滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-ユニバーサル委員会-

第20回障害者問題全国交流会、全国から504人の参加で成功裡に開催されました!~交流会宣言「人を生かす経営の実践で幸せの見える共生社会の実現を!」を採択

ユニバーサル委員会 委員会レポート

第20回障害者問題全国交流会in滋賀(主催:中小企業家同友会全国協議会 開催担当:滋賀県中小企業家同友会)が2019年10月17日(木)13時から18日(金)12時30分まで琵琶湖ホテルで行われ、45同友会と中同協より504人が参加しました。

『人が輝くから企業が輝く、地域が輝く!』をテーマにした本交流会は、第1回目を1983年に第1回目を滋賀同友会が担当して開催し、第20回目の節目の年に滋賀で再度開催されました。

滋賀県中小企業家同友会では2016年度からユニバーサル委員会を中心に障全交in滋賀に向けて学び合う活動を本格化し、2019年4月に理事会・支部・青年部・委員会からなる実行委員会を立ち上げ、成功に向けて具体的な実務を取り組んできました。

以下に、障全交in滋賀の様子をご紹介いたします。

10月15日(火)14時30分~障全交in滋賀に向けた袋詰め作業。実行委員長と交流会事務局長を先頭に、滋賀県高等養護学校の先生も応援に駆けつけていただき、わずか2時間で550人分の袋詰めを終了しました。



琵琶湖ホテルエントランス

10月17日(木)午前10時に実行委員・運営スタッフ集合。当初は50人ほど来てくれるかなぁというところ、70人以上の参加でスタッフマニュアルが足らなくなりました。田井委員長の挨拶にも、力が入りました。


このあと12時から受付開始、13時から分科会のスタート。

第1分科会
テーマ「共に学び 共に育つ職場づくり」(北海道同友会)
報告者:奥山 敏康氏 ㈱アイワード 代表取締役社長
座 長:田中傳右衛門氏 ㈱和光 代表取締役社長
室 長:太田 宗男氏 ㈱プライウッド・オウミ 代表取締役
記 録:大宮かなえ氏 北海道同友会 事務局

今回の第一分科会を終え、障害者問題全国交流会発足以前より障害者雇用をされておられた先駆者的なお話の中から、障害者の方々を一従業員として認め、健常者の方と何の隔たりもなく働いて頂く為にどのような取り組みをされて来たのかをしっかりと受け止められる分科会でした。『何を基準として人を人として認めるのか?』を徹底的に話し合い、会社組織として『労使見解』に対しての深い気付きや学びが出来ている事が最重要であること。
人に対して働きやすい環境を整える事は、障害者だけでなく、他の皆にも働きやすい結果となり企業の成長の一つになる。障害の有る方も一人の人で有る中で、いかに人に焦点を向け、輝かしく仕事をして貰い、一人一人の目線を上げて行き、どれだけふさわしい課題を与え続けられる事が出来るかが大事かを学ぶ貴重な時間でした。
記・室長 太田宗男 (㈱プライウッド・オウミ 代表取締役)


第2分科会
テーマ「ダイバーシティが生み出す宝物」(神奈川同友会)
報告者:川田 俊介氏 ㈲川田製作所 取締役副社長
座 長:田中博士氏 ㈱まちふく 代表取締役
室 長:寺田 俊介氏 ㈱ドリーム 所長
記 録:小星 知敬氏 神奈川同友会 事務局

川田製作所さんは、車・パソコン・工場ロボット等で使う部品の金属プレス・金型製作をされています。2010年に入社した際、14人の社員の8割が55歳以上。海外への移管や一社依存率の高さでジェットコースターのような売上推移。次の時代のモノづくりを目指し、ITを徹底的に活用して高齢者・障害者・外国人・女性・若者が活躍できるダイバーシティ経営を実践されていました。町工場はもっと地域に貢献できると考え、イベント出張・ワークショップや町工場観光ツアーなどにも取組まれました。
残業無し・有給取得推進など、誰もが働きやすい企業風土を社員と共に築き、それぞれの苦手なことを理解し、本人の力で乗り越えられる環境を作る、得意なことは得意な人に任せる。他を認め、自ら出来ることを最大限
に発揮させることにより、人も会社も、とても輝いている川田製作所さんのご報告でした。
記・室長 寺田俊介 (㈱ドリーム 所長)


