湖南支部12月共育例会を開催いたしました。
2018年12月18日、クサツエストピアホテルにて、湖南支部12月共育例会を開催いたしました。
滋賀同友会 共育・求人委員長の小田柿喜暢氏(大洋産業株式会社 代表取締役)から、「共育(ともそだち)」についてご報告いただきました。
ベースとなるのは「労使見解(中小企業における労使関係の見解)」です。ページ数でいえば9ページですが、ここに「経営の基本」があります。
経営者と社員の関係は人格としては「対等」ですが、労働時間内では、社員は経営者による指揮・管理を尊重しなければなりません。経営者は、資金計画、利益計画などを長期的にも英知を結集して経営を計画し、経営全般に明確な指針をつくる役割があります。
とはいえ、経営者の思いや頭の中にあることを、社員に一方的に語ることは避けたほうが良いでしょう。逆に、社員に甘くすること、なんでも言うことを聞く態度も好ましくありません。経営者が経営の展望を含めて毅然とした態度を示すことが、実は社員からの信頼を勝ちえる道であり、経営責任をまっとうする道なのです。
「共育(ともそだち)」とは、自ずから経営者とは立場の異なる社員の自発性と創意性を作り出し、事業を通じた自主的行動を促し仕事へのやりがいを実現し、夢を実現するための基本的姿勢です。
「教育」と「共育」は異なります。「教育」は、主として「人」を育てることです。私たちは学校や家庭で教育をうけますが、そこでは社会常識や一般的知識、やって良いこと悪いこと、生活習慣を学びます。また、学校・家庭で通用することと会社で通用する常識や考え方、習慣は異なりますから、企業においても、社員を「教育する」という側面があります。家族や学校、友達間でのマナーとビジネスマナーは違います。
企業においては、経営者が社員を教育する立場にあるのですが、だからといってひどい押し付けや人格否定をしてはいけません。あくまでも経営者と社員は人格的には「対等」です。社員教育において重要なことは、①継続して粘り強く、②経営理念と人間としての生きがいとを結合して理解、③人格の完成をめざす自主的な学習意欲を引き出す、④経営者自身も常に学ぶ、です。
経営者と社員はおなじ現代社会を生きる・地域社会で生きる人として同じ課題を共有し、企業活動を通じて課題の解決を目指すとともに、人格の完成へ向けて教え・教わる関係であることが望ましいのです。経営者がなぜ経営をしているのか?と、社員がなぜ働くのか?。双方の生き様・生きがいが企業活動のなかで結合するにはどうすればよいのか、共に育つことが重要なのです。
詳細は、『人を生かす経営』と『持続可能な地域と企業のために』(ともに中同協発刊)をお読みください。
報告後のグループ討論では、「共育とは?」をテーマに活発な議論がなされました。また、グループ発表を行い、グループ討論結果をを参加者全員で共有いたしました。