滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-青年部-

2019年2月20日 青年部2月例会を開催いたしました。

青年部 委員会レポート

2月20日青年部2月例会を開催いたしました。

2月20日(水)18時30分~21時、草津市立交流プラザ大会議室にて、青年部2月例会を開催いたしました。
合計40名が参加しました。
松尾バルブ株式会社専務取締役の松尾直樹さんから、「~想いを貫く決断と情熱~
考え続け行動し続ければ壁は越えて行ける!」をテーマにご報告いただきました。

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会社に入社したてのころは、仕事ではなく遊ぶことに熱中していた松尾さん。ところが、主力製品であるバルブ製造においてトラブルが発生し、その対応に駆け回ることになります。競合他社にシェアを奪われることによる売上低下を防ぐため、無理な値下げもせざるを得なかったとおっしゃいます。
トラブルが終息したかと思った矢先、競合他社から知的財産関係の訴訟を提起されます。
当初、松尾さんは責任者として対応に苦慮されたそうですが、有識者からのアドバイスを受けたり、部長の頑張りがあり、なんとか訴訟を乗り切ることが出来ました。訴訟の過程で、有識者からは、「訴訟に勝つことが目的ではない、会社をなんとかすることが重要だ」といわれたそうです。そして、松尾さんは「他社であたりまえであることも、自社では出来ていない」ことに気づきます。
たとえば、バルブなど重量物を扱う産業であれば、製造工程で台車を使うことは他社では当たり前でしたが、松尾さんの会社では手で重量物を運んでいました。「普通の会社」ではなかったのです。まず「普通の会社」になるためにはどうするか、その気づきを積み重ねれば会社は立ち直ると気づきました。

訴訟もひと段落した矢先、無理な値引きにより累積した赤字のため、メイン銀行から経営改善計画書の提出を求められます。債務超過状態が続いていました。役員による資金繰りもいよいよ厳しくなり、社員へ支払うボーナスも悩む事態に。社員との関係も悪化していきます。
それらの経験から、松尾さんは経営の改善に乗り出します。その際、心の支えになったのは祖父の存在でした。
松尾さんの祖父は、色々な障壁を乗り越えて会社を大きくしていきました。昼はバルブ工場で働き、夜はうどん屋を開いていました。資金をためて会社を作ろうという祖父の姿勢・生き様。努力、根性、勤勉の精神で社会に貢献していこう、という生き様です。

それに気づいたとき、松尾さんは会社をつぶしてはいけないと、会社の建て直しに尽力されます。

経営理念の重要さを知り、経営指針を創る会に参加し、人を大切にする経営が重要だと実感するなどしました。指針書に基づく指針経営もすぐにはうまく回りません。社員が辞めるなどの苦労もありました。それでも会社を黒字体質へ転換することができました。世の中の動きも松尾さんを後押します。大企業が、中小企業の儲けにも配慮するようになりました。
経営指針を創る会で、松尾さんが心に抱いたことは、「子ども達の未来がよくなること」です。経営理念、経営指針書にも、その言葉を織り込みました。
経営者は何でも出来る反面、何にもできない、と松尾さんはおっしゃいます。技術もないし、専門家にも負けます。しかし、会社のおかれた状況に応じて、決断をしなければなりません。それは、経営者にしかできないことです。そして、社員に勇気を沸き起こす存在にならないといけません。