第3分科会
テーマ「同友会の一丁目一番地はここにある」(愛知同友会)
報告者①:杉浦 昭男氏  真和建装㈱ 取締役会長
報告者②:浅井 順一氏  ㈱浅井製作所 代表取締役
コーディネーター:磯村 裕子氏 サン樹脂㈱ 常務取締役
室 長:小田柿 喜暢氏 大洋産業㈱ 代表取締役
記 録:岩附さとみ氏 愛知同友会 事務局

愛知同友会で進められている「一社一人関わる運動」について、真和建装の杉浦明男さんが成立の経緯や理
念を熱く語られました。「一社一人関わる運動」は、障害者との関りをそれぞれの会社に応じて行うことの重要性を訴えています。また、障害者も、健常者と同じようにそれぞれの個性を持っています。その個性に合致した働き方が出来れば、もはや、障害者も健常者もおなじ働く仲間になります。このことは、中小企業家同友会での「人を生かす経営」の基本的な考え方に通じます。グループ討論は「中小企業家として障害者と関わることの意義」をテーマに行われ、参加者からは「障害の有無に関わらず、縁があり入社してくれた社員がイキイキと働ける場をつくるために、真正面から向き合ってお互いがわかり合える努力をする」と決意が寄せられました。
記・室長 小田柿喜暢 (大洋産業㈱ 代表取締役)

第4分科会
テーマ「大丈夫、働けます!」(滋賀同友会)
報告者①:青山 裕史氏 油藤商事㈱ 代表取締役社長
報告者②:永岡 鉄平氏 ㈱フェアスタート 代表取締役(神奈川同友会)
コーディネーター:遠城 孝幸氏 認定NPO法人 四つ葉のクローバー 代表補佐
室 長:田中 真氏 ㈱サン機工 常務取締役
記 録:井伊達哉氏 香川同友会 事務局

まず、コーディネーターの遠城氏より社会的養護、就労困難30大雇用についての説明があり、続いて神奈川同友会の永岡氏からは施設と企業を繋ぐコーディネーターとしての視点から、同友会企業の関わりの重要性を説明いただきました。最後に滋賀県での実践報告として、遠城氏からプロフェッショナルセミナー、企業体験パークについて、青山氏からは油藤商事における障害者雇用の取組みと同社の障害のある社員から生の声を聴きました。
障害のある方にとっては大変心理的負担があったと思いますが、とても感動的な報告でした。私は同友会の全国行事にはほとんど参加していますが、全体的にこれほど意識の高い分科会は初めての経験でした。参加者の皆さんが、障害者雇用の可能性と必要性を再確認できた分科会だと確信しています。
記・室長 田中 真 (㈱サン機工 常務取締役)


第5分科会
テーマ「多様な人が輝くために」(栃木同友会)
報告者①:古澤 正巳氏 ㈱鹿沼自動車教習所 代表取締役
報告者②:福田 由美氏 NPO法人CCV 理事長
座 長:斎藤秀樹氏 ㈱ウィステリアコンパス 代表取締役
室 長:田中 正志氏 梅山税理士法人 社員
記 録:二階堂英夫氏 栃木同友会事務局長
報告者の古澤氏、福田氏はともに栃木県鹿沼市に事業所があり、障全交のちょうど直前に台風19号が直撃し鹿沼市でも大きな被害が生じたという大変な中、滋賀にお越しいただきました。
古澤氏はお父様から自動車教習所の経営を引継がれたところ、地元の若者(=お客候補)の減少という事実に直面し事業の将来性に危機感を感じられ悩まれていたところ、お金を払って免許取得をあきらめる方が毎年おられることに気づき、発達障害者の運転免許取得を支援する「つばさプラン」をはじめられました。プランの構築・運営支援に当たってはNPO法人CCVの福田氏などさまざまな方との幸運な出会いがあったと言います。社会的課題の解決を最優先に、利益を確保しながら持続可能な経営を行なっておられる好事例をお聞きすることができました。
記・室長 田中正志 (梅山(税)社員 税理士・公認会計士)


