滋賀県中小企業家同友会

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第30回経営研究集会 第3分科会を開催しました

本会行事

第二分科会では、株式会社八代製作所 代表取締役 李川剛隆氏(滋賀同友会)より「全社一丸経営」~コロナに負けない、強固な絆づくり~をテーマにご報告いただき、現地・Zoom合わせて60名が参加しました。

李川さんは、大学卒業後、9年間金融関係の仕事に就き人事や財務などの経験を積んだ後、父から自社の経営を手伝って欲しいと言われ、八代製作所に入社されました。しかし、いざ入社してみれば、会社の財務状態は想像を超える厳しさでした。李川さんはまさかの現実を受けいれられず、自暴自棄になるものの、やはり立て直さなければならないと覚悟を決められました。金融業での経験を活かして一切の権限を自らに集中し、全てを一括して管理することで、売上を伸ばし順調に業績を回復されました。しかしながら、独裁的な経営で業績は回復する一方で、社員はどんどんと辞めていきました。
そこには、なんとか自分が立て直すという想いから、超短納期・難解な仕事・実績もない仕事・自信もない仕事を受注することで、顧客からの高い評価を獲得していかれました。もちろん、李川さんも現場に入り、社員と共に寝る間を惜しんで一緒に仕事をされていました。しかし、その勢いの体制についていけなく社員が疲弊し、また自身においても限界を感じることになります。気づけば5年で3分の2の社員が入れ替わっていたそうです。全社一丸経営への転機となったのは、ちょうどその頃に5歳下の社員から渡された「自分がやった方が早い病」という一冊の本でした。李川さんはこの本を見て、まさに自身がやってしまっていることだと気づかれました。

そこで自身が独裁的に進めて業績を上げるのでなく、全員一丸となってやっていこうと思われました。そこから「入りたくても入れない会社、社員が家族に誇れる会社」を目ざすという強い覚悟を抱き、経営理念・フィロソフィーによる経営をされることになります。李川さんが強くおっしゃられていたのが、「家族より大切なものは存在しない、仕事より大事なものは家族である」ということです。そこからは、社員の幸せ・社員の家族の幸せ・八代製作所で働く意義を追求し、八代製作所の良い風土をつくり上げてこられました。

また、李川さんは、社内風土のためにたくさんの取り組みをされます。18年前から社内報を社員だけでなく、遠く離れたご家族にも社員や会社の状況を報告して、家族も安心してもらえるようにと送り続けられています。他にも、ハーフマラソンやフルマラソン、社内運動会、地域のサッカー大会を主催、といった家族参加のイベントや家族の小学校・中学校の進学祝いに社長から本をプレゼントするなど、全社一丸経営に向けた全員参加型の取り組みを続けてこられました。

また、「考動」という言葉が八代製作所では浸透しています。これは何事も失敗はおそれず考えて動くことが大事であるという意味です。この「考動」を浸透させるために、社員旅行においてチームに分かれて、携帯電話と財布を取り上げ10万円で大阪から有馬温泉まで、いろんな宿題課題をチームで乗り越えながら向かっていくというユニークな企画をされています。

このように、強い絆づくりが今日の業績につながっていると確信をもたれています。李川さんは最後に、「私たちの会社は、ものづくり会社ではない、人をつくっている会社です。これからますます、いい会社をつくること、いい労働環境をつくることにコミットしていきたい」と熱く今後の全社一丸経営に向けての決意を語ってくださいました。