テーマ:「学生起業家の未知への挑戦」
報告者:五十棲 計さん(株)イヴケア 代表取締役社長CEO
と き:1月26日(金)18:30-20:50
ところ:キラリエ草津 参加者:32人
五十棲さんは2019年の在学中に、滋賀大学初認定ベンチャーとして大学の教員2名と共に(株)イヴケアを設立しました。
企業理念は「優しい眼差しに満ちた、well-beingな社会の実現」で、この理念を基に「ストレスと向き合う」ライフスキルを習得するためのサポートサービスを提供されています。そのひとつのサービスは、髪の毛に蓄積されているデータを測定することで過去3カ月程のストレス状態が分かるというもの。ホルモンを分析してストレスを評価し、従来のストレスチェックの大半が自己分析によるものに比べて、測定結果を通じて自身が身体的にどのような状態なのかを分析的に把握することができるのが特徴。そうすることで、自身がどういう時に気分が落ち、どういう時に頑張れるのかということを、自分でマネジメントできるということで、時代に沿った新しさを感じました。
五十棲さんは事業を通して、思っていたより日本人のメンタルは危機的状況にあると気付きました。生活満足度が下がり、特に若い世代の自殺率が上がっています。今までは稼ぐことが幸せであり、良いパフォーマンスをすることが良い状態(幸せ)だと考えられて来ました。しかし、これからは“稼ぐこと=幸せである“という方程式は必ずしも成立せず、良い状態(Well-being)こそが良いパフォーマンスにつながる、という考えがスタンダードになってきているとも。そういった面でも、五十棲さんのサービスは今後私たちの社会生活において大きな助けとなると思われます。
五十棲さんには大切にしていることが3つあります。
① 売上は役務の提供ではなく、ビジョンの共有
商品が売れる=「誰かの役に立っている」とすると、役に立たなくなれば売れなくなる。しかし「同じ未来を目指す仲間」であれば、損切りされない、顧客にとってのオンリーワンになれる。
② ブレない企業理念をつくる
Purpose(目的)Well-beingな社会の実現
Vision(理念)優しい眼差しに満ちた経営
Mission(課題)Well-beingの社会的な価値の認知や向上に貢献する
売上、利益は指標であり、増益が目的ではない。Purposeが一番大切で、それを実現するためにVision、Missionが支えている。
③ 夢は、バームクーヘンのようにつくり、語る
バームクーヘンをつくるときは「芯」があり、周りの生地が何層にも積み重なり出来ている。大事なのは同じ芯に巻くことである。常に思考し学ぶ事がバームクーヘンを巻くことであり、それを言葉にし、語ることが大切。
最後に「いろんな人を巻き込んで、Well-beingな社会を実現したいという熱を感じて欲しい」と宣言されました。
まずは2025年の大阪万博出展が待っているとのこと。より多くの方にイヴケアのサービスが広がり、Well-beingな社会実現に向けての大きな一歩となることを切に願います。当日の参加者はWell-beingという名のバームクーヘンを巻き始めました。(記 小杉裕)