第6分科会(見学分科会)
テーマ「障害者雇用なんてムリ!と思い込んでいるあなたへ」(滋賀同友会)
報告者①:永井 茂一氏 ㈱ピアライフ 代表取締役
報告者②:大川 葵 氏 ㈱ピアライフ 賃貸事業部担当
座 長:坂田 徳一氏 ㈱坂田工務店 代表取締役
室 長:近藤公人氏 滋賀第一法律事務所 弁護士
記 録:長嶺律子氏 沖縄同友会 事務局

見学分科会は、㈱ピアライフの本社ホール(大津市衣川)で行われました。
琵琶湖ホテルからピアライフへの移動中、行きも帰りも、永井社長の報告があり、参加者はバスから琵琶湖風景を見る時間もありませんでした。聴覚障害のある大川さんの報告では、「これまでお世話になった人のためにも、同じ障害を持つ後輩のためにも頑張りたい」等の発言があり、感動的な報告となりました。永井社長は、「経営」も「理念」も知らないまま社長となり、同友会で学んでいましたが、当初は「障害者雇用は自分に関係ない」と思っていました。しかし、障害者問題全国交流集会に参加し「従業員に対して〝出来が悪い〞と愚痴を言う経営者の方こそできが悪い」と学び、その後は障害者を雇用し、「人を生かす経営」「四位一体」(障害者雇用、共同求人、社員共育、経営指針)の運動を実践していることの報告がありました。
記・室長 近藤公人 (滋賀第一法律事務所 弁護士)


熱く語る!


18時30分からは懇親会です。
オープニングは、JERRYBEANS の演奏。一曲だけに想いを込めて、参加者の心をつかみました。


懇親会風景アラカルト。
水野滋賀同友会代表理事より開会の挨拶。

田井実行委員長の乾杯挨拶は、思いがこもって超ロングに!(笑)

JERRYBEANSさんのCD大人気でした。




この抽選箱、素晴らしいでしょう!

懇親会の司会は、川勝青年部幹事長。有り難うございました。

交流の広場も元気炸裂



二日目全体会が9時から始まりました。

広浜中同協会長のご挨拶

来賓の挨拶

滋賀労働局長 代理 職業安定部長 伊藤 研一様

滋賀県知事 三日月大造様

大津市長 越 直美様

ご来賓の皆さま、ご来臨いただき有り難うございました。(順不同)
滋賀労働局 局長 石坂弘秋様代理 職業安定部長 伊藤 研一 様
滋賀県 知事 三日月 大造 様
大津市 大津市長 越 直美 様
滋賀県教育委員会 教育長 福永 忠克 様
(公社)びわこビジターズビューロー 専務理事 西川 直治 様
(公財)糸賀一雄記念財団 次長 森本 富士男 様

記念企画「この子らを世の光に」上映と講演
講師:牧野 望氏 ㈱NHKエデュケーショナル 特集文化部(特集事務局)部長ブロデューサー

パネルディスカッション
テーマ「真の共生社会の実現をめざして」
パネリスト:比嘉 ゑみ子氏 ㈲やんばるライフ 専務取締役
パネリスト:永井 茂一氏 ㈱ピアライフ 代表取締役(滋賀同友会)
ファシリテーター:高橋 信二氏 (福)ひかり福祉会 理事長



永井さんの「障害者雇用をしている経営者の話を聴いて、私は社員のできが悪いのじゃ無くて、社員の個性や能力を引き出せない自分がダメ社長だと言うことに気づいたんですよ」という話に、会場が沸きます。


二日間のまとめを、中同協人を生かす経営推進協議会代表の加藤昭彦氏より。

第20回障害者問題全国交流会in滋賀宣言を読み上げる田井実行委員長。

宣言文
2019年第20回障全交宣言2019.10.18承認

2021年の第21回障全交は埼玉へ!と太田久年埼玉同友会代表理事より閉会の挨拶。

司会の笠井さん。お見事でした!


二日間、多くの皆さんの自主的な参加と学ぶ意欲に支えられ、大成功を納めることができました。本当に有り難うございました。

滋賀県中小企業家同友会
専務理事 廣瀬元行