滋賀県中小企業家同友会高島ブロック2月例会が、2月16日(水)18:30~20:30まで可以登楼別館(今津駅前) で開催され、24人が参加しました。
問題提起者の廣瀬元行さん(滋賀県中小企業家同友会 専務理事)は、「経営を一生懸命間違わないために!~同友会で知って得する大切なこと~」をテーマに、滋賀同友会事務局員歴38年の歩みの中で気づいた会社がダメになる経営者の姿勢を、自らを戒める立場で概要以下の通り報告しました。
報告のポイント
中小事業者数は1999年483.7万者から、2016年357.8万者へ17年で126万者の減少sています。最近5年で 約30万者の減少、7年では△63万です。
一方、2021年の倒産件数は6,030件で、前年比△22,4%と 57年ぶりの低水準です。
ところが、同年の休廃業・解散件数は54,709件で倒産の約9倍で高止まりしています。
つまり、企業倒産件数が減少する裏側で、経営をあきらめる中小企業・小規模企業が激増しているのです。
企業の継続発展は、私たち経営者の覚悟と実践次第なのです。
私の経験では、企業は外部環境との矛盾(景気や競争、コロナ禍等)だけでは潰れません。企業は内部矛盾で潰れるのです。内部矛盾とは労使(社員と経営者)間の矛盾のことです。社員との信頼関係が崩れるから、社員から愛想を尽かされ、経営者が“もうやめた”と投げ出したときに潰れるのです。結果として不渡りや廃業などになりますが、経営者と社員が明日に向かって団結して企業防衛できていれば、中小企業はそう簡単には倒産しません。廃業することもありません。
だからこそ同友会では、
1.経営指針の成文化
2.共同求人で人材採用
3.社員と共に育つ共育
を三位一体で取り組むことを推奨しています。
この取り組みを通じて、経営者が経営姿勢を正し、経営責任を全うする方向へと舵を切ることができるからです。そういう法則性を見出したのが同友会運動です。だから、同友会運動は科学なのです。
でも、立派な経営理念を掲げていても、経営計画書を作成していても、社員から“愛想を尽かされる”社長がいることも確かです。そういう人の3つのパターンをご紹介します。これは、私自身への戒めでもあります。
1)一人相撲をとる社長
勉強熱心だが(TTP?) 飽きっぽい
人の好き嫌いが激しい
悪いことは他人や環境のせい
お人好しで 乗せられやすい
志しは高い・が・数字に弱い!
有言不実行(一貫性に欠ける)
2)コミュニケーションが苦手な社長
「社員は解ってくれている」と 思い込んでいる
「社員はわかってくれない」
社員への説明責任を果たさずに、ブツブツ言う
3)公私混同をする社長
社員には厳しい(何事にも口を出す)のに
自分は特別な偉い存在
身内のわがままを通す
大切なことは、経営者として説明責任果たし、社員から信頼され愛される社長になる努力をすることです。
これは社員を甘やかす、わがままを認めるということではありません。社員による会社の私物化や、わがままに対して厳しく変化を迫ることも、多数の社員から信頼を得、愛されるためには必要です。
「中小企業における労使関係の見解」(中同協)には
1.経営者の経営姿勢の確立
2.経営指針成文化と全社的実践
3.社員を経営のパートナーと考え共に育ち合う
4.外部経営環境の改善にも労使で取組む
ことを呼びかけております。
いちばん大切なことは、経営者の経営姿勢の確立です。
姿勢を考える植で、以下のことを自問自答して下さい。
1.社員は会社に帰属する存在なのか?
2.会社は社員をいかし個人の幸せを実現するためにあるのか?
あなたはどうお考えでしょうか?
こういうことを深掘りしていかないと、会社のためだ、お客さんのためだ、と一生懸命に間違った判断をしてしまうと思います。
私が理想としている人物像は、
1.その人がいるだけで
2.まわりが明るくなり
3.人に希望と勇気と
4.喜びを与えられる人
5.失敗経験が豊富で
6.人の話を良く聴く
7.とっても人間くさい人
です。
すべてを満たす人はいないかもしれませんが、その幾つかでもできる人間になりたいなぁと思っています。
そのために、同友会では自分の失敗経験をさらけ出し、多くの会員さんの失敗経験から謙虚に学び合っていただきたいと思います。