滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-湖南支部-

湖南支部9月例会を開催しました~外部環境なくして経営の未来なし‼~

湖南支部 例会レポート

湖南支部9月例会を開催しました。


2021年9月21日湖南支部9月例会例会だより(高橋信二さん)
≪例会概要≫
と き:2021年9月21日
18:30~20:45
ところ:配信:滋賀同友会事務局
開催:Zoom
参加者:30名
報告者:高橋信二氏
株式会社農環 代表取締役
(福)ひかり福祉 理事長
テーマ:目まぐるしく変化する世の中 外部環境分析なくして経営の未来なし!!

(ご報告内容の概要をお伝えします)
【必然性の洞察】
必然性の洞察とは、こうなることが確実であって、それ以外はあり得ないということを見抜く力が大切だということです。本質にたどり着いて確信をもって、企業経営そして自身の人生を生きていくことが大事だということです。これは、中小企業家同友会全国協議会元会長であった赤石義博さんが語られたことです。

【主観的願望と客観的事実の峻別】
主観的な願望を客観的な事実にすり替えてはならない、ということもおっしゃっていました。日本では明治以来、白兵銃剣主義で育ってきた軍事指導者は、長期戦略なく兵站や補給を軽視し、作戦一辺倒でひたすら目の前の敵を倒すことしか考えず、最後まで小状況に拘り大状況を見ず、国民の命を軽視して戦争に敗れました。最後は神風が吹くということを願ったが、結局、神風は吹かなかったわけです。
コロナがなんとかこの9月いっぱいで緊急事態宣言が収まるかなというところまで感染の数は減っていますが、そうなると条件を緩和するとかGOTOセカンド事業ができるのでは、ということが国からも打ち出されています。元に戻ればいいなという願望を客観的事実に置き換えているという事例かと思います。

【同友会での学び‐幸せの追求】
私の同友会との出会いについてですが、幸せの追求だったと思います。22歳で大学を出て、障碍者施設に就職し、39歳で社会就労事業振興センターに入りました。障がいをもっている方が働くということが組み込まれた社会で、障がい者の労働市場での社会的地位の向上につながるビジネスモデルを構築することの大切さを学びました。
そこで15年働き、最終的に自分の中にあった思いは、「昔、『障がい者』と呼ばれた人たちは『作業所』というところで働かされていた」という社会を創りたい」と思っていました。私が実現したい社会では、あえて障がい者と呼ぶ必要はなく、障がい者が施設で働くということがない社会を創りたいと思いました。そこであらためて、経済、経営をしっかり学ぶ必要を感じました。2002年、同友会に入会。同友会での学びを通じて、経済経営が人の幸せに繋がるモノでなければならないという思いに至りました。

【人が望む素朴な願いと経営】
人が望む素朴な願いは、
一つは、かけがえのない「いのち」を大切にしたい。健康でありたい。与えられた「いのち」を全うしたいということです。その逆のことは誰も思いません。
二つ目は、かけがいのない人生だから悔いのないように生きたいということ。
三つ目は世間からつまはじきにされたり、後ろ指をさされるような生き方はしたくない。あてにされるような、できれば誇りを持って働けるような生き方でありたい、ということです。
それらの願いを実現するためには、
一つ目は命を守り維持すること、すなわち生きるということ。
二つ目は可能性を精一杯開花させる人生を送ること、すなわち人間らしく生きるということ。
三つ目は避けては通れない社会関係を大事にしながら生活を創り豊かにしていくこと、すなわち、くらしを守る、ということです。
そういう意味では、同友会でいう外部環境というのは、私たちの活動そのものがくらしを守るということに繋がっているのだということです。人との関係で、われわれがどのようにかかわりを持ちながら、生活をつくって豊かにしていくことが大事か、ということです。

【人類の究極の四つの幸せ】
日本理化学工業株式会社の大山泰弘会長(故人)が、或るお寺の住職から人間の究極の四つの幸せを教わりました。
一つは「人に愛されること」
二つ目は「人に褒められること」
三つ目は「人の役に立つこと」、
四つ目は「人から必要とされるこ と」。
このなかで、愛はともかく、あとの三つは仕事で得られるものだとおっしゃいました。施設や訓練機関が人間を幸せにするのではなく、企業が人間皆が求める究極の幸せを与える場なのです、とおっしゃられました。同友会の学び、私自身が同友会の中でこうだということを確信をもって検証したいと思っていることは、企業というものは何か、企業が人間の幸せを与えるものだということだといわれました。企業とは何ぞやということを考えていく必要があるなと思っています。

【経営とは何か?企業とは何か?】
経営とは何でしょうか。経済というのは経世済民、世を治め民を救うということからきています。経営とは経済の営み、すなわち世を治め民を救う営み、ということです。企業とは、「経世済民」の実現に向け、「論議」し「行動」するものです。経世済民の活動の一つに企業経営があるということです。ですから、企業というのは、ひょっとすると非営利の組織も企業になるだろう、世を治め民を治めることを目的に議論し実践するのは、なにも会社企業だけではありませんから。しかし、立場がちがうと守らなければならないものが違います。
行動特性を見てみると、一人一人が生身の人間であり、その人たちが組織を構成しています。個々の「人や組織に影響を与える個人の取り組み」と「人や組織を動かしていくための企業の仕組み」があり、個人の取り組みと企業の仕組みの間で整合性が取れていることが大切で、そういう観点からすると、経営指針を創る会(経営指針書の成文化)でやっているのは、それらを整えていくことです。
私も18期連続で経営指針を創る会に参加していますが、それでもわからないことがたくさんあります。経済とは何か、企業とは何か、経営とは何かということを考えることが、人の幸せをつくっていく究極のありようを整えていくことだと考え、学んでいるところです。