滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-東近江支部-

東近江支部 5月例会を開催しました

東近江支部 例会レポート

東近江支部5月例会が5月17日(木)18時30分から21時まで、近江八幡市の滋賀県婦人会館会議室にて、26名の参加で開催されました。

今回は『事業継承、苦難の果てに見えた中小企業経営!~3つの失敗、3つの気付き~』と題し、 寺田商事株式会社取締役、寺田好孝氏に御報告頂きました。

 

寺田商事株式会社は、サービスステーション運営を軸に、自動車販売、車検、一般整備、板金、レンタカー、 カーリース事業までこなす、創業46年に成る企業です。

大学卒業後、東京の大手企業へ就職。現在とは全く畑違いの仕事、事業規模の違う仕事を経験されていた寺田氏は、 自身でも『東京で最先端の仕事をしている』と思われていたそうです。

 

ある時期に家業を継ぐ事になり、会社を良くしたいとの一身で帰郷されたのですが、その思いが故の行動が、社員と信頼関係を損ない、また親族との確執を生むという思いもよらぬ方向へ向かいます。

①事業の失敗:ガソリンスタンドという事業の将来性に不安を感じ、新規事業を起業。ガソリンスタンドはそっちのけで新規事業に専念。順調に進めていたが最終的には失敗、借金を背負う羽目に。しかし、今あるガソリンスタンドの仕事を『天職と思い集中する』基盤が出来る。
②組織改革:失敗を無くし、効率良く、厳しく、規律正しく動くなどの業務の改革を色々と試されたが、 従業員さんがうまく把握出来ず『何で分からない、出来ないの?』と思っていたそうです。ある時、 若い社員より『会社の未来が見えません』と言われ気付き、業務の改革ばかりを気にし、将来像、 夢を見せる事が欠けていたと。分からないのが悪いのでは無く、分からせられない自分が悪い。『何で出来ない』と言っても始まらないので、自分自身が変わるようにして、矢印を自分自身へ向けた。
③事業継承:半ば強引な経営が、親族との確執となり苦労をする、信頼関係を得る事の大切さを学ばれました。

 

3つの失敗を経験した事と、時を同じくして『経営指針を創る会』を受講され、学ばれる中で、自分自身を 見つめ直す時間を持ち、出来ない事に対して相手に矛先を向ける以前に、自分自身に矛先を向けて考える事が出来る様に。
以後は、理念経営の取り組みを始められます。
ガソリンスタンドが目減りし、セルフステーション化されて行く中、寺田商事さんはセルフだけど従業員を増やし、お客様と接する場所を設けて新規事業へ繋げ、自動車販売、車検、一般整備、板金、レンタカー、カーリース事業などを推し進められてこられた内容を報告頂きました。
今後は、一中小企業として地域を守っている誇りと共に、人間尊重の経営、選択と集中、新規事業の開拓、そして『夢を大きく描く事が大事で有る』と力強く例会を締めくくられました。