滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-高島支部-

「一切、笑わない工場長」から「笑う工場長へ」~高島ブロック6月例会~

高島支部 例会レポート

滋賀県中小企業家同友会高島ブロック6月例会が16日(水)19:00~21:00まで可以登楼別館(今津町)と Zoom会議室のハイブリッドで開催され、33人(現地28人 Zoom5人)が参加しました。
報告者の出口大輔 氏 (株)アドパック 滋賀工場 工場長(同友会高島ブロック副ブロック長)は、「笑う工場長!」をテーマに、概要以下の通り報告されました。

今40歳です。学校を出てから焼き鳥屋、キャバクラのボーイ、スキー場でのアルバイト、4年間のパチプロ経験の後、郵便局員など前職社員を経て、親戚のおばさんの紹介でアドパックへ入社しました。
入社してすぐに研修で出会った同業の工場長さんが、人望が凄く(誰に聞いても必要とされている)工場を立ち上げてすべての工程を熟知していて、従業員に声を掛け気軽に話す姿勢があり、仕事に対しては厳しくも熱意があり「こんな工場長になろう」という理想を持ったのを思えています。
しかし、工場立ち上げ時は仕組み作りや生産性を上げるために必死で、工場長=なんでも屋さんの常態でした。なんでもこなして、仕組みを作って工場を回していく工場長、上司の嫌な指示も歯を食いしばって我慢して、部下からも嫌われ、そっけない態度を取られ、心を殺す工場長になってしましました。完全なるThe中間管理職でした。
上司に相談しても「なんとかしてよ-」「なんでできひんの?」と言う返事で、結局私は「一切、笑わない工場長」になってしまいました。


このままではダメだと気付かされたきっかけは、パートさんから呼び出されて「私ら、もう何年も時給上がってないんですけど!」と言われたことです。めちゃくちゃショックでした。何も言葉がでてきませんでした。それまでは、取締役でない立場の私が、会社が決めた人の給与にまでかかわるべきではないと考えていました。このことをきっかけに、自分が従業員の労働条件にも配慮しよう、社長に対しても求めていこうという考えになりました。
会社の外部顧問からは「工場長は会社側の立場なんだから、社員と一緒になって会社を批判するのではなくて会社側から見てどうかと考えなさい」とも言われてましたが、当時は今ひとつぴんときませんでした。
そこで、工場長として従業員にどうやって働いてもらったらよいのか?逆に従業員側から見て、働きやすい環境をつくる為に、どうやって意見を上げていけばいいのか?社長はどんな想いで会社をやっているのか?自分はどんな現場環境をつくりたいのか?とい事を考えて実行していくのが自分の役割ではないのか??と少しづつですが変化していきました。


そんな時に、七黒ブロック長から誘われて同友会の例会にゲスト参加し、ここだ!と思って入会しました。
同友会に参加して学んだことは
1.お金を動かすのは社長と役員の役目だが、実際に現場を動かすのは社員の役目であり、社員が納得して働ける環境をつくって行けば、会社を動かすことが出来ること。
2.人に対する投資は絶対に必要だという事。社長や責任者が従業員に対して時間を使うという事も大事な投資の一環だという事。
3.自社を客観視するということ。工場の中だけに居たら、自分たちがどんな状況でどんな環境でどんな契約の中で働いてるのかわからない。外に出て例会で学び視野を広げてみると、会社の細かい粗とは改善課題であり、決して悪い会社ではないという事に気づけました。
4.社長は自分の想いをちょいちょい口に出しますが、大抵は聞き流していました。今は同友会で多くの社長の想いに触れ、経営者の理念が理解できるようになってきました。そんな社長の想いに、自分の想いをのせて、職場環境に配慮して、従業員の働きやすい環境をつくればいいんじゃないかという事に気づかされました。


5.社長は、仲がいい会社を創る為に、社員旅行や忘年会、慰労会をすることで全員が、顔を合わせて、話し合える環境をつくってきました。それは、しっかりとした労使関係の上になりたつものだと考えていたのでその想いを実現していけば、いいんじゃないかという考えに至りました。
会社が良くて、顧客に対しても良い会社でないといけないという考えから、従業員に対しても良い会社であるべきだという考えが深まりました。
6.「右手にロマン、左手にそろばん、背中に我慢!」これは同友会に入ったころに、ピアライフ永井さんの例会で伺った事なんですが、社長の想いを貫く力とお金の重圧の大きさと、一番先頭に立って苦しみに行かないといけないというのは同友会で皆さんとかかわらせて頂いて、ほんとにつくづく感じさせられるところがあります。

ある経営者の方に「君は、会社を変えたい変えたいと言っているけどじゃあ、その為になにか動いているの?工場の中で今までと同じことをしてるんじゃないの?今までと同じことをして違う結果を出すのは無理だよ。やった事ない事やってみなさいよ。平日に仕事を任せて出会いを求めて外に出るとかやってみたら?そしたら、新しいチャンスが生まれて自分の頭の中で考えた結果とは違う結果が生まれるよ頭の中で考えて、動いた結果は頭の中の考えをを超えた結果は生まないよ生まれた結果に対して考えていけばいいじゃない。」と言われました。
そういわれてみれば、変わったつもりでいたけどやってることは、工場内で同じことしてるし日中は出られないって断ってる自分がいるという事に気づかせてもらえました。
なので、これから私は「知・覚・動・考 」=「とも かく うご こう」を実践します。「会社はリーダーの器以上に大きくはならない」と言われます。
工場長(責任者)の役割ってなんでしょうか?
社長の役割ってなんでしょうか?
皆さんと一緒に考えて行くことで、器を大きくして行きたいです。