そこで、起こされた行動とはというと従業員アンケートを実施されます。
「理想の会社ってどんな会社?」というアンケートの一部をご説明頂いたのですが
従業員が「理想」と思っている。という事は逆に考えると現在はそうではないのではないかと結果を真摯に受けられたそうです。
そして、アンケートを取ったからには、理想の会社に近づける様にしないと、社員を裏切った事になると考え、理想の実現に尽力されました。

従業員回答   ⇒  そうではない現状  ⇒  変化
みんなが同じ方向に向かって助け合える  ⇒ みんなが同じ方向を向いていないし助け合えていない ⇒ 定例ミーティングと表彰制度
自分の意志で休みが取れる  ⇒  休みが無い  ⇒  男性育児休暇の取得や結婚記念日有給
生きがい、やりがいを感じながら働ける  ⇒  生きがいもやりがいも感じられない  ⇒  働く環境を整える
19:00までには家に帰れる  ⇒ 残業が多く家に帰れてない  ⇒ 労働時間の短縮(現場作業は16:00までを目安に)
自社ブランドがある  ⇒  自社ブランドがない
ボーナスがある  ⇒  ボーナスがない  ⇒  年に2回の賞与
一緒に働く仲間と仲が良い  ⇒  仲間と仲が良いわけではない  ⇒  チームビルディング研修の実施
会社に行きたいと思える会社  ⇒  会社に行きたいと思えていない  ⇒  安定した給与(日給月給ではなく月給制度に)

上記のように、アンケートの結果に1歩でも近づける様に、会社の労働環境を整えて来られました。
そんな中、従業員さんの意識を統一する為に、あるチームビルディング研修を受けられる事となります。
従業員さんに学んでもらいたいと思い、実施した研修で、七黒氏自身が多くの事を学び、大きな発見をされます。
その大きな発見というのは・・・・「すべての事は、社長が原因」といった事でした。
社員さんが成長出来ないのは、任せるという行動を出来ない社長に原因があると感じられたそうです。
実際に、社員さんに任せてみても、ある程度の権限に近づいてきた段階で社員さんから意思決定の連絡が入っていたそうです。
社員さんに任せきると決めた時も「これは無責任なのではないか?」と葛藤されていましたが
答えを与えるでのはなく、しっかりと決定権を与え、社員に任せきる!と覚悟し実践していった結果、社員さんが目に見えるほど成長されたそうです。
社員さんがやらざるを得ない状況を作り、与える事で成長した社員さんの姿を見て、実践して正解だったと喜んでおられる感じが致しました。

ここから、現実を変える為の、意識と習慣のお話をされます。
意識のサイクルといった内容で、まずは意識する事。
意識する事で気づきや発見がある。気づきや発見があったことに対して、すぐに行動に移す事。そして継続する事。
たったこれだけの事を意識するだけで、数年後の結果は変わるとおっしゃいました。
なによりも大切なのは「すぐに行動に移す事」ではないかと感じました。

七黒氏は、同友会入会と共に、社業も伸ばして来られました。同友会と経営結果は不離一体ではないかと感じておられます。
同友会入会後、経営指針を作成。その場で「○○年後、○○万円の売り上げを達成します。」と宣言されます。
そうして、社員さんだけではなく、自分自身もやらざるを得ない状況を作り出す事で成長していく。
同友会はそういった環境を与えてくれる場であり、深く関わっていく事で自信を成長させていく事が大事です。とおっしゃいました。

最後にまとめに入られます。
①気付き、発見と即行動
②意識的に習慣を変える
③同友会と社業は不離一体

株式会社七黒は来年創業20周年を迎えられます。
そして、この20周年を迎えるにあたって、この例会で今後の展開を宣言されました。
①現在と比較し、さらなる環境の向上と見える化
②総売上高 5億円
③新たに5名の採用
④本社足場資材センター移転(1,500坪)
⑤自分自身がさらに誇れる会社にしていきます!

このコロナ禍の中で、厳しい状況下であっても、それをチャンスと捉え前進していくという強い志を感じました。
そして、七黒氏は自分自身が前進する事で、周りにいい影響や勇気を与え
周囲の原動力になるような存在でありたい。そして自分自身の人生も豊かにしていきたい。と今例会を締めくくられました。